「防衛秘密」 秘密指定解除が10年間で1件、5年間で廃棄34,300件! 

 特定秘密保護法案に関連して、自衛隊法に基づく防衛秘密の実態について、今日のNHKの19時からのニュースが報じました。私も取材に協力させてもらいました。

 「防衛秘密」の多くが廃棄
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131003/k10015015101000.html

 上記の記事を見ると分かりますが、平成19(2007)年から平成23(2011年)までの5年間の防衛秘密指定文書は約55,000件。この間の廃棄は約34,300件。一方、防衛秘密の指定を解除されたのは1件のみ。指定解除率0.0029%!

 多分解除実績はほとんどないのではないかと予想をしていましたが、結構衝撃です。防衛秘密は、特定秘密保護法案ができると自衛隊法が改正され、特定秘密保護制度にで一本化されます。この防衛秘密の構造が、特定秘密保護法案にも持ち込まれようとしているということですから、ただ事ではない、という問題です。

 先週、私も防衛省防衛政策局から秘密指定解除の実績が過去1件しかないとは聞いていましたが、廃棄件数がわからないとこの解除がどういう意味なのか位置づけがしにくく、廃棄件数についても再照会をしていました。が、今日防衛政策局に電話をしたら、「今週中に回答します」とのこと。今週中って、明日しかないじゃん、と思いつつ、でも金曜日に夕方くらいのいろいろ対応しにくい時間帯に電話があるんだろうなと思っていましたが、NHKにはきちんとお答えになっていたようで。この扱いの違いはなんでしょう(笑)

 これまで防衛秘密については、①秘密の指定基準が実質的にない、②公文書管理法の適用外になっていた、ことまでは私たちの調査でもわかってきて、報道にもなってきたところ。さらに秘密指定文書のライフサイクルについて調べていて、解除が機能せず廃棄がどんどんされていることについて、ようやく実態が見えました。こうした実態なしに、知る権利の議論をしても、ほとんど予定調和的な対立構造にしかならないので、政府のこれまで行ってきた秘密指定のための秘密保護法制が一体何だったのかを全部総ざらいしたうえで、中身の議論がなされることは良いことだと思います。

 2年前に、セミクローズドの勉強会を情報公開クリアリングハウスで行い、安全保障について情報公開という面からも研究をしている知人の研究者を呼んで話を聞いた際、「防衛秘密は秘密の指定解除=廃棄という運用らしい」という話を聞き、以来、ある種の執着をもって情報公開請求をしたりして調べてきたけど、なかなかクリアに問題を示せずにきました。個人的には、ミッシングピースがある、何か足りない感じがしていましたが、最終的には秘密指定文書のライフサイクルの洗い出しが欠けていたことに8月の終わりになって気づいたのはラッキーでした。いろいろ調べたら、ミッシングピースが見事に埋まったというところで、天は見放していなかった、なんて心境になったところです。

 ただ、特定秘密保護法案はではどうするのかと言えば、実はとても悩ましい問題を提示していることになります。というのは、秘密指定文書のライフサイクルとそれとしてきっちり入れ込もうと思うと、秘密指定という外縁がはっきりしなければ、それを前提にシステムをどう機能させるのかを別に考えるか、あるいは秘密を民主的に管理する仕組みをきっちり入れた上で、秘密指定のような仕組みを入れていくのか、という選択肢が出てきてしまうからです。個人的には、秘密や非公開を民主的に管理し、重要なものは歴史的に残され情報公開されていく道を示さないまま、秘密保護法制について議論をすることにはくみしたくない、とは考えています。
 
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by clearinghouse | 2013-10-03 21:32