カテゴリ:行政透明化検討チーム( 27 )

 9月6日付の毎日新聞朝刊に、先般の行政透明化検討チームとりまとめについて、記事が出ています。情報公開法の見直し案の課題で、検討チームで積み残されて今後の立法化に際してどのような決着が見られるのか、先行きが不透明なものが中心に取り上げられています。

 情報公開法:見直し案の課題 「裁判官の直接審理」警察庁などが異議
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100906ddm012010035000c.html

 民主党党首選に関心が完全に向いていますが、情報公開法の改正も党首選が終わらないと何とも落ち着かない感じであるよう。何せ、国会は衆議院は通っても参議院は今の政権の枠組みだけでは通らない。政府だけでなく、民主党だけでなく、もう少し幅広く国会内でも議論が進められないとめどが立たないところなので、これからがいろんな意味で本番でしょうか。

 私も、この1週間は一気に疲れが出てバテバテでかなり低調、いろんなものを滞らせていましたが、そろそろやる気を出さないと。
 
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by clearinghouse | 2010-09-07 01:20 | 行政透明化検討チーム

 8月24日に行政透明化検討チームでの情報公開法の議論が終了して、これから法案化作業が内閣府と総務省の共同で行われるようです。これまで4回の一人反省会をしてきましたが、今回が反省会は最後です。書くことは、ずっといろんな人から直接言われたり、人づてに聞いたり、何かで目にしたりしてきたりと、何かと評判のよろしくなかったわかりにくい議論について。

 行政透明化検討チーム 一人反省会 行政文書と個人情報の巻
 行政透明化検討チーム 一人反省会 審査会の巻 
 行政透明化検討チーム 一人反省会 内閣総理大臣の措置要求の巻 
 行政透明化検討チーム 一人反省会 「枠」の巻 

 行政透明化検討チームの会議日程や傍聴登録情報等々は、私の知り合いに一斉にメールで情報をずっと流してきたので、結構知り合いが傍聴に来てくれていました。とはいっても、傍聴席側と構成員の入口が違ったり、会議終了後には座長代理による記者レクがある関係で早々に傍聴者は外に出ているため、自席でもたもたしていると誰にも挨拶できずにということも多々ありました。だけど、そんな中でも立ち話をしたり、別に会ったり、メールをもらったときに、ぼちぼち感想を聞いておりました。

 共通して言われることは、議論が難しい、わかりにくいという2点。確かに。この上なく日常用語になっていない言葉が飛び交ったり、条文の番号だけで議論をしていたり、これまでの経緯が共有されていることを前提にした省略の多い議論をしていたりと、普通に聞いているとめまいのするような議論であったと思います。私も時々めまいを覚えておりました。その上、どちらかというと平場の会議でもっぱら発言する人と、それ以外の場でのやり取りの多い人がいるような感じで、会議の場で話されていることと、実際に集約されていったものに差があるという状況もあり、個人的には公開の会議は典型的なガス抜きの場?という錯覚に陥ったものでした。

 ともあれ、わかりにくい議論をしていて、資料もシンプルではなく、最終的な成果物の一つである論点整理もかなり難解、そして改正方向性を示したとりまとめも前提を理解していないと内容を読み切れないというものであるので、「行政透明化」と言いつつも、わかりやすさからは遠かったととても反省。反省をしつつ、途中から再認識したのが、「公開」「透明性」と「わかりやすさ」「合意形成」はまったく別物ということ。当たり前のことを何気に実感してしまいました。

 行政透明化検討チームは、会議は公開、議事録も資料も公開であるので、会議資料の公開はすべて行われていますので、「公開」や「透明性」は一定の水準を満たしています。もっとも、会議の経過をフォローしでも出てこないものが入り込んだり、どのように取捨選択されたのか分からないものもあるので、そういう意味では、公開の会議外のことがそれなりにあるので、透過度は50%くらいというところでしょうか。でも、それなりではありました。けど、公開されている会議や資料をもとにして広く議論を理解してもらうところまでは至れなかった。

 その結果かどうかわかりませんが、いろいろ目にする検討チームの取りまとめに関する理解は誤読がとても目立っているなあという感じです。もはや、誤読のレベルではないものも見受けられるので、情報公開法という市民が使う制度であるにもかかわらず、制度そのものを議論するときは、市民から遠くなってしまうというジレンマに、再び個人的には陥ったのでありました。前からわかっていたことではあるけど、やはり再確認すると課題としてわかっていながら成長していない自分にまあなんとも。

