1月26日は、外務省がいわゆる沖縄返還密約に関する文書を不存在としたことを争う、情報公開訴訟の弁論。

 吉野文六さんを証人として読んだりしているもう一方の同種の華々しい訴訟とは別に、情報公開と公文書管理に対する執念だけでやっているような感じの訴訟です。

 裁判所も、外務省の調査ともう一方の裁判での吉野さんの証言などいろいろ気になっているよう。

 そうだよね、裁判所も判決を書いた後に外務省からありました、なんて報告がでたら嫌だもんね。でも、外務省を中心とした国は、報告を待つまでもなく、文書の存否について、ありませんと自信満々に行政処分を行ったんだから、ちゃんとその線で主張立証をして、裁判所も本当はそれで判断すべきなんだよね。

 請求対象文書と調査対象がまともにかぶっているからあまり不思議がない感じだけど、少し間違うと考慮する必要のないことを考慮する、いわゆる他事考慮みたいな感じになること。だから、裁判所も外務省も、このタイミングで政権交代がなければ、調査がなされなければ、当然にないという外務省の主張を踏まえて判断をするはずなのだから、それなりの仕事をして欲しいとも思ってしまいます。

 それにしても、なんだかとっても相手方と裁判所がずるい構図になってきたと言う気がする。だって、外務省の内部調査と第三者機関の結果に追従すればいいんだから。

 こういうことが、情報公開を進ませない組織文化なのではないか、と思うんだけど・・・。それに、こういうことされると、「信用できない」という市民の受け止めを強化する以外の何者も生まないと思うし。

 あ~、なんだかとても嫌になってくる。

 次回の弁論は、4月28日。
by clearinghouse | 2010-01-27 00:00

 政治とお金の問題が、またまたクローズアップ。かつてのいわゆる政治とお金の問題と昨今の問題は、性質が異なってきているところもあり、以前のように疑いようもなく真っ黒というより、微妙な問題も含むものになってきて、その分、単純に「けしからん」というより、わかりにくくなったといえばそのように思うところ。

 今問題になっている首相と民主党幹事長の問題。とくに後者は、実際どうなのかなんて、知る由もないというより、何が「事実」かそもそもよくわからない。検察の暴走だったり、「戦争」だったりと、なんだか物騒な言葉が飛び交ったりしてもいる。近く任意の事情聴取に応じるという報道もある。けど、各紙の世論調査を見ていると、民主党幹事長は説明責任を果たすべきとする声が多数を占めているので、この間の報道等々を見て、多くの人が、未消化というか、消化不全というか、胸焼けがしているということなのではないかと…。

 個人的には、客観的な根拠や合理的な説明を裏付けるものが見えないまま、何が間違い、問題、誰が正しいなんてことを延々と聞かされることには、食傷気味。そもそも、説明責任は説明をすればよいというものではなく、合理的で裏付けのある説明をして初めて果されるもののはず。信じてほしい、ということが通用するものではないことは自明のことなので、どうしたら信用・信頼されるかを考える必要があるのではと思うところ。

 こういう政治とお金の問題が出てくるたび思うのが、政治資金規正法と政治資金収支報告書のこと。政治献金をどう規制するのかは、適切なルールが必要だと思うし、情報公開も必要。そういう趣旨の法律であると思うけど、じゃあ、政治への信頼を醸成するような仕組みになっているかといえば、そうではないのではないのかと思うのです。

 結局、政治資金収支報告書は提出することになっているし、公開もされるけど、じゃあ、それによって本当に政治資金の透明性が高まっているかといえば、そうとは言い切れない。政治資金収支報告書は公開されているけど、政治団体ベースの収支報告なので、特定議員にかかわる政治団体の全体のお金のフローは単体の収支報告書では見えてこないし、今回の問題のようにいろいろ言われてもでは収支報告書がすべてを証明してくれるかというと、そうでもない。そう、収支報告書っていったい何なんだ?と思ってしまうのです。

 そろそろ、政治資金規正法を抜本的に改正した方が良いと思うし、実際、総務大臣は改正検討を表明している。中途半端になってしまっているけど、政治資金データベースなるものを作りたいと思ったのは、今の仕組みが、政治資金収支報告書の公開はしているけど、国民の監視という制度目的にかなう情報公開になっていないと思ったから。収支報告書の中身を変えることはできないけど、公開の方法を変えることは市民でもできるかなと思ったし、そういうヒントはアメリカのNGOから大いにもらった。

