いまさらですが、ちょっといつもとは違うことに最近かかわっています。

 住んでいる自治体が自治基本条例の制定をすることとなり、市民による検討委員会をたちあげているのですが、そこが地域代表、関係団体代表と公募市民で構成されていて、公募枠で入ってみました。いつも、自分の住んでいる自治体のことにはかかわることなく、よそでばかりいろいろと機会を頂いてかかわる機会がありましたが、そろそろきちんと地域のことも知っておかないと、というちょっとした関心からです。

 この自治体には、私が理事をしているNPOの事務所もあるので、そこからも地域のNPO協議会の代表として一人入っていたり、有識者としてかかわっている研究者は昔からの知りあいだったりと、近しい人が何人かいますが、ほとんどはまったく知らない人たちです。これまでにすでに6回の会議が開かれ、2年間の活動期間が予定されているので、あと10数回の会議は確実に行われます。私自身がこれまでかかわってきた審議会やら委員会は、最初からがしがしと個別の政策的な議論を行うようなところばかりでしたが、この市民による検討委員会はちょっと違って、まだまだゆるい感じです。思いや考えや理解のすれ違いもまだまだある段階で、自治基本条例の制定という大きな方向付けは委員会の性質上ありますが、何をしていくのかという方向性が共有されていないのと、ある意味での良いリーダーシップがまだないので、この先にまだいくつも越えなければならないものがありそうです。

 この自治体では、行政内部での検討、行政・議会+有識者による検討、市民による検討委員会と複層構造で自治基本条例の制定に向けた議論が行われており、最終的には、行政+議会+市民+有識者の検討の枠組みで検討が行われる予定です。

 私はと言えば、「忙しいのにそんなこともやって!!」と怒られたり、かかわっている有識者から「こういうところにでてきちゃいかんよ」と言われてみたり、少々不興をかいつつも、市民がどういうふうに自治基本条例という政策議論を行っていくのか、今の委員会に流れている空気がどう変化していくのかなど、その場に市民としていてわかるものを楽しみにしているところです。もともと基本構想策定時に大規模な市民会議を行っていて、その中で自治基本条例の策定がうたわれ、それにかかわった市民が今回の委員会にも出ているので、そういう経緯の中で、当時かかわっていた人に加えて今回の委員会から加わっている人が立候補で運営委員になって、これから運営について考えていくことになっています。私としては、当面、委員会であまり話しすぎないことをモットーとして、必要な時には言うべき意見を言うということでゆっくりかかわってみて、地域の人たちの考えや地域事情を知ることに努めて、今更ながら地域デビューをしてみようかと思います。
 
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by clearinghouse | 2008-10-25 19:58

するどい突っ込み


 イギリスに、Public Concern at WorkというNGOがある。イギリスの公益開示法の制定を事実上主導したところで、その法律は、日本の公益通報者保護法の検討に当たっては大いに参考にされた。以前に、公益通報者保護制度に首を突っ込んでいた時期があり、PCaWにも大いにお世話になった。

 そのNGOの創立者で強力なリーダーであった事務局長のGuy Dehn氏から、事務局長をやめるよ~、と突然、メールが来たのが8月のこと。今はすでにPCaWを事務局長として去っており、バリスター(弁護士)であるのでビジネスパートナーとして関わっている。何で!!と思ってメールを返信しようとしたときに、ふと、そういえば私も室長を降りたことを知らせてなかった、と思ってそのことも一緒に伝えたところ、先方からも何で!!というお返事が返ってきた。自分がPCaWの事務局長を降りる以上に、私が室長を降りることは想像できなかったらしい。逆に私もそうなので、まあ、この際、お互いさまということで・・・

 それから、何で辞めたのかとか、これから何をするつもりなのか、何をしているのかなどなどのやり取りをしている中で、するどい突っ込みを入れられてしまった。それは、クリアリングハウスの室長を降りたことは、キャリア形成の中で良いことなのか、ということ。いや~、今の私にとっては最も厳しいご指摘。自分でもうすうす思っていることを、こうもはっきり言われると、見透かされたような気分になります。

 彼は日本に2回来ていて、一度は日本国内旅行の一部を案内したり、メールのやり取りもあったり、私がイギリスに行ったときはご自宅にも招いてもらっているので、いろいろな話をする機会があった。そいう中で、私のクリアリングハウスでの仕事に強い共感を持ってくれていたのは、彼自身もイギリスでの情報公開法制定運動に関わってきたから。

