第4回公文書管理委員会 傍聴行ってきた

 すでに開催から1週間近く経ってしまいましたが、公文書管理委員会の傍聴に行ってきました。風邪を引いて4週目に突入して、咳はだいぶ収まってきたけど声は戻らず、まだまだ省エネ運転中。傍聴も、ところどころぼ~っとしてしました。

 ぼ~っとしてしまったのは、風邪のせいもあるけど、今回は資料の扱いのせいもありです。各府省の行政文書管理規則案を審議するので、17の府省庁の案が資料。ボリュームにして両面印刷をしたとしても500枚近い分量で、傍聴者には配布されず、会議室にあるプロジェクターでスクリーンに投影して傍聴者はそれを見るという状況。電気はついたままで、スクリーンもあまり大きくない上、スクリーンで見るような文字サイズではない文字だらけの資料内容。ときどき、フォントがゴシックではなく線の細い明朝を使っているうっすら仕様の省庁も。裸眼で睡眠が足りていると視力検査の一番下まで時々見えてしまう視力なので、私は結構読めてしまいましたが、傍聴者の中には見えないという方も。見えていても、なまじ見えるばかりに、ほんのり老人力がつきつつある私の動体視力だと、文字だらけの画面がスクロールされて気持ち悪くなることも。こんな状況なので、ところどころぼ~っとしてしまったと言い訳してみる。

 12月に第5回が予定されている会議も同じように規則案の審議なので、資料の扱いについてもっと何とかならないか、帰りがけに事務局にお願いをしてまいりましたよ。傍聴席で数百枚の資料を渡されるのも、結構大変な状況ではありますが、それにしても人の視力頼りの資料提供はやはりちょっといくらなんでも…。何か方法がありそうな感じなので、何とかなってくれるとうれしい。

 規則案は以下に全部掲載されています。

 http://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/iinkaisai/22/221130haifu.html

 分量がやたらと多いので、プリントアウトはして見たものの、すべてを精査するのは時間的に難しいので、傍聴していて気になったところを少しだけ拾ってみる。

 集中管理の推進について、会議の最初と最後辺りに質疑がありましたけど、手元に資料がなかったので、質疑の内容は分かるけど具体的にどう違うのか資料で確認してみる。

 集中管理に関しては公文書管理法第6条第2項で「前項の場合において、行政機関の長は、当該行政文書ファイル等の集中管理の推進に努めなければならない。 」と定められています。あくまでも「推進に努めなければならない」という規定なので、行政文書管理ガイドラインでは「総括文書管理者は、遅くとも平成25年までに、当該行政機関における集中管理の推進に関する方針を定めるものとする。」という書き方になっている。

 質疑になったのは、各府省庁の書き振りや規定のおき方の違いについて。内閣法制局は、規則案の第16条で「総括文書管理者は、内閣法制局における行政文書ファイル等の集中管理の推進に努めなければならない」と本則で法と同様の規定をおき、附則3項で、「総括文書管理者は、第16条に規定する行政文書ファイル等の集中管理の推進について、遅くとも平成25年度までに集中管理に関する方針を定めるものとする」と経過措置をおいている。一方、多くの府省庁では「総括文書管理者は、遅くとも平成25年度までに、当該行政機関における集中管理の推進に関する方針を定めるものとする」と本則においている。

 若干のバリエーションもあって、内閣府は新庁舎の整備計画があるとのことで、「内閣府新庁舎整備の状況等を踏まえつつ」という文言が加わり、新庁舎では集中管理ができる場所の確保をしたいとのこと。厚労省は、「厚生労働省における行政文書ファイル等の集中管理を推進するため、遅くとも平成25年度までに、保存期間が一定の期間を超える行政文書ファイル等の集中管理の推進に関する方針を定めるものとする」と法律の条文とガイドラインのミックス。

