行政透明化検討チーム 一人反省会 行政文書と個人情報の巻

 行政透明化検討チームの第6回会合が延期になってしまい、リスケジュールされたとしても8月下旬になりそうな感じなので、30日開催を目指して取りまとめされていた大臣案があと半月以上お蔵入りになってしまうという、何とも間のあいた感じになってしまいました。間があいたから仕方がないので待ちましょうというのも何なので、行政透明化検討チームに参加させてもらって、いろいろ感じること、思うこと、法改正という限定があったために話せなかったこと、時間の制約もあって話せなかったことなど、いろいろあるので、まだ終わってはいませんが、とりあえず一人反省会を何回かに分けてしてみようと思います。

 私が今回、しつこいくらいにこだわったのが、行政文書と不開示情報の個人情報の規定の問題。行政文書は第1回に示された大臣素案にない項目で、個人情報も大臣素案ではかなり表面的な論点としてしか拾われていなかったものです。でも、行政の透明化とか、行政刷新という観点からすると、かなり本質的な課題であると私自身は思う項目だったので、どう拾われるかは別にして、とにかくこだわるしかない項目なんです。結論的にいえば、第1回の大臣素案で示された枠は、決して動くことはなかったということが、議論に参加をして早い段階で風景として見えてしまいました。(その「枠」のことはたぶん別に更新すると思う。)

 何でこだわるのかということは、ちゃんと理由があります。情報公開法って、基本的には手続を定めた法律で、私たち市民がその手続を権利として行使することで、情報が公開されるものです。ややもすると、手続をこなすということになりがち。でも、透明性、アカウンタビリティが高まった行政運営をしていないと、原則公開と言いつつもそれは徹底されないし、公開されるべき行政文書の作成・取得がそもそも不十分だったり、管理が不十分だったりということになりがちだと思っています。要は、情報公開法が制定されたから手続を適正にこなすということはもちろんのこととして、単にそれだけではなく、実のところは行政運営の適正化が図られて、情報公開体質に変わっていかないと、情報公開が本質的には進まないという側面もあるのです。

 そう考えると、情報公開法そのものがそういう緊張感をもたらすという意味はあると思うのですが、特に行政運営の在り方、ひいては行政組織の在り方を変えうるものが情報公開法にあるとすれば、それは行政文書の定義と個人情報の規定だと思っています。

 行政文書は、何を作成・取得して管理し、情報公開請求の対象にしていくのかは、行政の仕事の仕方と直結するものです。そこをちゃんとしないと、情報公開制度があっても、請求の結果が中途半端だったり、市民感覚からすると不合理なことであったりして、かえって行政運営の仕方そのものに不信をもたれる結果になる。だからこそ、行政文書として何を位置づけるかは、市民に信頼される行政となるためにも、とても重要だったりするわけです。

 情報公開法の行政文書の定義は、情報公開法以前の決裁供覧文書に限定した情報公開条例が跋扈していた時代を変えるものとして、とても歓迎しました。でも、運用していくと、当初の立法趣旨や立法当初の思いとは別に、緩みや自己都合としか思えないような運用に市民は行き当たり、それがまかりとおる定義であれば、変えてほしいということになるのは当然。要は、当初の考え方は決して問題があったわけではないのですが、結果的には行政運営の在り方があまり変わらずに、旧来のやり方の上に情報公開法がのっかった状態が継続してしまっているということなんだと思います。

 だから、行政運営の適正化を見据えるのであれば、行政文書はこだわらざるを得ないと思うわけです。

 もうひとつの不開示情報の個人情報は、行政運営の適正化という意味では、何を適正というか、適当とするかという意味で、やっぱりこだわらざるを得ない。今回は、公務員の氏名の原則公開と、私的諮問機関の委員で公務員の身分を持たない人も公務員と同様の扱いとするということが議論の中心になってしまいました。そこに、プライバシー型の規定を入れてほしいと最後までしつこく粘ってしまったのが私。枠がかなり固いことはわかっていたんだけど。

 理由は、公的領域の政策形成、意思形成へ関与した個人は、公務員であろうとなかろうと原則として個人情報としては保護されないということをはっきりした方がよいと思っているからです。要は、今は一定範囲、たとえば第三者機関をはじめとした合議体などは政策形成、意思形成はある程度顕名化しているところがありますが、それ以外の政策形成、意思形成の匿名性はまだ維持されている。少なくとも、公的領域の政策形成、意思形成に何らか影響を及ぼしたり関与した場合は、それは個人情報として保護すべきではない、つまりはそこは匿名性を原則としないということを情報公開法ははっきり示すべきだと思うのです。

 匿名性に守られた仕事は、決して健全な仕事につながらない。だからこそ、プライバシー型の規定とすることによって、これまでのある種の暗黙の了解なり、暗黙のルールを壊して、これまでの行政運営の在り方を変えることが、この個人情報の規定が持つ力だと思うので、とにかくこだわった。

 こういう考え方が正しいのか、一般的にどう受け止められるのか分からない。当たり前すぎて誰も言わないだけなのか…。私も、ほとんどこういう話は酒の肴状態でしか話すことはないし、でも取材で答えたことは何回かるかも。でも、これがだたしいかどうかは別にして、何らかのそもそも論を共有して議論をしないと、対立点ははっきりするけど、得るものの少ない議論になってしまうのではないかとも思う。

 というわけで、行政刷新だったり、行政透明化を目指すのなら、まずはここからと思ったのですが、結局大臣素案の枠はコンクリートより固かったので、非力で付録のような私では、行政透明化検討チームではここまで、という感じになってしまった。行政文書も個人情報も、はっきりしていませんが、それぞれ公文書管理委員会と消費者委員会個人情報保護専門調査会に申し送りになるかもしれないので、申し送られれば、そこで第2ラウンドで議論を続けてほしいと思うのです。

 次の反省会では、「枠」の話か、「審査会」のことでも反省してみようと思います。
 
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by clearinghouse | 2010-07-30 12:52 | 行政透明化検討チーム