昨年11月に行われた、神奈川県の情報公開条例制定25周年を記念したフォーラム「情報公開・個人情報保護フォーラム」の実施報告書が、先週郵便で届いていた。県のホームページ上でも以下で公開されている。

情報公開・個人情報保護フォーラム実施報告書(本編)(PDFファイル17MB)
情報公開・個人情報保護フォーラム実施報告書(資料編)(PDFファイル23MB)

 印刷された報告書が届いて以来、そういえばホームページ上でも公開すると聞いていたので、県のホームページの更新情報をせっせとチェックしていたが、いつまでたっても出てこないので、おかしいな~、と思って「情報公開制度」のページをチェックしたところ、まんまと掲載されていた。おいおい(ー_ー) 

 情報公開も情報公表制度もいいけど、新着情報や更新情報のコーナーを設けているならば、そこできちんと更新した情報の案内をしてくださいな。しかも、情報公開を扱ったフォーラムなんだし。

 それはそれとして、せっかく掲載されているので、ご関心の方はぜひご一読ください。

 そういえば、フォーラムアンケートの中では、資料編の情報公開部分の感想に「NPOの意見が強すぎた」とあった。これって私のこと。でも、情報公開って、結局は行政は行政の話をしてそれはそれ、研究者などは審査会などで運用に関わっているけど、それもそれ。制度が社会でどのように使えるのか、制度を使うことはどういうことか、どんな課題があるのかを身をもって知っているのは、明らかに制度を使っている市民だったりする。そうすると、情報公開制度の運用に関しても、それをどう活かすことができるのかについても、いかに使えないのかについても、実感を持って語れるのは制度の利用者だろう。だから、当たり前だよなあ~、と思うんだけど。
by clearinghouse | 2008-04-18 23:23

 ここ数年、定例的に都道府県に対して情報公開条例に基づく公開請求を行う機会がある。常に全都道府県に対して公開請求するわけではないが、一応、全都道府県の請求権者や請求書の書式、請求書の送付先など、一通りの情報を集めている。

 全国的に請求をするうえで厄介なのが、請求権者。「何人」ではなくいわゆる「広義の住民」に限定していると、そもそも公開請求権がない。ただ、その場合でもほとんどのところが、請求目的を明示することで請求権を認めたり、あるいは「公開の申し出」という任意の手続を用意しているので、情報の公開を求めることはできる。当初、全国的に都道府県に請求を始めたときは、愛媛県が請求権者を住民に限っている上に、申し出制度もなく苦労した。愛媛県は、確か情報公開条例の制定も都道府県の中でもだいぶ遅れての最後の制定だったので、ここも最後まで消極的なのかと思ったもの。その愛媛県も、情報公開条例が改正され、2007年10月に「公開申し出」を認める条例が施行された。これで、まったく公開を求める手続のない都道府県はなくなった。

 もっとも、この数年の間に、「広義の住民」に請求権を認める条例から「何人」に請求権を認める条例改正を行ったところもある。岡山県が2006年4月、長崎県が2007年10月、徳島県が2007年11月から、「何人」も公開請求ができるようになった。徳島県からは、改正条例が成立した後、直近に公開申し出を行った人に対してだと思うが、条例改正についてのお知らせを郵送したようで、私の手元にもそれが届いている。こういう動きは大歓迎。最近も、定例の公開請求を行ったので、情報を整理したところ、そういえば西日本での改正が多いなあと思ったのでまとめてみたところ、各都道府県の請求権者に関する規定は下のようなことになった。

■北海道・東北地方
 何人:北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県
 住民以外は申し出:福島県

■関東地方
 何人:茨城県、群馬県
 理由明示で住民外も請求権を認める:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
 住民以外は申し出:栃木

■中部地方
 何人:新潟県、富山県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県
 住民以外は申し出:石川県

■近畿地方
 何人:滋賀県、京都府、奈良県、三重県、和歌山県、大阪府、兵庫県

■中国地方
 何人:岡山県、山口県
 住民以外は申し出:鳥取県、島根県、広島県

■四国地方
 何人:徳島県、高知県
 住民以外は申し出:香川県、愛媛県

■九州地方・沖縄
 何人:福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

 こうしてみると、結構地域的な特徴があるような気がする。「申し出」制度で請求権を認めていないところはかなり少数派にはなってきた。近隣がみな「何人」とする条例である中で、「申し出」制度をかたくなに維持しているところは、なんというか、ある意味「頑固一徹」。あまり、こちらとしてはうれしくはないけど…
by clearinghouse | 2008-04-12 21:17