 さしあたり、議員単位で政治資金の流れがわかる収支報告であるべきことと、職人的な人でないとルールやお金のフローがわからないような仕組みとしないことを、議論のスタートにしてほしいなあと思う。
by clearinghouse | 2010-01-22 00:00

 運営委員として関わっている、市民と議員の条例づくり交流会議で、以下のような企画を予定しています。ぜひ、ご参加ください。

 最新の情報は、以下のHPでご確認ください。
http://www.citizens-i.org/jourei/

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▼市民と議員の条例づくり交流会議2010プレ企画「市民と議会の関係づくり」
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〇日時:2010年1月31日(日)14時~17時
〇会場:法政大学外濠校舎(@東京・市ヶ谷)
〇参加費:一般3,000円
      ※市民と議員の条例づくり交流会議会員は、参加費1,000円でご参加いただけます。
      (交流会参加費:別途3,000円)

〇プログラム

第1部:議会改革最前線/市民と議会の関係づくり【14時00分~15時20分】
 ○基調報告
 ・廣瀬克哉(自治体議会改革フォーラム)
 ○事例報告
 ・猪股和雄(埼玉県久喜市議会議員/元議会基本条例検討委員会委員長)
 ・吉井 猛(奈良県天理市議会議員/元議会改革推進特別委員会委員長)
 ・守屋輝彦(小田原市・市民と議会の対話集会実行委員会)
 ○ディスカッション

休憩 【15時20分~15時40分】

第2部:市民と議会の条例づくり 【15時40分~17時00分】
 ○報告&問題提起
 ・温暖化対策条例/増原直樹(環境自治体会議環境政策研究所)
 ・公契約条例/伊藤久雄(東京自治研センター)
 ・ほか条例づくり報告または提案1事例=調整中=
 ○コーディネーター 坪郷實(早稲田大学大学院)

交流会(会場移動) 【17時40分~19時00分】

●お問い合わせ&参加申し込み
  以下をコピーして、必要事項を明記の上、事務局までメールにてお申し込みください。
  (送信先事務局:jourei-kaigi@citizens-i.org)

>>>>>> 
★2010年プレ企画(1月31日)参加申し込み
★市民と議員の条例づくり交流会議2010プレ企画「市民と議会の関係づくり」 に参加する。

・お名前:      
・ご所属:
(議会名または団体名ほか)
・ご連絡先:
(〒   -    )
(ご住所:
・TEL&FAX:
・E-mail:
・市民と議員の条例づくり交流会議

【 会員(総会に参加する/しない) or 非会員 or 当日入会予定 】
※当企画では、参加者同士の交流、ネットワーキングを進めるため、参加者名簿(氏名と所属) を作成・配布しています。自治体議員の皆さまは、趣旨をご理解いただき、ご協力いただける ようお願いいたします。議員以外の方で、名簿への掲載を希望しない方は、その旨 、あわせ てお送りください。
>>>>>> 
by clearinghouse | 2010-01-15 00:00

 いわゆる密約文書について調査している外務省の有識者委員会。報告の取りまとめが、1月予定から2月後半に延期になったとのこと。

「密約」取りまとめ延期=外相経験者から聞き取りも-有識者委(1月12日 時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100112-00000061-jij-pol

 きっちり調査したほうがよいと思うので、これはこれで良いのではないかと思うのです。ただ、一方で大半が廃棄されたとの報道も。

密約文書、多数が破棄…有識者委が指摘へ(1月12日 読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100111-00001018-yom-pol

 財務省からも聞き取りをするそう。沖縄返還時に、補償費の肩代わり等々をしているので、財務省にはその支払いに関する文書があったはず。

<沖縄返還密約>有識者委が財務省に資料要求 補償費負担で(1月10日 毎日新聞)1
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100110-00000005-mai-pol

 日米密約を調査している有識者委員会(座長・北岡伸一東大大学院教授)が、1972年の沖縄返還に絡み、米軍用地の原状回復補償費を日本が肩代わりした密約の実態を解明するため、財務省に資料の提出を求めることが分かった。米財務省と独自交渉をしたのは旧大蔵省で、同省の関連文書が欠かせないと判断した。

 数年前に、これも私は情報公開請求済み。当時の決定は不存在。

 有識者委は、旧大蔵省財政史室がまとめた「昭和財政史」(99年刊行)などで密約に関連する時期の記述が不自然に欠落していることに注目。実際には資料が財務省に残っている可能性があると判断した。