 Campaign for Freedom of InformationというイギリスのNGOは、クリアリングハウスの前身の情報公開法を求める市民運動と本当に良く似た組織でもあり、クリアリングハウスとも似ている。そこの事務局長と彼は長年の友人であり、支援も行っている。以前に私が両方を訪問したときには、事務所もお互い同じ建物の中にあり、日常的な行き来もしていた。この事務局長、法律家でもなく、いわゆる法学部の出身でもない。私もそう。この事務局長を、彼は「いわゆる法律家ではないけど、自分が知ってる中で最も優れた法律家の一人」と言い、私にも同じようなことを言ってくれている。私へのものは明らかに過分な評価だが、一つの分野で続けることが、こういう法律的な分野でも、学問的、学術的なバックグラウンドを超えて、地に足をつけた専門性のある仕事につながること、そしてだからこそできる仕事や役割があるということを、彼は良くわかっているんだよね。

 私といえば、そういう突っ込みの裏側にある言葉がわかる分、メールの返信に困り、改めてしばらく考えた。今の仕事はキャリア形成という点からだけ見れば、キャリアダウンの方向に向かっている。仕事の内容は、7、8年前には卒業をしたようなもの(人にお任せするようになったもの)が半分くらいを占めているし、久しく搾り出すように頭を使うとか、思考を深めるとか、議論をしながら何かをつくりだしていく、ということを仕事でしていない。議論をしながらとか、新しいこと、という触発されることのは、むしろ仕事外のNPOなどに関与している中での方が多い。なので、仕事が変わったことは、意味がないわけではないけど、展望が開けるものではない、むしろ以前のNPOとのかかわりのほうが意味があるような気がするという返事をしたら、容易に予想されることとはいえ、「じゃあ、何で仕事変えたの??」と「それって、すごく残念。」という返事が返ってきた。

 やり取りは、他のことも含めて飛び飛びにまだ続いているが、本当にいろいろ考えた。やっぱり、当たり前のことだけど、自分のためというだけでなく、自分が培ってきたものをどうしたら活かすことができて、自分にとっての成長にもなるかも考えないと。今の仕事は、あまりそういう意味では関係が薄いのかもしれない。するどい突っ込みを入れられて、そういえば自分もきちんと考えていなかったなあ、と安易だった自分に反省です。自分なりに仕切り直しの仕方を考えるきっかけになりました。

 さて、こういうことがあって、いろいろこのところの消極的なマインドから、この際、別に人に行ってもらった方が、と思って少し躊躇していたメキシコシティで行われるセミナーのスピーカーとしてのご招待を受けることにした。スピーカーは世界中から来ていて、知っている人が何人もいる。Campaign for Freedom of Informationの事務局長も来る。Rick Snellというタスマニア大学の仙人のような人も、Article19の人も(この人たちは、ビールを水のように飲む人たちなのだ。特に、最後の人!)。 セミナーの招待状が送られてくる直前にRick Snellから「元気~?」というメールが来ていたので、彼の紹介かと思ったら、すでに彼が紹介する前に私の名前が主催者側に伝えられていたとのこと。どうも残りの二人のどちらかが、主催者に私を紹介してくれたよう。前向きな気持ちになると、他にもいっぱいいろんな人が招かれているので、何が何でも行きたいと思ってしまう。(その前に、期限切れ間近のパスポートの更新をしないと)

 セミナーはメキシコ連邦区政府の機関の主催。のぞいてみたら、英語のサイトもできていました。セミナーは11月中旬の開催で少し先のことなので、今の私はそれまでに体調を整えないとと思うけど、ちょっと元気が出てきたp(^ ^)q

Information and Protection of Personal Data: Opposites Faces of the Same Rights
 
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by clearinghouse | 2008-10-16 00:00

 ひさびさの更新です。ちょっと近況。生業が変な形で忙しく、終電の帰宅が多い上に、週末の出勤が多いのに職場環境的にとても代休をとれる感じではなく、超過勤務の嵐。そんな中で、さすがに体調不良です。2ヶ月ほどかなり不調で、微熱も続いているけど休めないねえ~。先日ようやく病院に行って、20年ほど前に一度治療した病気が再発していることが発覚。やっぱり(+_+) 手術は今のところ回避したようだけど、薬は当分飲み続けなければならないよう。検査結果次第では、治療方法が変わるも。そんなところなのに、夜にいろいろNPO関係の会議やら、平日のオフィスアワーに自治体関係の審議会・委員会やらが入るので、いろんなところにしわ寄せが(´o`) もはや、家に帰るとパソコンを立ち上げる気力すらないのですよ。ちょっとスローダウンしないとね、もういい年だし。