 結局、よくわからなかったという感想を何度も聞くと同時に、私が議論をどう思ったのか、思っているのか、どう評価しているのかということがたびたび聞かれることになりました。なので、とりあえず、近くこのブログで少しその辺を書いてみようと思います。
 
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by clearinghouse | 2010-08-31 00:10 | 行政透明化検討チーム

 24日の17:15から正味30分ほどで会議は終了。もともと45分が予定の会議で、論点整理の事実関係の確認と、大臣案である「行政透明化検討チームとりまとめ」の説明、確認だけが議題であるので、発言できることも限られ、ほとんど儀式的な会議でした。
※行政透明化検討チームの資料関係がなぜかリンク切れしているので、以下に手持ちの「とりまとめ」のデータを置いておきます。
 http://homepage3.nifty.com/johokokai/tomeikateam_006.pdf

 確認されたことは、とりまとめの中の情報提供に関する項目では、複数回の同様の開示請求がある文書については、全部開示された場合のみ情報提供となるということ。情報公開法施行以来、当初は国税庁、今は法務省の請求件数が多く、これらがおおよそ全部開示でかつ複数回請求があるものなので、これが念頭にあるものと理解をしています。これが機能すれば、請求件数は相当に減少ということになるでしょう。ただ、10数年前に東京都の情報公開条例の改正で、当時開示請求の多かった建築確認関係の書類などを念頭に、同趣旨で複数回開示請求があるものを情報提供に回すと条例上手当てをしたのですが、あまり機能していないというか、結果的に低調ということもあるので、どういう実施レベルのものとなるのか、よく見る必要があるかなと思います。

 私がお願いしたことは、とりまとめの中で、唯一開示実施手数料については法律条文の改正ではなく施行令での対応となるので、法案作業の中でこの点についても作業を進めて、法案審議段階である程度明らかにしてほしいということでした。開示実施手数料の減額や、減免の充実など方向性としてはとても良いと思うのですが、どういうものかによってその効果は異なってくるし、大量請求の場合の予納制度が入るので、どういう仕組みになるのかによってこれも賛否が分かれるところだと思います。なので、ここは改正法案成立後ということではなく、なるべく国会審議の中でも実質的な議論をしてほしいところだから、あえてという感じです。

 中島さんからも、解釈運用レベルにどう落としこまれていくのかという観点からの発言があり、これと私のお願いについて併せて蓮ほう大臣から、野党時代の国会審議で具体的な事項が明らかにされてこなかったご経験にふれられ、でも法案が通る前の段階であるのでという含みのあるお話がありました。

 検討チームの泉事務局長から、事前に各構成員には取りまとめ案について説明済みとの言及があったように、事前に説明を受けていて、そこでは、私自身もいろいろ自分の見解を述べています。しかし、そうした各委員の考え等々が公開の会議ではなく、事前説明という個別対応の場に結果的にとどまっているのは非常に残念。ただ、大臣による取りまとめという性質、検討チームの構成員としての役割を考えると、最終段階で何かを述べることはそもそも…という感じでもあるので、こういう会議になるのでしょう。私自身はいろいろ考えて、結局その場で話をしていたことは会議では控えてしまったという腰砕けでしたし。意見書を書面で出すかどうかも散々迷いましたが、思うところがあって結局出さず。何だか微妙な話もあったりで、何とも表現しにくいものでもあります。ただ一つ言えることは、不開示規定の3号、4号関係は、検討チームとしての問題意識と見直しの方向性は整合していない一文が入ってしまったのはとても残念ということです。

 今後の法制化については、次期通常国会を目指すということのようで、法案作業は行政刷新会議と総務省の共同で進められることになるようです。大臣の方針として出されたものなので、これを基本に技術的な詰めが必要な個所(特に訴訟手続き関係)、2案が示されている個所の調整などが行われるので、実際にどういう構成になるのかは法案として固まって硬直してしまう前に、何らか確認する機会がほしいと思っています。

 今回の検討チームの取りまとめに対しては、思っている以上に肯定的にかつ積極的に評価する人が多いことが印象的です。2004年度の情報公開法見直し検討の時点で、運用上の課題は認識しつつも改正に至らなかった経緯を考えると、長年の懸案を今回改正目処が立ったところは、本当によかったと率直に思っています。基本的に、すべてより情報公開されるように前向きに議論がなされてきましたし。

