すでに、2008年も残すところあと30時間余り。大掃除に追われ、今年一年の資料の整理をはじめて、どつぼにはまっています。今日中にはなんとか終わらせて、実家に向かわねばとあせりつつ、資料などなどを整理していて、この1カ月ほど更新せずにたまっていたネタも、今年のことは今年のうちに更新しようと思い立ちました。ほとんど、現実逃避に近いですけど。

 かれこれ1カ月以上前になってしまいましたが、私が原告で財務省の不開示決定(不存在)の取り消しと国賠を請求していた訴訟の東京地裁判決が出ています。『昭和財政史』で引用されている行政文書が廃棄等を理由に不存在とされた事件で、原告の敗訴です。すでに控訴してあります。

 判決日に代理人から記者会見をするようにという指令があり、一応、司法記者クラブで会見なぞをしています。が、ちょうど私の会見前に、元若ノ鵬が記者会見をしていて、会見場は大変な混雑をしておりました。その後の会見なので、閑散としていること!まあ、そんなものです。

 判決全文は、こちらからご覧ください。

 判決と同じころ発行の参議院調査室発行の『立法と調査』(平成20年11月28日号)に、寄稿させてもらいました。今回は、「特集 国家公務員制度改革とキャリアシステムに関する意見調査」で、いろんな人が寄稿をしています。このそうそうたる人々の中で、なぜ私に依頼があったのか、未だもってなぞなところではありますが、何やら書きました。全文がWEB上に公開されていますので、関心のある方は以下からどうぞ。この号は、市販もされているようです。

 http://www.sangiin.go.jp/japanese/frameset/fset_f08_01.htm

 これも同じころの発行。ぎょうせいの『季刊 自治体法務研究』にも寄稿しました。「気になる子どもの関係機関が保有する個人情報」について書きました。主に、要保護児童対策地域協議会の関係を書いていますが、書きにくかった。「ケーススタディ・個人情報保護と自治体」という連載の執筆分担で書いたのですが、ある程度はけりのついている問題なので、その中でQA方式で書くというのは、そうそう簡単ではないです。個人的には、生業のほうで、某自治体の要保護児童対策地域協議会の実務者会議に出席をしているので、そこで実務が見えているところが救いでしたが。

 http://www.gyosei.co.jp/home/magazine/houmu/houmu_08120.html

 それでもって、私も呼びかけ人の一人になっている「社会をつくり直す人びと2007─10万人の提案運動」が、このたび『市民が描く社会像―政策リスト37』を刊行。「行政手続法の改正」をテーマに書いています。なぜ、行政手続法の改正かというと、市民参加と行政手続上の情報公開の促進、そして利害関係人への情報公開の拡充、という課題があるからです。これについては、簡単なプロジェクトが始まるかも、という話もあり、来年に入ってからどうするか基本的な検討をすることになるかもです。

 その他、来年からのことの仕込みも、年末になっていくつか始まりました。

 今年後半は、体調が悪いながら、結構いろいろやっていたなあと思うところです。不調の原因も、健康診断のおかげもあってわかってきているので、検査などなど当面は通院生活が続きますが、来年はもう少し健康的にがんばろうと思います。
 
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by clearinghouse | 2008-12-30 17:01

 12月18日に鳥取県議会で改正情報公開条例が成立。

 年末は何かと忙しい時期で(年明けでもよいと思うことが詰まってくるのはなぜでしょう…)、十分に対応できなかったことが心残りで、条例を運用する側の個別の都合で情報公開制度の原則をゆがめる改正が行われ得ることは、今回の改正の大きな教訓。特に、先進的な取り組みとして勢いよく政策作りをしているところは、良い面があるのはもちろんだけど、行政側の都合で原則がゆがめられるときは、ブレーキがきかないことが、よ~くわかったような気がする。

 くどいようだけど、やっぱり以下の今回の改正はやってはいけないことをやっている。
(全国学力調査情報の使用に当たっての配慮)
第18条の2 全国学力調査情報(第9条第2項第7号に規定する調査のうち全国的な児童等の学力の実態を把握するため実施されるものの調査結果に関する情報であって、特定の学校又は学級を識別することができるものをいう。以下同じ。)の開示決定を受けた者は、この条例の目的及び第4条の規定の趣旨を踏まえ、成長段階にある児童等の心情に配慮し、特定の学校又は学級が識別されることにより学校の序列化、過度の競争等が生じることのないように当該全国学力調査情報を使用しなければならない。
 この条文の意味するところは、要は学校別、学級別の情報は、そもそも開示することによる支障があるので、情報の開示を受けた者は使用について配慮せよということ。情報公開制度では、特定個人に対する開示が可能であるものであっても、一般に公開することにより不開示事由に該当すれば、この制度のもとでは非公開になる。だからこそ、利害関係者であっても一般と同じように開示・不開示が判断されているし、本人の個人情報だから開示せよというのは、個人情報保護制度のもとで別に請求権として保障する仕組みと取っている。利害関係のある情報の利害関係者への開示は、一般制度である情報公開制度ではなく、別に権利保障する仕組みが必要ということになる。