最近の出来事もろもろ

c0090033_2351072.jpg 早くも春です。1年の1/4が過ぎてしまったのに、何をしたのかあまり実感がなく、重症な感じです。が、職場である大学には、キャンパス内に200本以上の桜があるとかで、この時期はとてもきれいです←。日々、桜の下を通って出勤で、なんだかそれだけで楽しい。花が咲き乱れるこの時期、本当は心豊かに過ごしたいところだけど、年度末は、現勤務先の仕事が忙しく、職場で夜を明かすこと複数回。いやはやひどい目にあいました。しばらくはその余波を引きずるものの、それでも、今年度から職場の関係では主要業務の担当から外れ、周辺業務だけの担当になることになり、やっと「社会復帰」できそうな見込みがたってきました(*^-^)

 そんなあわただしい中でも、いろいろありました。

 3月24日は、市民立憲フォームの会合で、テーマは「予算編成と財政民主主義」。財務省主計局の課長から、国の財政について一通り話をいただき、その後参加者で討議。いろいろ勉強になりました。

 3月29日は「市民と議員の条例づくり交流会議」のプレ企画と設立総会が行われました。私は実行委員なのに、たいして役に立たず申し訳ないと思いつつ、プレ企画には200名以上の参加があり、感謝。設立総会も無事終了し、同日、多くの方に会員になっていただきました。引き続き会員募集中なので、ご関心のある方はぜひホームページをご覧ください。ところで、プレ企画のあとに懇親会があったので、出席したところ、数年ぶりに知人に遭遇しました。遭遇したのは、ジャーナリストの若林亜紀さん。若林さんが最初の著書を出版された折に知り合ったのですが、条例づくり交流会議の主要なメンバーと共通の接点があるとかで、懇親会にきたそう。実は、現職場の関係でもかなり偶然にも接点があり、懇親会後に二人でお茶がてら少し話しこみました。世の中狭いです。そういえば、若林さん、新刊を出しておられます。『公務員の異常な世界』(幻冬舎新書)で、私はまだ購入していないので未読ですが、どこかで調達して読もうと思っています。

 年度末は、なぜか問い合わせ等々が多い時期でもあります。某自治体の情報公開条例改正の関係で議員サイドからの問い合わせがあったり、同じ日に3件もの新聞記者からの問い合わせがあったりと、重なる時はいろいろ重なります。その中で、対応しきれずに落としてしまうものもあり、申し訳ない思いもする日々であります。

 そういえば、以前にこのプログでも、戸籍データ漏えい事件について、漏えいした自治体名の公開を求める情報公開・個人情報保護審査会の答申が出たことを紹介しましたが、先日、経済産業省から電話で、答申を受けて自治体名を公開することで決定をすることにしたとの連絡がありました。通常、このような連絡はないことが多いのですが、事前連絡があったのは、公開する方の懸念、迷いのようなものの説明をするためだったよう。要は、戸籍データ漏えい事件は、刑事事件化したので、戸籍の電子化を受注し、データを漏えいさせた企業の所管は経済産業省で、当初の報告等々は経産省に入っていたものの、途中からどのようなデータがどのような規模で漏れたのかは警察と検察マターになってしまい、経産省としては漏れた自治体名は公開できても、実際にその自治体の本物のデータが漏れたのか、全戸籍情報が漏れたのか否かについては何ら確認できていないので、そうした情報の性質を別に、自治体名だけが広く伝わることを懸念したよう。確かに、どのような性質・精度の情報であるかは、その情報を理解する上で重要なこと。しかし公開情報となると、口頭で請求者に説明するだけでは行政機関としての対応は不十分だと思うので、余計なことだと思いつつ、公開方法について提案をしてみました。それは、文書の公開に際して、情報の性質について説明をした文書を添付すること。ごく稀でほとんど例はありませんが、自治体で過去に公開文書に説明文書添付することで、可能な限りの範囲で情報公開をしたという例があります。今回の例も、私に個人的に説明をされても、それでは私自身も非常に対応しにくいので、書面を添付できないかという提案をしてみたわけです。経産省の情報公開の担当課と相談してみます、との返答だったので、とりあえずは推移を見てみようという感じ。

 4月2日は、財務省の行政文書不存在事件の弁護団会議。第1回口頭弁論があった時は、次回結審とされかねない感じだったのですが、いろいろ手を打つこととして訴訟手続でできることをいろいろしてみることになりました。次回の弁論までに引き続き弁護団でいろいろ準備をしていただくことになり、私もちょっとだけ作業。

 4月2日は、民主党に「公文書管理のあり方研究会(仮称)」が発足されています。国では内閣官房に「公文書管理の在り方等に関する有識者会議」が設けられ、これまでに2回の会合が行われ、11月をめどに報告を取りまとめる予定になっています。こちらはこちらで、クリアリングハウスの本来活動なので、そろそろ本格稼働しなければとちょっと焦る(゚_゚;)
by clearinghouse | 2008-04-04 01:33