特定秘密は保存期間前に廃棄することも否定しないとの政府答弁

12月6日の朝日新聞の夕刊で、以下の記事が出ています。また、衆議院のホームページに質問・答弁共に出ていないようなので、記事のみの情報ですが、この間、一部の人とは議論をしていた件ですので、この件の背景ともいえることを簡単にまとめておきます。

 特定秘密「保存期間中に破棄も」 答弁書を閣議決定(2013.12.6 朝日新聞)
 http://www.asahi.com/articles/TKY201312060099.html
 
「秘密の保全上やむを得ない場合、政令などで(公文書管理法に基づく)保存期間前の廃棄を定めることは否定されない」


 特定秘密保護法の国会審議で、特定秘密は公文書管理法の規定に基づき総理大臣の同意のもとでしか廃棄ができないこと、30年を超える特定秘密指定文書は歴史文書として国立公文書館などに移管されるようにするなどと答弁されてきています。が、この答弁書だと、保存期間前の廃棄とするルールを設定することを妨げないとしているので、やっぱり勝手に廃棄されるのではないか、という問題があります。

 おそらくこの答弁書の内容は、見たところ、今の防衛秘密の運用を妨げないという前提で作られたものであると思います。防衛秘密に関する訓令には廃棄に関して以下の規定があります。
第43条 3 防衛秘密に係る文書、図画又は物件を保管し、又は所持する職員は、防衛秘密の保護上真にやむを得ないと認める相当の理由があり、かつ、他に防衛秘密を保護する手段がないと認めたときは、第1項の規定にかかわらず、これらを廃棄することができる。
4 前項の規定に基づき、防衛秘密に係る文書、図画又は物件を廃棄する場合は、防衛大臣の承認を得なければならない。ただし、その手段がない場合又はそのいとまがない場合は、廃棄後速やかにその旨を防衛大臣に報告することで足りる。
5 保全責任者は、防衛秘密に係る文書、図画又は物件を廃棄したときは、防衛秘密管理者まで速やかにその旨を報告しなければならない(第1項第3号に規定する場合を除く。)。

 この規定は、通常は文書の保存期間が満了した防衛秘密の廃棄に当たっては局長級、課長級の承認が必要ですが、第3項はその例外を定めています。「防衛秘密の保護上真にやむを得ないと認める相当の理由があり、かつ、他に防衛秘密を保護する手段がないと認めたとき」としていますので、勝手にどんどん捨てるということではなさそうで、大臣への事前報告、それができない場合は事後報告となってはいます。ただ、何がやむを得ない場合かについては、誰の利益を代弁して判断するかによって見え方が変わってくる。この規定を見て、知人は「日本軍がどんどん文書捨てたのと同じことができるってこと?!」と言っておりましたが、そうとも言えます。

 おそらく政府答弁は、防衛秘密の今のルールを維持することを想定したものではないかと思います。ただ、こういう答弁だと、それ以外の特定秘密分野にも同様のルールを入れるということになりそうです。どんな場合が、「防衛秘密の保護上真にやむを得ないと認める相当の理由があり、かつ、他に防衛秘密を保護する手段がないと認めたとき」に相当するのかについては、判断基準は現場に委ねられているとも言えるところで、防衛秘密ではどんな運用実態で、過去の運用実績なども明らかにしてほしいところです。

 結局、こういうことが出てくると、原則の例外がたくさんできて、訳が分からなくなってきて、他にも例外があるのではないかという疑心暗鬼を生むことになります。実際に、どんだけ例外や今出ている想定外のことがあるのかわかりませんし… こういう状態で施行準備が政府で始められるということが、一番怖い。
 
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by clearinghouse | 2013-12-07 23:11