 ただ、最初の大臣素案からやや後退した個所、大臣素案で曖昧であった部分が整理された結果、やや積極性が薄れたように感じられる部分があったりと、やや残念なところがあります。何より残念なのは、やはり行政文書の定義の問題という、知る権利の根幹にかかわる課題にまったく手がつかなかったところが残念。行政文書の定義が同じなので、各行政機関ごとにばらついていると思われる解釈運用レベルのまま、公文書管理法が施行されると、法にのっとり管理されているもの以外は開示請求対象にならなくなってしまうことがとても懸念されます。法律本文を変えるという議論が設定された「枠」では想定されていないので仕方がないということかもしれません。むしろ、これからどうしようかと思案をしています。

 ところで、24日は検討チーム終了後の時間帯は、以前からクリアリングハウスの理事会予定で偶然に日程がかぶり、今回の見直しについていろいろな話になりました。率直なところ、今回のとりまとめはどうなの?何点?どう評価しているの?矢継ぎ早に聞かれて、いろいろ言いたい放題。基本的には前進、すごく前向きという認識は共有しつつも、私の悪い癖である屈折した目線だと少し違った風景も見ているところがあるので、その話をしてなんだか盛り上がっていました。その話、わかりやすいとも言われて、そうか、意外に共感してもらえる話なのねと認識。途中で同じく検討チームで一緒だった中島昭夫さんに連絡を取る必要が出て電話を入れて、いろいろ感想等々話したり。思うところはけっこう共通かもしれないという感じでしょうか。

 それから、このブログでぶつぶつと呟いている行政透明化検討チームの一人反省会の内容も、かなりぎりぎり自分の感想として書いているのだけど、それを読んでいる理事から、生々しさがある面白さと言われました。あれも読む人が読むとそういう話なんだよね、というかあまりそうならないように微妙に書いているつもりですが、そういう感想もありです。

 理事会後に、慰労会をしてもらいうことになり、さらに飲みながら言いたい放題。途中から合流された方もいて、さらに言いたい放題が続き、この間にたまった何かを少し洗い流しましたよ。私は慰労されるほどのことは何もしていないのですが、今回ばかりはありがたく慰労されました。ただ、これからが情報公開法に関してはいろんな意味で正念場という感じがありすぎて、なんだか複雑です。めげずに頑張ろ(-_-)
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by clearinghouse | 2010-08-25 23:52 | 行政透明化検討チーム

 明日で行政透明化検討チームの情報公開法検討は最後。今日になって、17時~18時の予定が17時15分~18時に時間が変更になったという連絡があり、45分で会合終了という予定となりました。なんだか、傍聴者に申し訳ないような設定時間 (´o`)

 行政透明化検討チームの一人反省会も今回で4回目。今回とあと一回書いたらおしまいにするつもり。今回は「枠」の話。何の話かと思われるかもしれませんが、要は行政透明化検討チームでの情報公開法改正の議論には、かなりはっきりとした「枠」の設定があったと個人的に感じているというお話です。何だか見えていた風景があったというお話でもあります。

 情報公開法の改正の検討は、第1回に大臣の見直しの方向性という大臣素案が出されており、そこで「枠」が出来上がっています。当初、引き受ける段階ではこの大臣素案で出された項目以外についても検討しうるという話を聞いていたので、この枠を尊重しつつもそれ以外についてもある程度は検討ができるかと思っていましたが、甘かった。実際には、大臣素案でできた項目の「枠」は鉄板のように固くて柔軟性がなかったのでした。

 加えて、項目ごとの見直しの方向性も、そもそも具体的な内容が詰まっていなかった部分を除いては、枠がかっちりしていたように思います。反面、具体的な内容が詰まっていない部分は、提案者側から説明が出てこないという状況が見られ、誰が枠を作ったのかというところがいまいちわからないという感想を持つこともありました。最終的な方向性で修正や追加がある項目を見ていくと、一定の傾向があるような感じで、その傾向が早い段階でうっすら見えてしまった手前、ここで蹴られるのは、と思う提案は意見とて控えてしまったという私の打算的な行動もよくなかったと反省。

 もうひとつ、もともと、今回の改正検討は、法律のテキストをどう直すかということが中心というか、それ以外はほとんど検討できないという「枠」がかなりはっきりしていました。そのため、実際にはテキストの問題ではないと考えられる情報公開法の運用上の課題はすべて置いてきぼりになってしまいました。短期間での検討という時間的な制約、情報公開法の所管ではない行政刷新担当大臣のもとでの検討というところで、いろいろ限界があったとは思いますが、テキストをどういじるかという以外の議論も、本当は必要。おそらくこれは、検討チーム後の問題として取り組まなければならない課題と受け止めるべきかなと、途中から割り切りました。