 これに該当していると思われる文書についても、私は請求済み。不存在だったので裁判までしたさ。そして敗訴したよ。

 これで何か出てきても、政権交代の成果だ、なんて単純には喜ぶ気にはとてもなれません。もっとも、もし出てくれば、それこそ政権交代したからこそなんですけど…
by clearinghouse | 2010-01-14 00:00

 そういえば、クリアリングハウスでは、1月4日付で「「開かれた政府」の実現を求める意見書」を出していました。

 以下に意見書全文があります。

 http://homepage1.nifty.com/clearinghouse/opengovernment.pdf

 14日には、クリアリングハウス内部だけでなく、周辺のNPOなどにもお声掛けをして、今後の取り組みのことについて打ち合わせ予定。

 ちょっとずつ、いろいろと進めています。
by clearinghouse | 2010-01-11 00:00

 6日は、四街道市の市民参加推進評価委員会の会議で、2007年4月に施行された四街道市市民参加条例の見直しの検討を行いました。

 条例付則で施行後3年以内に見直しの検討を行う旨規程されているので、今年度内にその答申を出すため、前回、今回とこれまでの運用を踏まえ、そして規定を改めて見直し中。四街道市の条例は、市民参加条例の実施状況を評価、チェックするため、市民参加推進評価委員会を設けています。年度はじめにその年度内の市民参加手続実施予定の公表、実施内容の事前評価をを来ない、実施状況について事後評価を委員会では行っており、また、市民提案制度も設けられているので、それに対する市の対応についても意見を述べる仕組み。

 そのため、どのように条例が実施され、市民参加の状況がどのようになっているのか、委員会では把握できるので、条例にどんな解釈上の問題があるのか、規定上の問題があるのか、運用レベルで問題があるのかなどがわかります。規定上未整理であったり、解釈が分かれてしまっていたり、誤解釈、わかりにくさからくる条例違反などを中心に、逐条に近い検討です。

 前述のとおり、条例の規定で事前評価と事後評価が予定され、それを委員会が評価する仕組みがあるので、条例の見直し検討は非常にしやすいです。通常の市民参加条例は、常時運用を監視・評価する第三者機関が設けられていないので、四街道市条例はその点で優れていると思います。

 これまでの検討だと、かなり条文修正が行われることになるでしょう。

 ところで、市民参加条例は、一定の場合の市民参加の手続保障をする仕組み。こういう手続保障は非常に重要で、その運用監視を行なって行くことも非常に重要だと思う一方で、市民参加が手続保障の仕組みの中にだけ押し込められることには危惧を持っています。手続保障とともに、開かれた自治体のためにはそれだけではなく、市民とのコミュニケーションを意識して欲しい、そのための情報公開を進めて欲しいと思うところです。
by clearinghouse | 2010-01-08 00:00

外交記録の公開制度

 12月31日の記事。外務大臣が、外交記録を原則公開とすべく、非公開の範囲を最小限にするため、第三者機関による客観的な審査の導入などの具体的な改善策の本格検討に入ったとのこと。

外交文書は原則公開に=第三者審査を検討−岡田外相(時事通信 12月31日)
http://bizex.goo.ne.jp/news/jiji-091231X270/

 今でも30年を経過した外交記録の公開制度はあり、公開された記録もあります。ただ、情報公開法の運用でも、外交記録は極めて公開されにくい。それは、情報公開法の不開示規定の問題でもあって、その審査基準も出す気はない、というメッセージ以外の何者でもなさそうなもの。その基準を外交記録の公開制度も準用しているので、その先は、推して知るべしとでもいうべきでしょうか。

 さて、この外交記録の公開制度、一体どういうルール・運用になっているのか、具体的に知りたくて年末に少し調べてみました。とはいっても、情報はないので、外務省に問い合わせました。

 最初に、外交記録審査室に問い合わせたのですが、明文化されたものは何もない、30年前に外交記録を公開をはじめたときの記者クラブへの貼り出しだけ、という返答。本当にないのか、と何度も確認したがないということで、別の担当にある可能性は?と尋ねたところ、可能性としては、文書も所管している情報公開の担当、という返答。

 そこで、次は外務省の情報公開の担当に問い合わせてみました。折り返しの電話をもらうことになって、次に連絡が来たのがまた外交記録審査室。情報公開担当には、外交記録審査室に最初問い合わせて、明文のものはないということで、可能性としては文書を所管しているそちらにもしかしたら、ということだったので、ということは伝えていたけど、結局ブーメラン。

