法人の代表者氏名を非公開にした国立公文書館

 国立公文書館にいわゆる「法人文書」の情報公開請求をしてみた。「法人文書」とは、行政機関でいう「行政文書」と同じようなもので、組織運営・業務にかかる文書のこと。

 契約文書の情報公開請求をしていたので、契約書が一部公開されました。決定通知で「社判等当該法人の利益を害するおそれのある部分を不開示とした」と書いてあったので、印影が非公開になったのだろうと思っていたら、実際に部分公開された文書を見てびっくり。印影だけでなく、株式会社の代表取締役の氏名も非公開になってきました。

 いやはや、びっくりした。

 法人に関する情報は一定の場合に非公開にできることができて、印影についても、私の経験則からすると法人情報として非公開とするところと、非公開としない行政機関があったりします。不服申立ての「答申」というレベルでは、非公開妥当というのが定着しています。が、法人の代表者は、公開しても法人等の正当な利益を害するものにはならないと判断されることが一般的。

 情報公開・個人情報保護審査会の答申でも、「代表取締役」で検索すると平成14年度の答申から、↓のような答申が出てきて、代表取締役については公開の判断を出しています。もっと丁寧に探せば、もっと前に同じような判断が出ているのではないかと思います。

 http://www8.cao.go.jp/jyouhou/tousin/008-h14/400.pdf

 上記答申を引用すると、
 法人の名称,住所及び代表取締役の氏名の部分については,官公庁に対して提出する書面等に一般的に記述される事項であるから,これらを公にしても,法人等の正当な利益を害するおそれがあるものとは認められず,法5条2号イに該当しない。

という判断。なので、何で法人の代表者を非公開と数r判断を国立公文書館がしているのかなととても不思議なわけで。

 何よりも困るのは、特定歴史公文書等の利用制限の判断で、同じような怪しげな解釈をしているとすると、それはとっても問題。国立公文書館の解釈運用の力量について、歴史文書としての特殊性を加味した判断という面ではなく、もっと前段階の部分に疑問を持ってしまいました。これじゃ、特定歴史公文書等の利用制限の判断は、行政機関の言いなりだわね。

 こういう小さい非公開決定はあまり争わないのですが、このままだととても良くないと思いますので、不服申立てをしようと思います。審査会の答申は、過去の答申を踏襲すれば、公開ということだと思う。でも、誰かが争わないと、国立公文書館は、ずっとこの先もこれを非公開にするし、特定歴史公文書等の利用制限でも同じことが起こってしまうのはよくないし・・・
 
by clearinghouse | 2011-10-28 22:00