 そういうわけで、短期間での検討、法律のテキストの改正を目的とした検討、そして政治主導ということでいわゆる第三者機関とは異なる会議体、見えないけどかっちりした枠設定という、いろいろこれまでに経験のないことを経験させていただきました。そして、どうも「お客さん」という感覚が抜けなかったのでありました。こんなものなのでしょうか。自治体ではもう少し違う感覚でかかわるんだけどなあ…
 
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by clearinghouse | 2010-08-23 23:32 | 行政透明化検討チーム

 8月24日に最終回となった行政透明化検討チームでの情報公開法の改正検討ですが、最終回を前に勝手に一人反省会をしています。今回は、新設の規定となる内閣総理大臣の措置要求がなんだか自分の中で一体何だったんだろう、と何となく議論の経過が消化しきれていない感じなので、勝手に反省してみます。

 過去2回は http://johokokai.exblog.jp/14864090/  http://johokokai.exblog.jp/14891084/

 今回の情報公開法改正議論の中で、新設する規定は少ないのですが、その中に不開示となった場合であっても、全面不開示の場合は内閣総理大臣に各行政機関の長が報告し、公益的な裁量開示に該当する場合は、内閣総理大臣から措置要求をするというものがあります。
大臣素案
2 内閣総理大臣への報告と内閣総理大臣による措置要求(行政機関情報公開法関係《新設》)
(1)行政機関の長が、開示請求に係る行政文書の全部を開示しない旨の決定をしたときは、内閣総理大臣に対し、その旨を報告するものとする。
(2)内閣総理大臣は、特に必要があると認めるときは、行政機関の長に対して不開示決定の取消その他の必要な措置をとるように求めることができるものとする。

 公益裁量開示の規定は、不開示情報に該当する場合でも、公益上の必要性があれば裁量的に開示ができるという規定で、とても重要なものですが、一方でほとんど適用例がなく機能していないとも言われています。この規定を何とか機能するようにしようということで考えられたのが、各行政機関の長の判断だけでなく、内閣総理大臣が各省庁から全部不開示については報告を受け、公益裁量開示に該当する場合は措置要求をするというもので、大臣素案に入っていました。内閣総理大臣をかませることによって、政治主導を印象付けるという意図があったものと思います。

 趣旨としてはわかるし、実際に時代ととともに不開示だった情報が公開されるようになったり、政治的な判断で過去に不開示情報でも、それに該当しないと色分けされたりということはこれまでもあったので、こういう高いレベルで情報公開の判断がなされることはよいと思います。公益的な利益と、不開示により守られる利益の衡量をして裁量的に判断をするには、高いレベルの政治判断なしにはできないとも言えます。

 でも、この考え方は当初段階の大臣素案では、どこで何をして、何が対象になって、どのような政策効果を見こむのか、見れば見るほどよくわからず、そもそも何にフォーカスして議論をすればよいのかが、正直私の頭ではわからなかった。理由はいくつかあります。

 一つは、当初の話では全部不開示決定をしたときは各行政機関の長が内閣総理大臣に報告し、必要に応じて措置要求をするという流れであって、なぜ全部不開示に限るのかという政策的な意味が見出せなかったことです。情報公開法の運用状況によると、全部不開示は年間の請求件数の5パーセント未満。想定されるこういう選択の意味は、多数を占める一部開示を一律に除外することで、高レベルでさばける件数に絞るということと、やらないよりやったほうがましということです。その結果としてパフォーマンス的な要素丸出しのものということになってしまうように思えました。

 二つ目は、いつの段階で報告、措置要求をするのかという段階がまったく私の頭では理解できなかった。「不開示決定をしたときは」と書いてあるので、不開示決定後であることは何となくわかるのですが、では、決定後のどの段階で措置要求までとり得るのかは想定されたフレームがなく、そもそも何が想定されているのかがわからなかったことです。不思議なことに、この点について誰も説明できる人がおらず、誰が何のためにこれを入れたのかが結局提案側の話としては最後までなかった。

 三つ目は、公益上の裁量開示規定にのみ絞り、たとえば個人情報や法人情報に該当しても人の生命、健康等に影響を及ぼす場合は開示する規定も同様にあまり機能していないし、ある意味高度な判断が必要であるのですが、それがそもそも措置要求の対象から除外されているのが不思議だった。これこそ政治の責任と思うようなものですから。

 というわけで、そもそもこういう内閣総理大臣による措置要求という規定を入れることの政策的な意味は、観念的にはわかるけど実質が見えない、というところで、そもそも大臣素案で提案されていることについて何か判断し、議論できる状況に私の頭の中ではなかったので、会議の中でもそういう前提で発言をしてきました。

