第4回公益通報者保護専門調査会 終了

 13日の16時から、消費者委員会公益通報者保護専門調査会の第4回会合がありましたので、出席しました。

 公益通報者保護専門調査会
  http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/koueki/top.html

 消費者庁公益通報者保護制度ウェブサイト
  http://www.caa.go.jp/seikatsu/koueki/index.html

 今回は厚生労働省、農林水産省の公益通報窓口の状況についての報告もあり。公益通報者保護法は、組織内部での通報を基本としつつ、所管する行政機関への通報やさらに外部の通報も一定の要件の下認めています。2省の窓口とは、その通報の受け皿での運用状況。厚労省は労働契約法関係の通報がほとんどで、農水省はJAS法関係が多いよう。ただ、農水省は公益通報者保護法に基づく受理はこれまでに2件のみ。窓口になっているは「消費者の部屋」で、年間7,400件くらいの相談件数がある中、公益通報者保護法施行後に2件しか該当する通報がないというのは、それで良いのかそれとも法そのものの問題としてとらえなければならない部分があるのかは、話を聞いててよくわからなかった。

 厚労省は、労働契約法関係の通報のうち、公益通報者保護法は現に使用されている労働者しか保護の対象にしていないので、退職者からの相談・通報は法の適用外という扱いになっているので、そういう場合は労働問題関係は労基署への申告ということに整理されているよう。

 その話を聞いて改めて認識したことは、行政機関への通報も、現に使用されている労働者しか公益通報者保護法は保護の対象にしていないし、現に使用されている労働者からの通報を公益通報としているので、退職者からの通報は「公益通報」にはならないということ。通報対象事実は別に定められていますが、何を公益通報とするかは、通報対象事実+労働者という2要件を満たさないといけないということです。

 法律は、労働者の保護を基本とした仕組みなので、その観点からはそうなるのですが、何だか社会に伝わるメッセージが矮小化されてしまっている気も。公益通報は問題を早期に発見・明らかにし適正化を図るという、社会にとっての利益であるとても重要なものなので、それを通報した人が不利益を被らないように必要な保護を法制で担保する、特に労働者が雇用契約上など直接的かつ具体的な不利益扱いの恐れがあるので、そこは法律上の保護をしましょうというのがそもそも。だから、労働者保護を強調しすぎると、なぜ公益通報が重要なのかという社会的な合意をつくっていくためには、少しハードルが高くなるような気がします。

 そもそも、私自身がこの制度に過去に突っ込んでしまった理由は、内部で風通しが良くない(公益通報が安全にできない)組織では、外への情報公開は不十分になるということは自明だと思ったからであります。情報公開をしていますという言葉よりも、あるいは必要なディスクロージャーをしていますというより、いかに内部で問題の把握に努め、それに誠実に対応する文化が組織内にありますと言ってもらった方が、開かれた組織だということに説得力があるかもしれないと思うところです。

 今日の調査会では、今後の検討項目についても意見交換。法の目的自体の見直し、法の定義にかかわる部分の見直し(通報範囲の見直し、通報者の範囲の見直し)、行政機関への通報の要件、外部通報の要件、不利益扱いをした企業への罰則・制裁、行政機関の通報を受け付けた後の対応、中小企業での窓口の設置が進んでいないことへの対応、企業規模に応じた適用除外規定や窓口設置に関する義務規定の緩和など、法やガイドラインに関する論点が各委員から出されています。

 次回までに検討項目の整理が行われることと思います。次回は10月27日の16時から。何とか出席していますが、かなり日程調整、厳しいです。いろんな会議をすっ飛ばしたり人に代わってもらったりで何とかぎりぎりやりくり中。
 
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by clearinghouse | 2010-09-14 00:44 | 公益通報者保護