第1回行政透明化検討チーム 情報公開法改正の行方

 今日(20日)、行政透明化検討チームの第1回会合がありました。大臣ほか政治家と事務局に、いわゆる有識者構成員が向かい合う形で座席が用意されており、大臣側の後ろには、スーツを着た黒っぽい軍団がずらり。なんだかたくさんいました。たぶん、霞ヶ関の住人の皆さんだと思います。

 一般傍聴者なし、報道関係のみの傍聴の中で、あの黒っぽい軍団はある意味すごい。それと正面から向き合う席に座る私。そして時間をもらって報告をする私。そこはかとなく漂うプレッシャー・・・。めげずに頑張ります(^_^;)

 今回出席は以下の面々。橋本博之慶応大学教授は欠席。

 座長 枝野幸男(行政刷新担当大臣)
 座長代理 三宅弘(弁護士)
 事務局長 泉健太(内閣府大臣政務官)
 構成員 階猛(総務大臣政務官)、逢坂誠二(内閣総理大臣補佐官)
     渋谷秀樹(立教大学教授)、中島昭夫(桜美林大学講師)
     藤原静雄(筑波大学大学院教授)、松村雅生(日本大学教授)
     三木由希子(情報公開クリアリングハウス理事)
 オブザーバー 本多平直(衆議院議員)、櫻井敬子(学習院大学教授)

 事務局としては、職員の声担当室長と同室長補佐、総務省行政管理局情報公開推進室長がおりました。

 大臣からは「情報公開法の改正の方向性について」が出されています。また政府のHPに載っていないようなので、ここに置いておきます。

 始まってほどなく、請求者の立場から見た情報公開法の状況ということで、私にまとまった発言機会をいただきました。その時のレジュメはこんな感じ。まだ政府のHPに上がっていないようなので、ここに置いておきます。何かまとまりのないレジュメですみませんという感じですが・・・

 いろんな人から、こんな問題もあるよと情報をいただきました。そうしたものも踏まえつつ、特に今回は、大臣提案には入っていないものの、請求者にとって制度の根幹に関わる重要な部分について強調した、請求者の実感を報告することにしました。そのため、決定期間の問題等々はあえて触れていない点です。(だって、提案に入っていることがわかっていたので・・・)

 とりわけ、今回の個人的な最大の目標は、行政文書の定義を検討の俎上にのせること、非公開規定である個人情報について踏み込んだ論点を検討の俎上にのせることの二点。行政文書に関しては、組織共用という概念の問題と、行政機関に保有と言う概念の問題を強調してみました。その他にも制度を使った実感をなるべく入れて報告をしてみました。今回私自身が述べなかった論点は、改めて次の会議で意見を述べていきたいと思います。

 会議の様子は、長くなるので関心のある方は続きをごらんください。



会議の冒頭、枝野大臣から、政治主導の新しい実践として大臣から法改正の方向性について提案をしたこと、速やかに大臣提案に対するパブリックコメントを行うこと、スピーディーで実質的な対応をしていきたいことなどの話がありました。

 行政透明化検討チーム運営要領では、会議を原則として公開するとされていましたが、傍聴手続等は別途事務局長の定めるところによるとされていました。第1回目が一般傍聴を認めずに開催となりましたので、次回以降は傍聴手続等が間に合うように要望。対処していただけることになりました。

 会の運営については、藤原氏から2ヶ月という短い期間であること、情報公開制度は自治体での蓄積もあるいで、自治体からのヒアリングやこれまでの運用に関するデータを集めるなどをしないのか、情報は集めて取捨選択をすることがあっても良いのではないかといった趣旨のご発言。今後、いろいろペーパーをご自身でもお出しになるそうです。

 大臣提案については、大臣から、国民共有の財産として公開制度を見ていること、透明化チームは情報公開法の改正が当面の課題であるが、その他の行政透明化に関わる制度も検討すること、こういう資料を出して欲しいなどの行政への資料要求も可能であること、大臣が公文書管理担当であることから、公文書管理法との連動もできることなどの大枠のお話がありました。公文書管理法については、制定されたばかりの法律なので、すぐに見直しは難しい、運用では反映できるところがあるということでした。