 この点の議論の風向きが明らかに変わったのは、第4回会合の座長代理による論点整理素案が出されてから。その中で、以下のような内容が入りました。座長代理である三宅弁護士の説明によると、総務省の提案ということです。
 
ただし、[論点整理]3のとおり考えると、当該提案は、内閣総理大臣が行政機関の長の決定を覆す判断を行い得る制度であることから、情報公開・個人情報保護審査会による不服申立ての審査・答申との関係をもあわせ考慮のうえ、審査会に諮問した事案について、行政機関の長は、審査会の答申後、全部不開示又は一部不開示の裁決・決定をしようとするときは、あらかじめ内閣総理大臣に協議して同意を得なければならないものとし、内閣総理大臣は、当該行政機関の長に対し、法7条の公益上の理由による裁量的開示その他の必要な措置をとるように求めることができるものとする、という制度にすべきではないか、とも考えられる

 大きな趣旨の一つは、全部不開示を対象とするのではなく、不服申し立てがなされたものを対象にすることで、一部不開示についても内閣総理大臣による措置要求がなされるようにするとともに、実務的にも回るようにするということだと理解しました。もうひとつの趣旨は、不服申し立てに対する情報公開・個人情報保護審査会の答申後を受けて、各行政機関の長による判断の前に報告・措置要求とすることで、事案の前裁きを審査会が行い、高レベルの裁量的判断だけを行うことで、実務的にも回り、政治主導的な意味合いも演出できるということだと理解しました。

 前者の実務的に回るようにするという趣旨は、私も基本的に賛成です。ただ、そもそもの提案が全部不開示から出発していて、そこに件数を絞る以上の意味があるとすれば、前進と後退が入り混じります。通すべき筋が一体何なのかすっきりしない。後者は、個人的には多いに異論ありというものです。確かに答申後だと、不開示情報該当性については一定の整理が行われているので、公益上の裁量開示の該当性だけを判断しやすいという趣旨はわかるのです。

 しかし、審査会の答申後とすると、請求から相当に時間がたってしまうので、政策的効果やインパクトはとても薄くなる。むしろ、審査会答申踏襲的な印象を強くするだけの結果になると思うのです。それに、不服申し立てをする側は公益裁量開示に該当するとも主張する場合がありますが、高位の政治判断をする場ではないので通常蹴られることになるので、むしろ審査会にかかる前に高位の判断はして、不開示情報該当性を審査会で審査をするほうがすっきりするように思います。加えて、個人情報、法人情報であっても人の生命、身体等々に影響を及ぼす場合は開示するとする規定についても、同様に扱ったほうが政策効果が高いと思うところです。

 この内閣総理大臣の措置要求については、私と松村教授が異なる観点から意見を述べていたところですが、実質的には前述の総務省からの提案が出て行こう、明らかに議論ができなくなったというか、議論にならなくなりました。明らかにそこをターニングポイントに発言が変わった方もおられて、総務省提案を支持してそれ以外は話にならないという感じになってしまいました。なので、自分として言いたいことは言うけど、それ以上でもそれ以下でもないということだと、どこかで自分を折り合わせてみました。

 でも、何だか、というか本当に消化し切れていないところです。
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by clearinghouse | 2010-08-20 12:40 | 行政透明化検討チーム

 行政透明化検討チームの第6回会合が、下記日程で行われます。傍聴の登録期間は、8月19日までです。ご都合の付く方は、ぜひ、傍聴してください。

 7月30日に予定されていた第6回会合が、国会日程の関係で延期となっていました。情報公開制度の改正に関する大臣案(修正案)の提示、とりまとめが予定されます。今回で、情報公開法改正の検討は最終回です。

 〇平成22年8月24日(火) 17:00~18:00
 〇中央合同庁舎第4号館共用1208特別会議室
 〇登録期間 8月13日~8月19日

 登録フォームへの直リンクは以下です。
 https://form.cao.go.jp/shokuin-koe-joho/opinion-0010.html

 行政透明化検討チームの関係資料等は下記にあります。
 http://www.cao.go.jp/sasshin/hatomimi/shokuin/shokuin-joho-kokai/summary.html
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by clearinghouse | 2010-08-17 07:03 | 行政透明化検討チーム

 行政透明化検討チームの一人反省会の2回目。1回目は、ぐだぐだとこちらに書いています。今回は、審査会について。ざっくり言うと、今回の改正検討の中でもっとも議論が甘かったのは、実質議論をしなかった情報公開制度の大きな部分は、審査会のことだったと思う。