 委員会の審議では「保存期間が一定の期間を超える」という文言への質疑がありましたが、行政文書管理ガイドラインでは、
「集中管理の具体的措置としては、一定期間以上の保存期間の行政文書ファイル等(ただし、機密性の高い行政文書ファイル等や継続的に利用する行政文書ファイル等は除く。)については、一定期間経過後は、副総括文書管理者等に自動的に引き継がれる分かりやすい仕組み(例:10 年以上保存文書について、6年目以降は副総括文書管理者において集中管理)を導入することが望ましい。
とあるので、これを踏襲したものであるよう。また、平成20年11月25日の「行政文書・公文書等の管理・保存に関する関係省庁連絡会議申し合わせ」で、文書の保存場所に関する項目に「作成又は取得から一定期間を経過を経過した行政文書ファイルについて、文書管理担当課による集中管理の実施について検討する」とあるので、すでに申し合わせされている事項を、ガイドラインで具体的に方針を示し、規則案では簡素な形で方針として示されたということと読めばよいのでしょうか。「一定の期間」についての懸念が審議で委員から提示されましたが、行政文書ガイドラインにOKを出したのは公文書管理委員会なので、そういう全体の枠組みで少し精査をしていただければと思うところ。個人的には、集中管理は、行政文書の利用状況についての各種調査等を考えると、5年以上の保存期間のものが良いのかなと思いますけど。

 どれも趣旨、効果ともに変わらないというのが内閣府の返答でしたが、何だかちょっと違うような…。気のせいか?でも、附則は経過措置などを書くところのようなので、集中管理の推進を本則で、方針の作成を年限を区切った経過措置とした方が、法律との重複があるけど、筋としては良いような気がする。

 集中管理に関しては、「行政文書ファイル保存要領」で保存場所等も記載されるので、方針の策定の上に要領での取り扱い(おそらく保存年限ごとに何か書くのか?)を決めることで機能するもののようなので、実質的に集中管理が進んでいるかどうかはさらに細かいルールを見てみないとわからないということですね。また、外局、地方支分部局があるような場合、集中管理の推進がどういう意味として位置づけられるのかは、とても関心が。そして、警察庁に関しては各都道府県警に対して通達・通知の類をするのかどうかも関心あり。

 ちなみに、平成21年度の「行政文書の管理状況調査について」では、本省については、一部集中管理も含む集中管理は8省庁(人事院、法務省、外務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、防衛省)で、本省ベースの状況についての報告があります。平成22年度の調査もまとまっていますが、法の施行を意識してか本省の取り組み状況についての調査が落ちている。各府省庁の取り組み状況の具体例が紹介されているけど、これも本省ベースのもののような…。やはり、行政文書管理規則が本省だけでなく地方支分部局や外局も含めたものになっているため、集中管理に関しては地方支分部局や外局も含めたまずは方針を作らないと、話が具体的に動かないというのはわかる気がする。特に、情報公開制度を使う立場に立ちと、地方支分部局での運用レベルの著しい劣化、あるいは自己都合化を考えると、こっちの方が心配。本省より地方支分部局にある行政文書の量の方が圧倒的に多いですから。

 農水省からの説明を聞いていたところ、国立公文書館への移管文書として、「食品の安全性に関する行政文書であって、保存期間が5年以上とされるものについては、原則として移管とする」と移管廃棄基準の「注」で特記したというものがありました。国立公文書館からの要請があって、協議の結果5年以上保存のものを移管として、昨年10月から実際に移管しているとのこと。このことはとっても良いと思う。ただ、同じく食品の安全性の問題にかかわる厚生労働省では、特にこうした記載はない。移管基準をみても、特に該当するものがないような…。これって、国立公文書館との協議の問題なのでしょうか。重要なものとして「食品の安全性」という基準を国立公文書館が示しているのであれば、その趣旨は明確に移管廃棄基準に入れておかないと。消費者庁の規則案がまだ出ていないので、ここは注意をしてみておいた方が良いのかも。

 文書の作成義務は、基本的には公文書管理法の規定を基本的に準用していますが、行政文書管理ガイドラインでは留意事項で作成について具体的な作成に当たっての留意事項に触れています。規則に書ける内容ではないのですが、この趣旨は徹底する必要がある内容であると思うので、さらにガイドラインに示した事項が規則より下位の運用基準等で反映されていくのか、規則に書けないガイドラインの趣旨等をどう徹底していくのかについても、できれば公文書管理委員会できちんと確認していって欲しいと思うところ。

 その他、いろんな事項があって、本当は文書の保存期間、移管廃棄基準等を定める別表をちゃんと見なければならないところだけど、エネルギー切れと時間切れ。気が向いたら後で見る。
by clearinghouse | 2010-12-06 17:04