 結論は、本当に何もないようです。30年経過した外交記録について、外交記録審査室から各局に通知して、その中で拒否されたものは触れないので、それ以外を記録審査室で審査し、外交史料館で公開、という流れは、慣行として行われていたということでした。

 原局から管理権限を移管するので、その中での決裁等々はあるようなのですが、何の明文ルールもないまま、というのはちょっと想定外。少なくとも、情報公開・個人情報保護審査会の答申の中では、外交記録の公開制度についての言及があり、そこで非公開の基準についても説明があったので、何かあると思ってたから。

 結局、外交記録審査室の求めに応じるということは、原局の管理から離れるということで、歴史的文書として最終的に外交資料室に移管するということに同意するということにつながる流れ。そこに、単に移管だけでなく、公開審査に同意するということも加味されるので、おそらく移管は進みにくい仕組みでしょう。その上、何の根拠らしきものがないというのは、お粗末。

 外交記録の公開制度については、これから仕組みを作り直しではなく、新しく作る、しかも公文書管理法を踏まえて、ということをしなければならないということだと思います。
by clearinghouse | 2010-01-07 00:00

 毎度のことながら、原稿が超難航していて、軽く現実逃避モード。いつもながらご迷惑をおかけしています^_^;

 年末年始と、いろいろ気になることがあったので、だいぶ時間がたったものもありますが、ぼちぼち備忘録かわりに更新します。

 昨年の12月のはじめ、行政刷新会議が、行政の無駄や不正情報を官僚から集めるための窓口としてハトミミ.comを設け、悪質性が高いものについては、刑事告発を行う方針、という新聞記事が出ました。通報者が実名のときは政務三役には実名を伝えるとのこと。

「ハトミミ」情報で刑事告発も 行政刷新会議(産経新聞 09年12月3日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091203/stt0912030130000-n1.htm

 この話、内容よりもハトミミ.comのドメインが別に人に取得されてしまったことの方が有名になってしまった感がありまず。が、実際、どういうふうになっているのかな~、と思っていたら12月22日付けの発表資料でその内容が確認できました。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/2009/1222/item091222_01.pdf

 発表資料は、国民の声を聴きます、というものと、職員の声を聴きます、という二つの内容。国民の声は1月から開始予定とあるものの、まだ始まっていないよう。

 職員の声は12月2日から開始しているよう。受付け方法はインターネット又は郵送とあるけど、インターネットの受付け窓口がどこにあるのか発見できず。全職員向けに何か周知をしたのでしょう。だぶん。

 ただ、このことを知って真っ先に思い浮かんだのは、公益通報者保護法のこと。

 発表資料によると、職員の声として聴取するのは、以下の4点。

①真に国民のために取り組むべき課題や政策の提案
②国の行政(事務・事業、組織、業務方法、慣行等)に関して無駄、非効率、不公正、不合理、不透明、違法と思われることの指摘
③これまでに行った業務のうち、やりがいを感じたこと
④行政内部の密約や不省間の覚書等不透明な取り決めに関することの指摘

 ②には「違法」が含まれ、④には違法ではないかもしれないが脱法的なものや、場合によっては背信行為に近いものもあるかも。

 こういうものの通報を受け付けるのはとても良いと思います。が、どうしても気になるのが公益通報者保護法。この法律、民間も公務員も同じよう通報者を保護する仕組みです。が、法の本文と別表に書かれた法律の刑事罰を伴う違法行為を通報した通報者しか保護されない。とてもわかりにくい仕組みなんです。

 何より、この法は、通報者への不利益を禁止していますが、結局は職場の中で通報したことが知られれば、人間関係など諸処日常的に発生するトラブル、問題まで防止してくれません。

 だからこそ、通報して保護するのは特殊な場合(刑事事件だけ)、というのではなく、問題があったら小さいうちに解消・解決することが大切で、それは当たり前のことだから通報者は万が一でも不利益をこうむってはいけない、という明確なメッセージを法で発して欲しかったのですが、出来た法律はまったく違うメッセージを発するものになってしまいました。

 だから、職員の声で問題を聴取したいと政府が考えるのであれば、ハトミミ.comだけでなくて、公益通報者保護法も改正すべきではないか、そっちの方が政権の姿勢として正しいのではないか。こういうわかりやすい仕掛けだけでなく、法を改正して政権の本気さを見せて欲しいと思うのです。
by clearinghouse | 2010-01-06 00:00