第4回 行政透明化検討チーム 終わりました

 6月23日は、行政透明化検討チームの第4回目会合。5月26日の第3回から少し時間があきました。枝野さんから蓮舫さんに大臣が変わって最初の会合です。第5回目は7月30日の10時から。その前に、7月9日にワーキンググループとして、政務を除く行政透明化検討チームのメンバーが集まり、関係省庁(外務省や防衛省、警察庁、法務省、最高裁)からのヒアリングを行います。(公開でした(;^_^A  非公開で行うことになりました。非公開、というのはだいぶ引っかかりますが、一応、終わったらブリーフをするのと、議事概要は公開することになると思います。

 第4回会合では、座長代理による「「情報公開制度の改正の方向性について」に関する論点整理」が示されました。第1回で提示された大臣素案について、この間の行政透明化検討チームで交わされた意見を整理したものです。なので、一見してどういう方向に情報公開法改正がなされるのかは、意見が分かれている項目についてはわかりにくい内容になっているかなと思います。

 「情報公開制度の改正の方向性について」に関する論点整理
   ※内閣府のWEBにまだあがっていないので、とりあえずこっちに置いておきます。

 もとい、この論点整理から何を目指して集約をしていくのか、検討チームのメンバーでありながら方向性のイメージを持てずにずっと来ています。検討チームは、情報公開法の抜本的な見直しを図るべく集中的な検討をして、一定の取りまとめを行うことが当座のミッションでした。この取りまとめは、意見が分かれていないものについては歩行性を明確に示していますが、意見の分かれる点についてとにかくいろいろな論点を提示することなのかなと思います。

 が、では分かれた論点をどこで調整していくのかがよくわからず、たぶん、もっと高いところで政治的・政策的判断をするということなんだと思います。だから、意見が分かれている項目は、論点整理がとてもわかりにくい内容になってしまっているのだと思います。ただ、一点いえるのは、検討チームが何をミッションとして何を目指して検討をしているのかは、一般に広く共有されていないように思うということです。アウトプットの出し方によっては、何をしていたんだかわからないという反応が出てきてもおかしくないかなとちょっと余計な心配もしています。

 差し当たり、議論になっているのは不開示事由の個人情報、外交防衛関係情報、犯罪捜査等情報、内閣総理大臣への報告と内閣総理大臣による措置要求、開示決定期限の特例、手数料の部分。今日の議論では、論点整理を最後まで検討できなかったので、検討から取りこぼした内容もあります。とりわけ、手数料については、議論の時間が十分にとれていません。

 私の意見としては、文書にまとめたものを今日の会合で提出しました。中でもいくつかこだわっているものがあります。一つは、個人情報の規定。今の制度では、公務員でない限り公表情報を除き民間人の氏名は公開されません。しかし、最近の政府の運営では、公務員の身分を持たない民間人が政策形成過程に関与したり、助言をしたりといろいろな形で公的領域に影響をもたらすケースがあります。個人情報は個人が識別できるか否かで不開示を決めるものであるので、形式的な非公開です。公的な領域に関わる民間人を、その他の一般民間人と同列に不開示とする今の規定は明らかにおかしいのです。私的懇談会の委員も同様で、これについては、平成17年連絡会議申し合わせというものがあり、委員の氏名については原則公開とされていますが、それ以外は今も変わらず公的領域に関わる個人情報であっても不開示です。だから、公的領域に関わる個人情報については、個人が識別されるか否かで形式的に非公開とならないよう、プライバシー型の規定にして欲しいという点は強いこだわりです。

 一方、自己情報コントロール権の観点からすると、個人情報も法人情報も個別の権利を侵す可能性があり、そうした利益の調整が必要という意見も出ています。また、個人情報保護法の改正が近く始まる見込みで、個人情報の定義は個人情報保護法制と情報公開法は同じものを基本的には採用しています。個人情報保護法制との関係で調整されるべき問題という意見もあります。ただ、やはり個人的には、公的領域の個人情報について形式的に不開示としない、不開示とする場合は情報の内容・性質に応じて個別に判断される仕組みが必要と考えています。個人情報保護法制との整合性は必要かもしれませんが、開示請求権に基づく情報公開の場合の不開示範囲としての個人情報と、適正な取扱いを行うべき範囲としての個人情報の定義を必ずしも一致させないと制度として破綻をするとは思えないところもあります。