 今回の情報公開法改正議論では、情報公開・個人情報保護審査会については、今の諮問機関から裁決機関にするという大きな方向転換については議論の対象になったけど、それ以上は項目上は取り上げられていない。審査会に関係するものとしては、不服申し立てを受けた処分庁が、審査会にその申し立てを諮問するまでの期間を定めるということだけ。情報公開法全般は、これまでの運用を踏まえた改正を検討しましたが、審査会についてはその運用をふまえた検討はしなかった。

 そもそも、審査会に関しては、検討すべきこととしては、法の規定ではなく運用レベルの問題が多いという面もあったので、法改正という限定がつくと、そもそも検討から外れてしまうのかもとも思います。でも、審査会のあり方は、いろいろ課題があったと思っています。

 審査会での審議の流れを考えると、いくつかのポイントがある。まずは、①行政機関が出す理由説明書があって、②それに対する申立人の意見書がある。③審査会は、不開示になった行政文書を直接見て審査するインカメラ審理を行い、④その時に行政機関を呼んで説明を求めたりしている。⑤その際、複数の不開示事由が適用されていて、文書の量が多いと、どの部分がどの不開示事由に該当するのかなどをインデックス化した資料を作成する。これをヴォーンインデックスと通称で呼んでいる。⑥そして場合によっては申立人の意見陳述を行って、最後に答申を出すということになる。

 課題を挙げるといろいろある。まずは①。行政機関の理由説明書は十分な説明をしていないものが結構ある。正直、申立人として何を反論しろというのか、というレベルのこともある。申立人はそれでも②の意見書を出す(出さないこともある。私は一度、あまりにもひどい理由説明書だったので、頭にきて抗議の意味も込めてあえて出さなかったこともあるし。その件は訴訟でも争っているので、そう割り切れたということもありますけど)。審査会はどのように行政機関の理由説明の不十分さを埋めているかと言えば、③や④で補っている。行政機関に具体的な立証や説明を求めているという意味では、審査会の大きな仕事ではあるけど、ここでやり取りされたり行政機関が主張、説明したことは申立人には知らされることはないので、何を言われていても反論できず。

 それで、申立人にとって自分の主張を述べる機会は、⑥の意見陳述だけなのに、今はほとんど認められない。要は、審査会に対して意見陳述をしたいといっても、必要ありません、と拒否されてしまうのです。また、⑤は法が定めるヴォーンインデックスではなく、ヴォーンインテックス的なものを作っているだけ。このヴォーンインデックス的なものがいったい何ぞや、ということははっきりしないけど、審査会が参照する何かは作られているよう。

 実際運用状況をみると、申立人の意見陳述はこれまでの運用でだんだん減って今はやっていないに等しい。

 平成13年度  49件
 平成14年度  112件
 平成15年度  72件
 平成16年度  63件
 平成17年度  10件
 平成18年度  1件
 平成19年度  8件
 平成20年度  3件
 平成21年度  2件

 ヴォーンインデックスの作成状況はこんな感じ。

 平成13年度  3件
 平成14年度  24件
 平成15年度  4件
 平成16年度  3件
 平成17~21年度  0件 

 平成17年度から、意見陳述が減り、ヴォーンインデックスは実績がなくなってしまった。行政透明化検討チームのヒアリングで、平成17年度以降、何か運営上の変更があったのか審査会事務局長に質問したが、そういうことはないとの返答だったけど、何だか??な感じがぬぐえない。

 そういう疑問もあるけど、要は、審査会としての権限はヴォーンインデックスに関してはあまり行使していない、申立人の機会行使(意見陳述)は蹴る、行政機関の理由説明が不十分であってもそこは審査会さえ不十分さを補充できればよいというのが、この間の一貫した運用なので、申立人に最低限の機会保障がされているのかという点では、とても疑問がある。実のところ、申立人の機会保障なんてどうでもよい、というような運用と見るしかないと思う。

 しかも、審査会に諮問されてから長期間、審査会で審議をしていることもある(長いと3年とか)。審議中は、申立人はよく進行がわからないし、何の機会も与えられないので、ひたすら待つしかない。出てきた答申を見ると、何度も行政機関を呼んで審査会が話を聞いた経過が書かれている。やっぱり審査会は行政機関の方を見ているんだという視線がそこから生まれる。という状況かなと思う。

