気がつけば、今年もあと数日。年賀状の準備はしてあるが、まだ一枚も書いていないし、今日まで仕事となってしまったので、大掃除もこれから。本当はとっくに脱稿していなければならない原稿も、あと一歩のところで脱稿に至らず。他にも、積み残し多数。常勤の仕事(それもかなり忙しい)を抱えつつ、ほかの仕事もするという二重生活のせいで、いろいろな人に迷惑をかけ通しの1年だった。ただただ反省。やはり非常勤になりたい、と1年を振り返って心底思うこのごろ。その前に、常勤とはいえ、明らかに仕事の負担が過剰のように思うので、その整理が先かとも。

 そんな中でも、なんだかんだときちんとした成果になったのは政治資金データベース。11月中に2004年分の6万団体以上分の政治資金収支報告書の要旨情報のアップが終わり、政治団体と国会議員の関連付けの一次作業も何とか終わった。4,500団体ほどの政治団体が、国会議員名で検索できるようになった。国会議員との関連づけは、さらに作業を進めてもっと充実させる予定だ。また、2005年分の収支報告書要旨のデータベース収蔵に向けた作業も始めた。いろいろな人の尽力でようやく形になった。よかったよかったヽ(*^▽^)ノ

 この政治資金データベース、いろいろと注目してもらっている。このデータベースの生データの一部を提供したりするなど、いろいろな形で協力したテレビ局の企画も、年明けの放映となる。日本テレビの1月4日放映の夕方のニュース「newsリアルタイム」と、1月6日の18:00から放映の特番「ACTION 日本を動かすプロジェクト」の中で、それぞれ一部取り上げられるということなので、お時間があればご覧ください。

 そんなこんなでバタバタしているうちに、改正政治資金規正法が成立。国会議員の関連団体は、経常経費も含めて支出についてはすべて領収書の添付を義務付け、原則公開していくこと、監査の義務付け、政治資金適正化委員会の設置、収支報告書のインターネット公開が主な改正内容だ。しかし、その陰で結構重要な改正も行われた。それが、インターネットで収支報告書を公開する場合は、現在官報や公報での収支報告書の要旨の公示を要しない、とする改正だ。

 政治資金データベースは、要旨を収蔵したものなので打撃が大きいということもあって、そのことは個人的には頭の痛いところだけど、そういう個人的な問題にとどまる小さい話ではなく、結構大きな問題だ。というのも、収支報告書の保存期限は3年なので、過去にさかのぼれるのは3年分。しかし、議員の任期は4年(参議院は6年)。つまり、収支報告書は、次の選挙の前には廃棄されてないということになる。ましてや、1期だけでなく再選を目指す議員がほとんど。政治とお金の問題は、今回は支出が問題になったが、やはり一義的には、献金が政治家の政治行動に影響することが問題の核であると思うので、現職中、議員になろうとする人の収支報告書は、長期にわたって確認できるようにすべきだと考えている。

 その点、収支報告書そのものではないが、5万円超の寄付者情報も含む収支報告書要旨の官報・公報での公示制度は、官報や公報がおよそ永久に保存されるものなので、結果的に記録が一部長期にわたり残されるという、優れた仕組みだと個人的には考えていた。また、要旨では、寄付者情報は、寄付者名+所在の市町村名で公示される。収支報告書本体には、寄付者の住所が地番まで出ており、企業や政治団体はともかく、個人住所については、長期にわたって公表されるのは市町村くらいまででよいのではないかとも考えていたので、やはり要旨の公示は、それなりに合理性のあるものだと、個人的には理解をしていた。

 収支報告書のインターネット公開は歓迎するものの、要旨の公示を要しないとされたことで、逆に経年で監視されるべき政治とお金の問題をさかのぼる手段が全くなくなってしまうことになる。政治とお金の監視がなぜ必要なのか、どの範囲で必要なのかという議論を、収支報告書の項目だけでなく、そして規制の在り方だけでなく、期間という視点でも、きちんと議論をしてほしいと思う。
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by clearinghouse | 2007-12-29 22:49