 もう一つは、内閣総理大臣への報告と内閣総理大臣による措置要求です。公益的裁量開示規定が活かされていないということから、全面不開示決定をした場合は、内閣総理大臣への報告をし、必要な場合は総理が公益的裁量開示等の措置要求をするというのが趣旨です。ところが、適用が進んでいないものとしては5条1号、2号の人の生命、健康等々に関する情報については不開示情報であっても開示をする規定の適用も進んでいません。さらにいうと、どの段階で措置要求となるのかも重要なポイントです。事前手続なのか、事後手続なのかによって、だいぶ政策的意味が変わってきます。

 基本的には事後手続として想定されていますが、公益的裁量開示などの規定の適用が必要な事案は、できるだけ早く情報公開した方が良いケースもあります。5条2号の人の生命、健康等々に関する情報に該当して、不服申立ての末に公開された情報として、C型肝炎の原因となったフィブリノゲンの納入病院リストがありました。これは、可能な限り早く公開されなければならないもの。でも、開示請求→不服申立て→答申を経てようやく公開され、多くの時間が費やされました。ところが、総務省からの提案をして出された論点は、審査会の答申後に不開示・一部不開示決定をする場合は内閣総理大臣と協議・同意をするというもの。答申の段になって、こうした手続を設ける意味はないわけではないけど、実際の政策的な意味からすると、せめても不服申立てがあった場合は諮問前に内閣総理大臣が措置要求を行うかどうかを検討するとでもすべきではないかと思うところです。

 この論点については、検討チームメンバーの松村日本大学教授からは、裁量的開示規定についてこのような手続きを設けるのではなく、5条1号、2号の人の生命、健康等に関する情報の規定を機能させる仕組みのほうが必要、広く裁量による開示を期待せざるを得ないとすれば、制度の欠陥ではないかという意見がありました。その一方で、同じくメンバーの橋本慶応大学教授からは、政権が変わることによって不開示であったものが開示になる、争訟の最中で裁量的判断で存否応答拒否決定であったものが文書の存在を認める判断の変更が行われるなど、政治的・政策的な判断が必要なものもあるので、このような手続は必要。これは裁量に依存した制度運用ではなく、高度な政治判断による公開を進めるためには必要という趣旨のご発言がありました。

 そして、手数料の問題は、今回はほとんど議論ができていません。ただ、とても気になっているのは、開示請求手数料を廃止するか否かをめぐって、手数料が濫用的請求の予防策という意味合いを論点整理では色濃く与えていることです。手数料の本質は、濫用的請求の予防ではなく、受益者負担として何を求めるのかということなので、実はとっても気になっている。本当は、権利の濫用については手数料に関する論点の中であまり整理されたくないと思っています。ここは、私以外は気にならないのかなという感じです。

 方向性としては、開示請求手数料を廃止し、例外的に商業的請求の場合は徴収するというもの。ただ、これも商業的請求か否かを合理的に判断する基準があり得るのかが、とても疑問。情報の性質でも切り分けられないし、請求者が誰であるかで判断すると、個人で行われた請求は見分けにくい。何より、商業的って何かという問題がある。自治体の事例では、もっぱら出版をしたり販売をするなどがそういう場合に当たるとされているけど、実質的にそれで区分けができるのだろうかとも思います。

 個人的には、商業的請求が不要に開示請求者の負担にならない形で運用しうるのであれば賛成。しかし、情報の性質・内容、請求者の審査によるきりわけという話しになるとかなり微妙。市民の請求もとばっちりを受けることになっては本末転倒なので、もう少しつまってみないと判断できないというのが正直なところです。

 まだ積み残された課題があるので、第5回でどういう議論をして、とりまとめを行うことになるのだろうか、本当に公開性と透明性を確保したなかでとりまとめができるのだろうか、少し不安でもあります。その先はもっとどうなるんでしょうという予測不可能さがありますけど。

 ところで、論点整理の中には、実は総務省からの意見・提案・論点整理もあちこちにちりばめられています。有識者メンバーの意見なのか、行政の意見を採用したものなのかは、座長代理による説明がなければ、なぜそのような整理が行われているのかわからない部分がありました。メンバーの場合は、書面で意見が提出されたり、会議で意見が述べられているので由来が分かりやすいけど、総務省の意見・提案がどの時点でどのようになされたのかという裏づけとなりものがメンバーの手元にもないんです。どこから由来している論点なのか、わかるようにしておく必要はないのかなあ・・・と思うんだけど、どうなんでしょう。
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by clearinghouse | 2010-06-24 00:00 | 行政透明化検討チーム