 じゃあ、これらについて何を改善すればということになると、ここに書いたことは、ほとんど審査会の裁量の範囲のことなのです。どういう権限を行使するか、誰にどういう機会を与えるかは、審査会が決めることになっている。だから、規定の問題よりも運用の問題になるとまとめられるのだけど、情報公開法では行政の裁量的判断を極力限定する方向で議論をしているのに、審査会ではあるべき審査会のあり方なんてまったく議論にもならず、裁量の範囲で行われている今の運用が適当なのか、その裁量は妥当なのか、という議論もなかった。というより、そういう話をしても、無視されるとうか、スルーされてしまうのでありました。そして、審査会としても標準処理期間を設けてはどうかという提案を、申立人が審査の大枠の期間が予見できるようにと思ってしてみましたが、一蹴されてしまったのでありました。

 結局残ったことは、行政透明化検討チームの有識者メンバーの二人が審査会の現委員であるということと、審査会は一生懸命やっているんだという趣旨のお言葉。そして、行政機関の裁量は問題になるけど、審査会の裁量の妥当性は問題にならないらしいということ。なので、これからは審査会の運用面で申立人の機会保障をどう高めていくのか、というところで、ユーザーサイドは一仕事しなければならないということなのだと思います。これから頑張らねばと反省してみました。

 ところで、誤解されるといやなので最後に一言。審査会がなすべきことをまったくしていないとか、救済機関として役に立たないとか、そんなことを言うつもりは毛頭ないです。ただ、私も県の審査会の委員をして答申を書いていたことがあるので、そういう立場でそれなりに一生懸命自分の役割を果たそうとすると、その一生懸命さ、非公開の議論のなかで内向きな感じに陥りやすい心情が、何となくわかるような気がするのですよ。それに自分が気付いたときに、私はそういう自分がかなり嫌になりましたし。だから、内向きになる審査会の自己都合的な部分は、やはり申し立てる側が自らの機会の保障を求めていくしかないのかなと思ってしまうのは、私だけでしょうか。
 
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by clearinghouse | 2010-08-03 23:50 | 行政透明化検討チーム

 行政透明化検討チームの第6回会合が延期になってしまい、リスケジュールされたとしても8月下旬になりそうな感じなので、30日開催を目指して取りまとめされていた大臣案があと半月以上お蔵入りになってしまうという、何とも間のあいた感じになってしまいました。間があいたから仕方がないので待ちましょうというのも何なので、行政透明化検討チームに参加させてもらって、いろいろ感じること、思うこと、法改正という限定があったために話せなかったこと、時間の制約もあって話せなかったことなど、いろいろあるので、まだ終わってはいませんが、とりあえず一人反省会を何回かに分けてしてみようと思います。

 私が今回、しつこいくらいにこだわったのが、行政文書と不開示情報の個人情報の規定の問題。行政文書は第1回に示された大臣素案にない項目で、個人情報も大臣素案ではかなり表面的な論点としてしか拾われていなかったものです。でも、行政の透明化とか、行政刷新という観点からすると、かなり本質的な課題であると私自身は思う項目だったので、どう拾われるかは別にして、とにかくこだわるしかない項目なんです。結論的にいえば、第1回の大臣素案で示された枠は、決して動くことはなかったということが、議論に参加をして早い段階で風景として見えてしまいました。(その「枠」のことはたぶん別に更新すると思う。)

 何でこだわるのかということは、ちゃんと理由があります。情報公開法って、基本的には手続を定めた法律で、私たち市民がその手続を権利として行使することで、情報が公開されるものです。ややもすると、手続をこなすということになりがち。でも、透明性、アカウンタビリティが高まった行政運営をしていないと、原則公開と言いつつもそれは徹底されないし、公開されるべき行政文書の作成・取得がそもそも不十分だったり、管理が不十分だったりということになりがちだと思っています。要は、情報公開法が制定されたから手続を適正にこなすということはもちろんのこととして、単にそれだけではなく、実のところは行政運営の適正化が図られて、情報公開体質に変わっていかないと、情報公開が本質的には進まないという側面もあるのです。

 そう考えると、情報公開法そのものがそういう緊張感をもたらすという意味はあると思うのですが、特に行政運営の在り方、ひいては行政組織の在り方を変えうるものが情報公開法にあるとすれば、それは行政文書の定義と個人情報の規定だと思っています。

 行政文書は、何を作成・取得して管理し、情報公開請求の対象にしていくのかは、行政の仕事の仕方と直結するものです。そこをちゃんとしないと、情報公開制度があっても、請求の結果が中途半端だったり、市民感覚からすると不合理なことであったりして、かえって行政運営の仕方そのものに不信をもたれる結果になる。だからこそ、行政文書として何を位置づけるかは、市民に信頼される行政となるためにも、とても重要だったりするわけです。