妥協ラインの読み

 今日は、所用で埼玉方面へ行ったあと、久しぶりに夕方の時間帯があいたので新宿へ出て本屋に立ち寄る。紀伊国屋へ行き、いつもチェックするコーナーを一通り回り、いろいろほしい本があってさんざん迷って3冊ほど購入。買い始めるときりがないし、最近は、通勤時間に本が読めるので(以前は、自転車通勤だった)、前のような買って積み上げておく状態ではなくなりつつあるので、気をつけて購入しないと、最近拡張した本棚にあっという間に納まらなくなりそう。

 少し旧聞になってしまうが、政治資金規正法改正で与野党が基本ラインを合意した。合意したラインは、1か月半以上前に聞いていたラインと近いものがあるので、結局降り出しという感が個人的にはある。

 <政治とカネ>すべての領収書公開で大筋合意 与党と民・社(毎日新聞)

 今回の与野党合意内容では領収書の公開が注目されているが、結構大きな意味があると思うのが、領収書の原則添付と公開が国会議員に関連する政治団体のみが対象となっている点。各団体の政治家との属性情報まで一緒に公表されることになるのかどうかわからないが、聞いたところによると、自民党は領収書を公開することとなる政治団体数は、試算で7000団体程度としているようだ。資金管理団体と政党選挙区支部、それに加えて後援会等の関連政治団体となると、政治団体間の連結ということにはならないが、少なくとも国会議員に関連する団体の洗い出しが可能になる。これって、結構大きな変化だ。

 領収書の公開については、1万円以上は収支報告書に添付して提出され、原則公開されるが、1万円以下については、収支報告書には添付されずに各政治団体が保管し、公開の求めがあった場合に各都道府県選管や総務省を通じて連絡があって公開に応じるという仕組みになるよう。これって、私が某所で何度か口走った実を取ったボトムの妥協ラインと同じだなあと。某所というのが、なかなか微妙な所であったので、なんとはなく思うところがあるが、いずれにしても、合意された妥協ラインと同じようなことを落とし所として考えるようになった自分に、成長したというか、後退したというか、転向したというか、いろいろと複雑な気分になりましたですよ。それに、最近、意見を聞かれてもう一つ口走ったことがあるので、戦々恐々な気分。

 気になっているのが、現在は政治資金規正法上は収支報告書の閲覧しか認めていないのを、コピーについても規定を設けることになるとのことで、これは歓迎。しかし、これまで収支報告書のコピーは情報公開法や、都道府県情報公開条例による公開請求で全国どこでも入手できている。各都道府県選管に行かなくてもよいというところは、大変便利であるのだ。政治資金規正法でコピー規定を入れて、どのようにコピーができるようにするかによっては、各都道府県選管に行かなければならない状況になる可能性もあって、かえって公開性が下がる可能性もある。このことは、ずいぶん前から運用も含めてきっちり詰めて担保を取るべきという話をあちこちでしているが、まったく詰まっていない模様。ちょっと怖いなあ、この改正は。

 それに、各政治団体が保管している1万円以下の領収書は、一部を非公開にする可能性もあるようなのだが、それがどこの判断で非公開とするのかが大変関心のあるところ。収支報告書を保管する総務省や都道府県選管に1万円以下の領収書の公開を請求することになるようだが、非公開の決定主体が総務省などである場合は行政処分で争訟手続に乗るのだろうと思うのだが、仮に各政治団体が非公開としたものを、総務省などが仲介するだけの場合は、争訟手続には乗らないのだろう。さらに、各政治団体が判断して総務省などに提出した領収書等を、総務省などが請求者に対して決定通知するという形態をとることもあり得るのかなあ。そうだとすると、なかなか複雑になってくる。

 いろいろ、目が離せない。
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by clearinghouse | 2007-12-01 23:57