1月11日、個人情報保護専門調査会の第4回会合が開かれました。資料などは以下からどうぞ。

 http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/kojin/004/shiryou/index.html

 今回は、連合、日本総合研究所、yahooからのヒアリング。 いずれも法律そのものに対する問題意識があるのではなく、ガイドラインや各事業者における運用レベルの問題の状況・実態についての報告だったです。委員の関心・質問は多岐に渡りましたが、個人情報保護を徹底するための従業員に対する管理・監視強化への懸念は比較的多く出されたように思います。

 ヒアリングでそうだったのかと思ったのが、ヤフーはプライバシーポリシーではなく、利用規約の中にプライバシーポリシーを入れていること。考え方や方針ではなく、より契約としての意味を持たせているとのことで、アメリカのyahoo Inc.に習ったとのこと。勉強になりました。

 ただ、こういうヒアリングは、どちらかというと個人情報保護について一定水準以上の良い事例が紹介されることになるので、実のところ個人情報保護法の本当の課題・問題が見えてこないのではないかと思う。連合からのヒアリングも、医療・介護、金融、情報通信の3つの分野の組合に対するアンケート調査結果の報告で、おそらくいずれもそれなりの組織的水準にあるところかなと思います。そういうところから見えてくるのは、法律の運用上の課題は見えても、法律そのものの実態把握としてはなかなか難しいのかなと思います。これは、公益通報者保護専門調査会に出ていて、とっても実感したところと似ているかも。

 従業員に対する管理・監視強化はどこまで必要かは直に個人の尊厳にもかかわる、人権問題にもかかわってくるところもあるので慎重に見なければなりません。連合からは、従業員が要求されるルールの複雑化により、従業員が仕事をする上で判断ができず仕事の停滞という懸念も示されたので、事業者である日本総研とヤフーには、実際にどうなのか質問をして見ました。いずれも、ルールが複雑、わかりにくいという意見は内部でも出ているようです。

 ただ、話を聞いて思ったのは、個人情報保護の問題だけではなく、さまざまな法令やルールの遵守という文脈で各事業者の行っている従業員に対する対応、要求を見た方が良いということです。当たり前のことではありますが、今回のヒアリングでも、日本総研では受託により情報の扱う種類が多様で、それに伴い個人情報保護法以外に適用される法令があり、どうしてもルールは必要なものだけでも複雑になるという説明がありました。

 各事業者が情報管理を行うことは、自らの資産を守るという意味だったり、組織を守るという意味だったりします。各事業者は自分が当事者の情報に関しては、情報の漏えい・流出、不適正な利用・収集は事業者自身のリスクになりますが、個人情報やその他第三者の情報を取り扱う時は、同じことは第三者へのダメージとなるとともに、内部事項にはできない社会的なダメージとなる意味で、同じ法令等に抵触する場合でもその意味合いはやや異なるのかと思います。そういう意味での違いはあるものの、個人情報だからというより事業者の情報管理から、従業員への管理・監視強化が進められているので、この問題はもっと大きな枠で考えないと、個人情報保護の問題に矮小化するとよいことはないように思います。

 そういうところでは、労働者の権利保障、権利利益の保護という観点が、個人情報保護法の中に入ってくることは考えにくいので、そこが問題になるのであれば、別に検討する必要があると改めて思います。

 そういうわけで、まだまだヒアリングが続くようです。もう少し頭の整理をしないといけないですね~

 そう思いつつも、ここのところ、机に向かう時間もパソコンに向かうことのできる時間も極端に短かかったので、いろんなことがたまりすぎ。やっと時間が取れたから、生業の方でとにかく処理しないといけないものをひたすら処理。こっちの方にはまだ手が回らない。何て、こんな更新しているなら、他にやることがあるだろうと何か飛んできそうw
  
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by clearinghouse | 2011-01-15 23:02 | 個人情報保護

 第3回個人情報保護専門調査会の傍聴申し込みが受け付けられています。受け付けは、11月12日(金)11時までです。

 傍聴の申し込みの詳細は以下から。
 http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/kojin/101116/kaisai.html