 情報公開法の行政文書の定義は、情報公開法以前の決裁供覧文書に限定した情報公開条例が跋扈していた時代を変えるものとして、とても歓迎しました。でも、運用していくと、当初の立法趣旨や立法当初の思いとは別に、緩みや自己都合としか思えないような運用に市民は行き当たり、それがまかりとおる定義であれば、変えてほしいということになるのは当然。要は、当初の考え方は決して問題があったわけではないのですが、結果的には行政運営の在り方があまり変わらずに、旧来のやり方の上に情報公開法がのっかった状態が継続してしまっているということなんだと思います。

 だから、行政運営の適正化を見据えるのであれば、行政文書はこだわらざるを得ないと思うわけです。

 もうひとつの不開示情報の個人情報は、行政運営の適正化という意味では、何を適正というか、適当とするかという意味で、やっぱりこだわらざるを得ない。今回は、公務員の氏名の原則公開と、私的諮問機関の委員で公務員の身分を持たない人も公務員と同様の扱いとするということが議論の中心になってしまいました。そこに、プライバシー型の規定を入れてほしいと最後までしつこく粘ってしまったのが私。枠がかなり固いことはわかっていたんだけど。

 理由は、公的領域の政策形成、意思形成へ関与した個人は、公務員であろうとなかろうと原則として個人情報としては保護されないということをはっきりした方がよいと思っているからです。要は、今は一定範囲、たとえば第三者機関をはじめとした合議体などは政策形成、意思形成はある程度顕名化しているところがありますが、それ以外の政策形成、意思形成の匿名性はまだ維持されている。少なくとも、公的領域の政策形成、意思形成に何らか影響を及ぼしたり関与した場合は、それは個人情報として保護すべきではない、つまりはそこは匿名性を原則としないということを情報公開法ははっきり示すべきだと思うのです。

 匿名性に守られた仕事は、決して健全な仕事につながらない。だからこそ、プライバシー型の規定とすることによって、これまでのある種の暗黙の了解なり、暗黙のルールを壊して、これまでの行政運営の在り方を変えることが、この個人情報の規定が持つ力だと思うので、とにかくこだわった。

 こういう考え方が正しいのか、一般的にどう受け止められるのか分からない。当たり前すぎて誰も言わないだけなのか…。私も、ほとんどこういう話は酒の肴状態でしか話すことはないし、でも取材で答えたことは何回かるかも。でも、これがだたしいかどうかは別にして、何らかのそもそも論を共有して議論をしないと、対立点ははっきりするけど、得るものの少ない議論になってしまうのではないかとも思う。

 というわけで、行政刷新だったり、行政透明化を目指すのなら、まずはここからと思ったのですが、結局大臣素案の枠はコンクリートより固かったので、非力で付録のような私では、行政透明化検討チームではここまで、という感じになってしまった。行政文書も個人情報も、はっきりしていませんが、それぞれ公文書管理委員会と消費者委員会個人情報保護専門調査会に申し送りになるかもしれないので、申し送られれば、そこで第2ラウンドで議論を続けてほしいと思うのです。

 次の反省会では、「枠」の話か、「審査会」のことでも反省してみようと思います。
 
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by clearinghouse | 2010-07-30 12:52 | 行政透明化検討チーム

 明日、当初10時から予定されていた行政透明化検討チーム第6回会合が、延期になりました。いったん11:15から45分間の会議で予定されましたが、最終的には延期になりました。明日から臨時国会が短期間開かれるし、閣議もあったりするようなので、やむを得ないですね。

 でも、延期すると大臣案が世に出るのが先送りになってしまって、それをもとにした議論が始まったりするのも先送りになる。ここまできて先送りとは、ちょっと痛い。

 リスケジュールの調整をしているので、第6回会合は行われると思いますが、それにしても痛い(>_<。)
  
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by clearinghouse | 2010-07-29 16:28 | 行政透明化検討チーム

 行政透明化検討チームの第6回会合が、下記日程で行われます。傍聴の登録期間は、7月27日までです。ご都合の付く方は、ぜひ、傍聴してください。

 情報公開制度の改正に関する大臣案(修正案)の提示があります。そしてフリーディスカッション。情報公開法改正の検討は最終回です。

 〇平成22年7月30日(金) 10:00~12:00
 〇中央合同庁舎第4号館共用1208特別会議室
 〇登録期間 7月22日~7月27日

 登録フォームへの直リンクは以下です。
 https://form.cao.go.jp/shokuin-koe-joho/opinion-0008.html
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by clearinghouse | 2010-07-24 00:00 | 行政透明化検討チーム