 ところが、新たに追加された上記の条文は、請求権を行使した者は、請求対象文書に権利行使の対象物として特別の利害関係を有するので、その人には見せますよ、だけどこういう支障のある情報で、その支障はこういう支障だから使い方に責任を持ちなさい、ということを言っている。この考え方だと、情報の開示を受けた請求者が序列化や過度の競争を生じさせることを意図せずに結果の公表や提供を行ったとしても、それによって情報を入手した人たちがそのように使えば、請求者の意図とは関係なく序列化や競争の原因とされることもあることになる。要は、請求者の意図や目的は関係なく、それを受け取った他人の情報の利用方法にも責任をもてと言っているに等しい。

 情報は受け取った人によってさまざまな見方、使い方がされるものであって、またその人のリテラシーによっても持つ意味が変わってくるもの。そうすると、開示を受けた請求者は自身の意図・目的に関係なく、一般的にどのような影響が考えうるのかという可能性を考えて、自主規制を行わざるを得ない。結局は、一般に公開することの支障・影響を請求者が改めて判断することになり、行政が開示・不開示を判断するのではなく、請求者にその責を負わせることになる。

 やっぱり、どう考えても変だ。学力テストの結果の開示について、何をしたいのか、政策として何を目指しているのかもさっぱりわからない。開示することが目的化していることがおかしい。よく、請求者が情報公開することを目的化しているのではないか、何に使っているかわからないという話を、情報公開に消極的な自治体、積極的な自治体の関係者双方から聞くことがある。この疑問は、個人的には正しいと思っている。というのは、ずっと、情報の公開はそれが最終目的ではなく、公開された情報を利用することで何らかの目的を達成するために不可欠な基本的な権利であると思っているからだ。だから、請求者に対して開示を行うことを目的化するような考えは、そもそも条例の目的にも反するだろう。しかし、上記の追加された規定は、請求者への開示を目的化するもので、その結果、原則から逸脱はなはだしいものになったのではないかと思う。

 この見方が正しいかどうかはわからない。だけど、そういうふうにしか見えないんだよね。私には。
 
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by clearinghouse | 2008-12-26 00:00

 
 少し前の話になりますが、鳥取県議会に情報公開条例改正案が提出されました。

 議案第34号 鳥取県情報公開条例の一部改正について
 http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/306816/34.pdf

 結局、学力テストの市町村別、学校別、学級別結果の情報公開をめぐり、公開はするけど請求者に学校名等の公表・提供をしないように求める条文を盛り込んだ改正案となっています。11月6日から20日まで、当初案である開示決定をする際に、情報の使用制限を行うとした案などのパブリックコメントを県教育委員会が行っていたものの、11月14日に開かれた教育委員会の会合で、開示情報の公表・提供しないよう配慮する責務規定に変更することになりました。しかし、元の案のままパブリックコメントは続行され、庁内では新たな案で調整が進められるという、通常ではありえない経過をたどっています。

 正直、何のためにパブリックコメントを行ったのかと思います。新たな案に手続の途中で変更したのであれば、それについてもパブリックコメントをすべきではないかと思いますが、11月25日からの県議会に間に合わせるという、日程の都合が何よりも優先されて、それ以上でもそれ以下でもないこの状況に、危機感を感じずにはいられません。パブリックコメントは市民参加の手続の一環であるはずで、行政運営の適正化を目的ともしていますが、結局は手続の適正さすら確保されずに進んでいるのは、鳥取県の持っている本質的な姿勢なのでしょうか。そもそも、市民参加は意思決定、政策形成の手続面での適正さを担保するとともに、そのことによってより適切で公正な結果・結論を得ることを目的に行われるべきだと個人的には考えています。一般的には、市民参加に関する制度化が進められて手続面での適正化は進められているものの、結果・結論の適切さ・公正さを市民参加で得ることが、今の課題だと思っていましたが、鳥取県の今回の一連の経過は、手続も結果・結論も適切ではないという最悪の状況です。

 条例改正案も、配慮に関する責務規定は以下のようなもので、大いに不満です。
 (全国学力調査情報の使用に当たっての配慮)
 第18条の2 全国学力調査情報(第9条第2項第7号に規定する調査のうち全国的な児童等の学力の実態を把握するため実施されるものの調査結果に関する情報であって、特定の学校又は学級を識別することができるものをいう。以下同じ。)の開示決定を受けた者は、この条例の目的及び第4条の規定の趣旨を踏まえ、成長段階にある児童等の心情に配慮し、特定の学校又は学級が識別されることにより学校の序列化、過度の競争等が生じることのないように当該全国学力調査情報を使用しなければならない。
 いろいろ不満があったので、11月22日に開かれた件教育委員会の会合に向けて、個人的に以下のような意見書を提出しました。

 鳥取県情報公開条例の改正案に関する意見書

 毎日新聞が11月24日に全国面で記事を掲載しています。

全国学力テスト:開示に「配慮」、知る権利を制約 鳥取県、報道規制視野に条例改正へ
http://mainichi.jp/life/edu/news/20081124ddm012100027000c.html

 県議会でのこれからの対応を考えなければなりませんね。
 
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by clearinghouse | 2008-12-02 00:00