 会議の概要は以下の通り。
  日時 2010年11月16日(火)10:00~12:00
  場所 山王パークタワー 6階 大会議室1
  議題 個人情報保護の状況に関するヒアリング(国民生活センター・全国消費生活相談員協会
                       ・個人情報保護専門調査会委員)
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by clearinghouse | 2010-11-11 12:01 | 個人情報保護

 9月29日は消費者委員会個人情報保護専門調査会の第2回会合。出席してきました。消費者庁、経産省、総務省からのヒアリングで、資料などは以下に掲載されています。

 http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/kojin/100929/shiryou.html

 会議に出ていて、やっぱり個人情報保護法の議論の周辺には煙幕があると、いろんな意味で改めて思います。

 結局、私たちの社会で個人情報をどういうものとして取り扱うのか、何を守るのかということの共通認識があまりないままに、個人情報保護制度の目立つ弊害的なものが議論されていることにその原因があるんだと思います。規制や安全管理も大事だけど、そもそもの社会的な共通認識をもっとクリアにして共有した方が良いのではないかと。

 そういう共通認識がないままに広報啓発活動をすることは、表出している本質とは異なる問題に力点を置かざるを得ないというジレンマを抱えるので、本来の意味での社会的理解が進まないという感じになるんだと思う。だから、全然関係ないのに個人情報にかかわることが問題になると、なんでも個人情報保護法のせいになるんだと思うのですよ。

 第6回までヒアリングが続きます。その後2回の主な検討課題の検討が予定されています。その後、1回の予備日が設定されているので、それで終わりなのでしょうか。何だか専門調査会は、検討ではなくヒアリングをする場になるのでしょうか。会議で確認し忘れました。この煙幕の中でむせない程度に、そこを目指してとりあえず歩いていこうという感じかな。
 
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by clearinghouse | 2010-09-30 23:33 | 個人情報保護

 8月5日(木)の10時から、消費者委員会の個人情報保護専門調査会第1回会合。委員として参加してきました。

 個人情報保護専門調査会
 http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/kojin/top.html

 基本的には、個人情報保護法制のこれまでの経緯や制度、2008年度の施行状況の報告があって、その後に比較的自由な発言の場がありました。何人かの委員の発言があって、私も発言した一人。各発言者で大枠として共通していたのは、司令塔的な存在としての第三者機関が必要ではないかということだったと思います。

 特に、社会保障・税の番号制導入議論を念頭に置いての第三者機関という話もありましたが、それを念頭に、というより別の次元での整理がそもそも必要に感じています。というのも、とかく個別の問題が出てくるとそれをどうするかという話になりがちですが、どんな制度もそうですが、特に個人情報保護を考えるときは、どういう社会であるべきかという社会像が、議論の内容を左右することになると思います。個人の権利利益、ひいては自由とその他の利益(公益だったり、商業的な利益だったり)のバランスはどうあるべきかが問われているのだと思います。

 なので、個々の問題が出てきたらそれをどう解決するかは大事ですが、だからといって場当たり的にすればよいというものではないと思う。会議でも、今の100歳以上の高齢者の安否確認ができないことの原因として個人情報保護法が挙げられていることが話題になり、その流れの中で第三者提供の際の一般利益衡量論が提起されましたが、こういう議論の混乱はいい加減にやめたいと個人的には思っています。

 というのも、高齢者の今回の問題は、民間を対象にした個人情報保護法の問題では全くなく、個人情報保護にかかわる制度としては、自治体の情報公開条例や住民基本台帳法、あるいは年金関係であれば国民年金法の問題だからです。民生委員が民間人であるかのように扱われていますが、民生委員としての立場の限りは公務員。だから、個人情報保護法をどう直せばこの問題が解決するのかと言えば、問いそのものが間違っているので答えはない。個人情報保護法がそういう空気を作り出しているということであれば、廃止するか存続させるかという議論しかないはず。なのに、報道等を見ると、個人情報保護法の問題になっているし、政治家の発言もそう。いい加減にうんざりしてしまいます。今のそういう混沌とした整理されない状況が、建設的な議論の妨げになっているとも思う。

 なんてことをずっと前から考えていたし、求めがあるとそう発信をしてきたのですが、今回は自分が制度改正も含む議論に参加をすることになったので、そこは自分なりに考えて発言をしていこうと思っています。で、今回発言した内容は大きく分けて3つのこと。ひとつは、高齢者の安否確認の問題は、公的機関における個人情報保護の問題であること、問題の根っこは不審情報や安否が懸念される情報があってもそれにどう対応するかといった方針や対応の問題であるので、そういう問題と制度の問題は整理して議論すべきだということ。