 そんなときでも、情報公開に関わることをほそぼそとしておりました。ここのところはもっぱら、録音物の行政文書性についての書き物が多かった。一つは、福井県の男女共同参画審議会の録音物がいわゆる行政文書ではないとして不存在となったことを争っている裁判。先日控訴審判決が出され、原告側の控訴が退けられてしまったが、いろいろ縁があって、意見書を書いてみた。この裁判は、すでに最高裁に上告されている。ちょうど、私が原告の司法試験委員会の録音物がこれまた行政文書ではないとして不存在されていた裁判が、上告不受理となったのと判決はほぼ同時期。ただ、ちょっとややこしいのは、私の事件の方は、公開の義務付け請求もしているためか、録音テープは地裁・高裁とも行政文書として認めているが、不開示事由に該当することを理由に、不存在決定妥当とする判決であること。被告である国は附帯控訴をしていないので、録音物は行政文書であるという判決が確定していることになる。問題の根っことしては、福井県のケースとほぼ同じ問題が含まれているが、いわゆる行政文書の定義の規定の仕方が、情報公開法と福井県情報公開条例で少しし異なっている。この差は、言葉を弄り回すような解釈論で考えると、結構な差になる可能性もあると思うので、最高裁がどういう扱いになるのか、かなり関心がある。

 ところで、私が当事者の司法試験委員会録音物の訴訟は終結したが、集結する前に裁判と並行して行っていた不服申し立てが、先日、情報公開・個人情報保護審査会に諮問された。訴訟が終わっても、不服申し立てがそれを持って不適法になることはないはずなので、いずれにしても早晩に法務省は処理をしなければならなかったもの。ところが、訴訟では行政文書性を認める判決に対して附帯控訴をしていないのに、なんの決定変更をせず、法務省は録音物の組織共用文書性を争っている。なんで??法務省の理由説明書は、裁判のときの準備書面での主張を踏襲している。そして、そもそもの不開示決定処分の際に、行政文書として作成・保有をしていないことを理由としつつ、仮に存在した場合は不開示事由に該当しているという付記をしているためか、不存在決定と並行して、不開示事由該当性も理由説明書では主張。ただ、不開示事由該当性の主張は、実は裁判のときの準備書面と比べると、核になる主張に変化が見られる。主張されている不開示事由は、意思形成過程情報と事務事業情報だけど、とにかく裁判では、司法試験委員会の会議内容の秘密性を主な論点として主張をしていたが、秘密性の主張は影を潜めた。

 そういうことなので、審査会での主な争点として、録音物の行政文書性が判断され、かつ仮に行政文書であると審査会が判断したならならば、不開示事由該当性を判断することを法務省を期待しているらしい。だから、この理由説明書に対してかなり長文(16000字くらい)の意見書を書いて、提出した。

 理由説明書に対する意見書

 論点というか主張は多岐に渡り、不存在決定も行政文書該当性、消去による不存在、作成・取得していないことによる不存在の3つの内容が含まれるので、それぞれを、不開示決定通知書の理由付記、裁判で附帯控訴をしていないことについて、不開示事由該当性、そして審査会への諮問の遅延ととりあえず書いてみた。最後は力尽きて、かなりいい加減な感じになったきらいがあるけど・・・。審査会がどう判断するのかなあと、先が読めない感じで不安があるけど、何としても録音物は行政文書であるという答申は欲しい。というか、行政文書性を認容した判決が確定している中で、審査会はどう判断するんだろうか、という疑問がないわけではない。裁判での判決確定後に、同案件で審査会の答申が出されるのは今回が初めてだと思うので、どうなるのかな~

 そういえば、福井県の裁判では、県側は審議会の録音物の行政文書性について、アメリカの情報自由法の対象文書で用いられている”Control Test”を紹介した某大学教授の情報公開法解説書を引用し、録音物がこの基準からしても行政文書ではないと主張している。こういう主張は、別のところでもこれまでもお目にかかっている。9月にNational Security ArchiveというアメリカのNGOの法律顧問の弁護士が来日し、講演を行う機会があったんだけど、事前にメールでこの方とはやり取りをし、講演会当日もお会いして少し話をした。そのときにControl Testについても話をし、実は日本ではこれこれこうで、という話をしたら、ありえないとのお返事。これについては、解釈・運用を含めて少し詳しい情報をもらうことになった。少しずつ、詰めるべきところを詰めて、論点を先鋭化していかないと、と思う。
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by clearinghouse | 2008-10-11 23:12