とうとう来た 警察と学校の相互連絡協定の諮問

 9日開催の国立市の情報公開・個人情報保護審議会に出席。諮問事項に、国立市立小中学校と警察の間で締結する「児童・生徒の健全育成に関する警察と学校との相互連絡制度の協定書」があって、行く前からちょっと気が重かった。気分的には、とうとう来たという感じ。

 学校と警察の相互連絡制度は、各地で5、6年前にいろいろ話題になりました。東京都では、2003年度に導入が提起され、今や23区26市の中では6区市を除き協定が締結されているとのことです。国立市はその6区市の一つであるのですが、協定を締結したいということで、児童・生徒の逮捕事案やぐ犯事案などの不利益情報(センシティブ情報)の収集と、本人外収集、目的外での学校から警察への外部提供などについて審議会に諮問がされました。

 なぜ今かというのは冒頭教育委員会から説明がありました。聞いたことは、最近万引き事案が多いこと、集団での事案があること、対応にいろいろ苦慮しており、警察は市内の小中学校すべてで万引き事案を把握しているものの、協定がないために学校に情報提供できないと言っていること、情報が把握できないため学校としての対策・対応が進まないこと、そもそも万引きがゲートウェー犯罪と言われ、この時点での対応が非行や犯罪予防につながるので適切な対応をしたいということなど。

 結局、警察と学校の間での相互連絡制度では、実施要領によると次のような情報がやり取りされるということです。

■警察→学校
ア 逮捕事案
イ ぐ犯少年送致事案
ウ その他非行少年等及び児童・生徒の被害に係る事案で警察署長が学校への連絡の必要と認める事案

■学校→警察
ア 校内における深刻な暴力、刃物を使った傷害等、学校内での解決が難しく、学校だけでは解決が困難であるため、警察の対応が必要と認められる事案
イ 援助交際、薬物使用など深刻な問題行動又は犯罪に児童・生徒が関与し、学校だけでは解決が困難であるため、警察の協力が必要であると認められる事案
ウ 暴走族に関連する問題行動や深刻な学校抗争の問題行動など、複数の学校の児童・生徒は非行集団・不良グループが関係し、学校だけでは解決が困難であるため、警察の協力が必要であると認められる事案
エ 児童虐待など、児童・生徒が犯罪に巻き込まれたり、被害者となったりする恐れがある場合、その他児童・生徒の生命・身体に重大な危険が生じる恐れがあり、これを防ぐために、警察の協力が必要である事案
オ その他、学校長が警察に連絡することが特に必要と判断する事案

 こういうものについて、審議会ではそもそも協定を締結しなければ必要な連絡すらできないものなのか、ということが問題点の一つとしてあがりました。特に、学校→警察の連絡事案は、ア~ウは是非は別にして警察に今でも通報しているのではないかと思うし、エはむしろ児童福祉法や虐待防止法などで対応できるものだと思うし。問題はオのようなケースでどのようなものが想定されているかなのですが、それについては特に想定はないというのが返答。

 で、今回改めて協定などを見ていて思ったのが、2004年の児童福祉法の改正で各地で設置されている要保護児童対策地域協議会との関係。要対協は児童虐待の関係でいろいろ注目はされているけど、要保護児童とは、被虐待児のことを指すだけでなくて、経済的困難や養育困難家庭の子どもや非行なども含む要保護性がある子どものこと。要対協のメンバーには学校(教育委員会)も警察も入っているし、自治体行政で要保護児童にかかわる関係各所や児童相談所が入っていて、要保護児童への対応を、関係機関と調整したり情報共有しながらする枠組み。

 私は、生業の方でいろいろ要対協にかかわりがあって、その枠が実際にどう動いているのかは、要対協の枠組みでも動いている者の一人として少しは知っています。そこでの経験則的には、要対協の枠組みであればよいということでは決してないけど、情報の単なるやり取りではなく、福祉的な観点から関係機関の連携を図って行くというミッションが明確であるので、やりようがあるのではないかと思っているところです。

 要対協の法定化より少し前に、学校と警察の協定を進める動きが始まり、今や全国に広がっていますが、今ある要対協の枠組みを考えると、情報の提供を基本とする協定と、情報共有をもとにした福祉的なネットワークでの対応という二つのものが並存することになるということでよいのか思案しています。学校と警察の協定は、子どもの健全育成ということになっていますが、福祉的な枠組みが別にあって、そこと重複する部分があるものの協定を締結するということになるのであれば、福祉的な要素以外の、犯罪・非行予防対策と子どもの管理という側面をより補完するための仕組みとして協定が必要ということになるのでしょうか。それに加え、管理的なにおいがしてしまうのは気のせい?

 ということをいろいろ考えていると頭の中がぐるぐる。少し自分の頭の整理が必要かなと思いつつ、いろいろ論考があるならぜひ頭の整理のために読みたいと思ったのでした。

 ちなみに、協定に関しては次回に持ち越し、ついでに今回の審議会では2件の諮問があったけど、もう1件も諮問事項の不備があって次回に持ち越し。次回は10月13日の午前中。次で結論が出るのだろうか…
 
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by clearinghouse | 2010-09-10 00:48