 事務方から大臣提案である「情報公開制度の改正の方向性について」の説明。内容は、線形の通りですが、一応ここにもリンクを置いておきます。

 その後のフリートーキングでは、各メンバーから以下のようなご発言がありました。なお、以下は私の手元メモをもとに書き起こしたので、必ずしも正確ではないところがあると思いますので、その点をご留意くださいませ。
【藤原氏】
・個人情報は公務員情報をすべて公開ということはできないと思われるので、「原則公開」としたことは良いと思う。懇談会等の発言者名の公開については、平成17年の申し合わせで、公開とするとなっているはずだが、と私の報告に対してご意見
・個人情報を理由にした新聞記事の部分公開についても、犯罪に関わるものなのか、その内容について質問(これも私の報告に対するもの)
・不開示事由の3号、4号については、時間をかけて議論をすべき。6号主張で済むところ、3号、4号を適用している例があると感じている。この分野の専門的判断をどう考えるかは検討が必要。
・3号、4号における政治主導の意味は、すべて裁判所に委ねるということなのか、大臣が決裁をするのでその判断で十分ということなのか
・決定期限を14日以内とする大臣提案について、自治体は3号、4号の問題がないから短くても対応できるという側面があるのではないか。情報公開法の運用では、時間がかかっているのは外務省と防衛庁。3号、4号との関係が影響しているのではないか。短い時間で公開・非公開を決定すると決定の質が落ちるのではないか。迷う判断は非公開決定に流れるのではないか。アメリカでは、当初土日休日を除く10日間だったのが守れずに、今は土日休日を除く20日間になっている。そうしたことも踏まえた検討を。
・決定期限の延長の特例を60日間とした点については、大量請求をどうするかの始末をつけないとどうなのだろうかと思う

【階政務官】
・大臣提案の第3の2で、全面不開示の場合に内閣総理大臣に報告し、措置要求ができるとなっていて、これは過去の民主党案にもなかったもの。それが入った経緯と、これが機能するのか。
・行政文書の定義の、行政機関による保有の概念については、クラウドコンピューティングのような新しい技術で保存される場合、保有はどうなるのか
・請求がなくても情報が見られるのが筋。情報提供について役所としてのガイドラインがあるのか、それが必要なのではないか。
 
【事務局】
・大量請求の問題、不開示事由の3号、4号は重要な検討テーマ
・大臣提案の第3の2は、文書を管理する大臣として内閣府で報告を受け付けることを想定。存否応答拒否事案のオーバーライド、措置要求や、第7条(公益上の裁量的開示)の適用は政治的に重要な判断なので、そうしたものを念頭においている。考え方としては、報告を受けて、必要に応じて措置要求をするということになるので、事前協議制度ではない。
・クラウドコンピューティングは、新しい分野で物理的なデータセンターでの扱いは事務局で持ち帰りたい。
・情報提供については、積極的にどういうふうに行っていくか検討して欲しい。

【逢坂補佐官】
・情報公開法の名称は、「行政機関の保有する情報の公開」で、そこと行政文書をつなぐものがない。公文書管理法のときは、野党として修正協議をしていて、情報公開法との関係もありそこまで踏み込めなかった。行政文書の定義の見直しは必要

【松村氏】
・行政文書については、立法当初の運用を変わってきているのではないか。
・行政文書の公開なのか、情報の公開なのかという論点がある。
・不開示事由の個人情報は、プライバシー型に近づけるのかどうかという論点。審査会では、法の規定を超えているのではないかと言われるような個人情報の開示範囲についての答申を出したことがあるが、実態としてどうなのか。
・理由付記については、行政手続法の上乗せ規定を置くのが良いのではないか。
・審査会については、裁決期間するとうまく行かなくなるのではないか。理由は追々述べていきたい。
・審査会での口頭意見陳述は、発足当初は希望があればほぼ応じていた。審査会部会委員がそろわなくても、氏名委員が聞くことになっている。意見陳述が認められないということ(これは私の報告から)だったが、実態をみたい。
・解釈運用の問題としたほうがよい問題もある。例えば、不開示決定に各章庁内で誰が関与するのかなど。法改正と解釈運用の見直しと両方が必要ではないか。

【三宅氏】
・部分開示の規定は、大臣提案で最高裁判決のいう独立一体説を乗り越え他者となっているのか。最高裁意見で、情報の有意性への言及があり、それを考慮した大臣提案であると思うが、これについて同のりこるのか、藤原委員のご意見を。
・不開示事由の3号、4号については、裁判所は「おそれ」で解釈運用を判断している、審査会はインカメラ審理で「おそれ」で十分に判断できるのではないか。
・審査会を裁決機関とするかどうかは、自治体の情報公開条例では地方自治法の制約から、審査会を諮問機関としてしかできなかった経緯があるもの。国の制度としてはそれにとらわれずに検討。
・刑事参考記録、軍法裁判記録などが法務省の地下に眠っている。長期にわたり保存されている文書については、何が眠っているかわからない状態。それについて、状況がわかると良い。

【藤原氏】
・答申から決定まで期間も検討課題。
・訴訟に関しては、インカメラ審理を導入する場合、それを実施するための裁判所における環境整備まで議論をすべきではないか。
・審査会を裁決機関とすることについては、簡易迅速性との兼ね合いの問題があるのではないか。今でも、審査会答申には事実上の拘束性がある。また、裁決機関とした場合でも、審査会長の裁量的な判断は残る。政治主導との兼ね合いでどうなのかと思う。

【中島氏】
・このチームの議事録の公開はいつごろか→ゴールデンウィーク前くらいになるだろう。


 なお、次回の会議は5月19日の18時~20時です。次は、傍聴可だと思います。たぶん。
[PR]
by clearinghouse | 2010-04-21 00:00 | 行政透明化検討チーム