消費者委員会公益通報者保護専門調査会

 2006年4月に施行された公益通報者保護法は、施行後5年以内に施行状況を検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされています。施行後5年以内とは2011年3月まで。要は、法律をそのまま読めば今年度中です。

 消費者委員会では、公益通報者保護専門調査会が設けられ、6月9日に第1回会合が開かれました。私は、法制定当時にいろいろ活動していたということもあって、今回、お声掛けをいただき、専門調査会委員を拝命しました。引き受けるにあたり、いろいろ考えちょっと迷いましたが、結局お引き受けすることにいたしました。委員は、研究者、弁護士、労働組合関係、自治体関係、企業関係と、NPOから私という構成。私、ちょっと立場的には浮いている感じがするけど、4年前の宿題と思って頑張ろうと思います。

 当日の資料等は下記に掲載されています。

http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/koueki/100609/shiryou.html

 第1回は会議時間が1時間だったので、委員全員がそれぞれの基本的考えを述べるにとどまりましたが、各委員の話から、今の法律の課題についてはそんなに大きな相違がないのかなと思います。

 とりわけ、現行法は、公益通報の範囲を、公益通報者保護法の別表に掲載された法律で、刑事罰を伴い違法行為、または直接は刑事罰の対象ではないものの指導等に従わなかった場合に刑事罰が科されている場合に限っています。これが、非常に分かりにくい。何が法律で保護される通報なのか、通報者にとっては極めて不親切。

 個人的には、こういう別表に掲載された法律に違反し、かつ「刑事罰」を伴うものというものの通報を保護しますということは、ある種特別な通報のみ法的には保護しますというメッセージを発しているに等しいと思っています。この点は、法制定当時から問題として指摘されていました。

 委員の中には、自治体で公益通報者保護制度を条例化した大阪市と、先進的な内部通報の取り組みをしている帝人の人が含まれていますが、いずれも一定の成果を上げているところです。共通点は、通報範囲は法律に縛られずに広範に受け付けていること、大阪市は通報者を「何人」としている、帝人では取引先対象の窓口を設けているというように、通報も幅広いところから受け付けていることです。こうしたケースを見ていると、法律がいかにも通報者に不親切に見えてしまいます。

 各委員の発言を聞いていると、この点ついては少なくない委員が問題意識を持っていると思います。これまでの法の運用状況を検証して、こうした公益通報の範囲が実際にどのような意味を持っているのか検証できればと思います。

 また、通報先についても、いろいろ法制定当時から議論があったところです。外部通報の要件が厳しすぎる、どこに通報すればよいのか分かりにくいなど、法律上の定め方も検証する必要があるところだとおもいます。また、内部通報の仕組みの整備が遅れている中小企業で、どのように通報の受け皿をつくっていくのかも、法を運用している中で見えてきている課題です。

 また、大杉委員のご発言に、法の行為規範が明確になっているのかという投げかけがあり、いろいろな視点から法の施行状況を見る必要があるとも思いました。

 会議は公開で行われます。次回は、7月22日(水)の10時から。会議日程のアナウンスが消費者委員会のHPに出ると思いますので、ご関心のある方は、ぜひ傍聴してください。
 
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by clearinghouse | 2010-06-11 00:00 | 公益通報者保護