情報公開法改正検討の行く先

 行政透明化検討チームの情報公開法改正の検討は、早くも3回を終えて、残すところは2回。どういうアウトプットが出ることになるのか、構成員でありながらあまりイメージがつかめていない私^_^;

 少なくとも、次回には大臣素案を受けて、座長代理私案が出るんだそうな。大臣素案で挙がっている項目からの追加ができるのかどうかなども、視界不良。当初、構成員を引き受ける段階では、素案の拘束性はそんなに強い感じの説明ではなかったけど、項目に関しては拘束性がガチで強い感じがする。それに、パブコメを募集したけど、そこで出てきた意見も丁寧に拾えていない。時間がないので、どんどん過ぎるのは仕方がないにしても、我ながらジレンマです。

 改正項目としては、不開示事由の3号、4号(防衛外交関係と、犯罪捜査関係)と、開示請求から決定までの迅速化、手数料がおそらく、実際法制化するときに、行政機関側に抵抗が大きいであろうところ。大臣素案では、考え方が示されているものの、細かい詰めがされていないこともあって、議論の流れはそれを詰めるということもありつつ、素案より後退する部分が調整する中で出てくるのかもしれないとちょっと懸念。というより、後退したかどうか、ちょっと見判断しにくいような形になる可能性もあるかな。

 個別に見れば、不開示事由の3号、4号は、行政裁量の大きい規定であるので、裁量統制をどのように行うのかという議論がされている。基本は、適用できる対象情報を事項的に制約する方法、裁判手続でのインカメラ審理とセットで行政裁量をある程度認めつつ実質的に統制をしていく方法の2つに、ここまでの議論は集約されていると思う。それで良いかをそうそう簡単に判断できるほど分かりやすい議論が展開されていない。

 開示請求から決定までの迅速化は、請求者にとっては歓迎。決定期限が長期化する傾向のある省庁は、一部に限られる。外務省や防衛省が多いが、時間がかかるところは概して超長期に行政文書を抱えているところ。公文書管理法の施行が来年度にはあるので、そうした関連制度の整備を踏まえて、これまでの仕事の仕方を前提とせずに、情報公開手続の処理のあり方を考える時期だろう。

 そういう話しをすると、必ず権利濫用的な請求の問題を指摘される。濫用的な請求と思われるものはあるし、大量の情報公開請求をする人がいることも知っている。けど、濫用を防ぐための情報公開法って一体なんだ?と思ってしまう。看板倒れも良いところ。立法的に解決しようとすると、悪貨が良貨を駆逐する制度になるので、むしろ権利濫用の場合は請求を拒否し、権利救済の仕組みで争うので良いだろうと思う。それでも大量な請求があったときは、個々のケースに応じて手続を最大限遵守し、決定期限が超過したときは、新たに導入されるであろう、みなし不開示規定の適用などを請求者自身が選択するというような割りきりは必要かと思う。

 そのみなし不開示規定は、大臣素案では「みなすことができる」規定となっている。個人的には、「できる規定」で良いと思うけど、いろいろ整理しないと運用上は混乱する。ついてに、濫用の問題や大量請求と手数料の問題は、議論の親和性が高い。商業利用が多いということもあわせると、極めて親和性が高くなってしまう。でも、商業利用であれば、いくらでもお金を払うということで、お金がかかればかかるほど市民は使いにくくなり、情報公開請求することに経済性を見出せる商業利用は止まらない。濫用的なものは、別対応とするしかないよねと思う。

 こういう個別の論点の検討をしている一方で、肝心の「知る権利」を具体的に保障するために不可避な行政文書の定義やその運用情の問題は、何度も私は発言しているけど、何度言ってもほとんどスルーされている。情報公開法の対象となる行政文書の範囲を検討するというのは、行政文書の開示を請求する仕組みである以上は、どの範囲が知る権利を保障される範囲になるのかという根っこの部分。だからこそ、情報公開制度を使う人はとてもこだわる部分なんだけど、公文書管理法で、という空気も感じる。公文書管理委員会がもうすぐ立ち上がるので、そこでという期待があるのかもしれないけど、公文書管理法には、行政文書の定義について検討したり方針を出す根拠となる定めはない。このまま宙に浮くのでしょうか。

 そして、ここのところの懸念は、開示決定期間の長期化傾向にある外務省と防衛省が、不開示事由の3号・4号ももろに利害に関わる部分とあって、狙い撃ちされている気分になっているのではないか、その気分が今後どんな形で噴出すのだろうかということ。そう思ってしまうのは、検討チームのまとめの後、情報公開法の所管が総務省のまま改正の法案化が進められていくことになるので、どこでどのようなコントロールが聞いて、具体的な法案になっていくのかが見えていないから。おそらく、検討チームのアウトプットは、法律のレベルまでつまったものにならない可能性もあるし。実は、検討チームの後にどういう枠組みで何が動いていくのかがとても重要。そこは視界不良どころではなく、底の見えない沼の中という感じか。

 だから、大臣素案、悪くないじゃんというような問題ではなく、その先でよい制度実現するためには、もう少し目をいろいろ配る必要があるのではないかと思う。というわけで、後日掲載しますが、6月8日第4回会議の前に、一度会合を持つ方向での動きがあります。また、ご案内します。

 といいつつも、アウトプットすべきものがたくさんあるのに、本当に時間ない!だいだい、盛業の方はどう計算しても時間があわない量の仕事が結果的に要求されている上に、私の考え方や文化と違う感じがするので、何でこんな仕事をしているのでしょう。そのこと自体が良くないのかもと、前からわかっていることを、今更ながらぶつぶつつぶやいてみる。
by clearinghouse | 2010-05-29 00:00 | 行政透明化検討チーム