 もうひとつは、過剰反応問題。自治会や学校での過剰反応は、本来は顔の見える関係性の範囲で起こっているということをもっと問題とみるべき。顔の見える範囲であるのに、個人情報を集めて利用する側と個人情報を提供する間で、個人情報保護法を理由に提供を拒否されたり、集めにくいということは、相互のコミュニケーションの問題が本質的な問題であるということ。つまり、提供する側は一方的に提供するだけだったけど、それしかすべがなかったけど個人情報保護法をきっかけに意思表示がしやすくなったということだと思う。また集めて利用する側は、丁寧な説明と合意作り(コミュニケーション)が面倒なので、それを怠るあるいは回避する理由として使いやすくなったという側面があると思うからです。

 三つ目は、誰が個人の権利利益の保護と個人情報の利用のバランスをとるのかということ。おそらくそれは主務大臣でも消費者委員会でもなく、第三者機関が必要で、広く社会的理解を得るための開かれた議論をしていくことが必要だということ。

 こんなことも考えつつ、これから議論に参加していきたいと思います。で、会合の最後の段で、情報公開法の不開示事由としての個人情報の議論では行政透明化検討チームで私の意見と対立して散々議論をしてきた藤原静雄教授が発言されて、私の意見は自分の意見に近いとのこと。確かに、個人情報保護制度では、大きな枠では共通する部分が多いのかも。でもとても複雑な気分です。

 ちなみに、高齢者の問題については毎日新聞に何とも微妙なコメントをしてみました。基本的には、今回の件で住民基本台帳法の強化なんて話になるのは、反対です。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100805ddm041040052000c.html 
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by clearinghouse | 2010-08-06 08:50 | 個人情報保護

 消費者委員会に個人情報保護専門調査会が設置され、8月5日に第1回会合が開かれます。同じ日の時間を変えて、公益通報者保護専門調査会も開催されます。両方ともに私は委員になっているので、この日は両方出席します。

【個人情報保護専門調査会】
 第1回会合の傍聴申込みが受け付けられています。申し込みは8月3日(火)11:00までです。
 
 平成22年8月5日(木)10:00~
 http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/kojin/100805/kaisai.html
 個人情報保護専門調査会については、下記に若干の情報があります。
 http://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2010/0723/100723_shiryou1.pdf 

【公益通報者保護専門調査会】
 第3回会合の傍聴申込みが受け付けられています。申し込みは8月3日(火)11:00までです。

 平成22年8月5日(木)16:00~
 http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/koueki/100805/kaisai.html
 公益通報者保護専門調査会の関係資料は下記に掲載されています。
 http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/koueki/top.html
 
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by clearinghouse | 2010-07-31 21:45 | 個人情報保護

 7月23日の消費者委員会で、個人情報保護専門調査会の運営方針が議案となり、間もなく個人情報保護法の調査審議がはじまります。専門調査会委員に私も加えていただいたので、これからいろいろ意見を聞きつつ、何だかんだとできることをしていきたいと思います。委員名簿も含めて関連資料は以下にあります。

 http://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2010/0723/100723_shiryou1.pdf

 行政透明化検討チームの論点整理で、不開示情報の個人情報については消費者委員会に申し送りという形になっていましたが、ここに申し送られることになりますね。透明化検討チームのうち、私を含めて3名が専門調査会の委員。三宅座長代理が透明化検討チームの席上で言っていた第2ラウンドって、このことです。考えるだけで胃が痛くなるような第2ラウンド。総勢18名の委員なので、この人数でどこまで実質的な議論ができるのか、第1回目の会合で少し雰囲気がわかるでしょうか。

 ちなみに、まだ会議日程が消費者委員会のHPに出ていませんが、私の手帳の予定では以下の日程です。

  8月5日(木) 10:00~12:00

 ついでに、私の手帳の予定では第3回公益通報者保護専門調査会も8月5日(木)で、16時から。この合間の4時間、どう過ごそうか思案中。
 
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by clearinghouse | 2010-07-25 00:00 | 個人情報保護