とりあえず、傍聴行ってきた。単に、この委員会に関しては傍聴に行って説明聞いて、資料をもらってとしておかないと、一度に出てくる周辺資料ではなくそのものずばりの資料の量が多いし、その後の意見募集があったりで、とてもフォローしきれないので傍聴に行くしかないという感じなのです。

 第2回は第1回より意見交換が活発だったかなというのが最初の感想。公文書管理法施行令素案と行政文書管理ガイドライン素案に対する意見募集が、一般そして関係府省から行われていて、その意見が一部反映された案が提示。施行令案については法令化作業がこのまま進められ、ガイドライン案はこの会議で了承。これに基づき、各府省で文書管理規則の策定に入るということになりました。

 今回初めて出てきた資料が、「特定歴史公文書等の保存、利用及び廃棄に関するガイドライン素案」。国立公文書館等での利用規則等のもとになるものかなと思う。近く、これも任意のパブコメへ。ちなみに、施行令は行政手続法に基づくパブコメが今後あり、行政文書管理ガイドラインは公文書管理委員会で了承をされたので、今後意見を言う機会なし。これに基づき策定される各府省の行政文書管理規則は、案がパブコメに係ると思います。関係資料は、後日以下のところに掲載されると思います。

 http://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/iinkaisai/22.html

 さて、今回の議論は第1回に比べて公文書の管理についての中身の議論がされていたかなと思います。関心の方向はいろいろ。ただ、御厨貴委員長は法の施行に向けてどういうお考えなのか、いまだ不明。どうも、なんだか趣味的な発言が多いような。制度としての理解の度合いが分からない。気のせい?そもそもなぜ委員長なんでしょう。やはりネームバリューのなせる技なのでしょうか。 

 質疑等をメモしたので、備忘録代わりにとりあえず更新。

 三輪委員が行政文書管理ガイドライン案の移管基準に該当する別表2で、移管する文書について「重要な」と要件が付加されているものがあるので、重要かどうかは誰が決めるのか、恣意性が生まれないか危惧するということと、国際会議関係の文書でも「閣僚の出席する会議」にも重要なと要件が付加されているけど、閣僚の出席する会議がそもそも重要ではないのかという質問。事務局の説明は、どのようなものかは各機関、国立公文書館等の長が決めるが今後検討との返答。なんだか、内閣府の説明をしている職員の話は、はっきりしなくてわかりにくい。

 三輪委員の質問関連で三宅委員が、作成義務には意思形成過程の「経緯」としか書いていないが、保存期間満了時の措置として歴史公文書等に該当する場合は「重要な」と要件が出てくるので、移管文書についてはこれを受けているということかという確認。その通りという事務局のお返事。三宅委員から、基本的な考え方でその旨を入れて置いた方が良いのではないかという意見あり。

 石原委員から、保存期間満了時に内閣総理大臣が廃棄に同意しなかった場合、新たに保存期間を設定することになっているが(法8条2項)、このように保管が継続するものは中間書庫への移管を原則としたらどうかとの提案あり。また、中間書庫について法には記載がないので、補遺的に施行令やガイドラインで書いたらどうか、アーキビスト・レコードマネージャーは公文書管理をするために必須なので、さらに充実した書き方が必要ではないが、保存期間を延長する場合の上限を決めてはどうかとのご意見あり。

 事務局の返答は、8条2項関係は法規定上はそれができるるようになっているというもの。保存期間の延長は施行令で「その必要な限度で一定の期間を定める」とあて、ガイドラインでも同様に定めているという返答。上限をという質問と回答があっていない。

 石原委員からさらにご意見。神奈川県公文書館の経験から、必要な限度と神奈川県でもなっていて、部局によって判断が異なり、当初は戦前の文書も現用文書として持っていたところもあったとのこと。必要な限度だと移管されるべき文書も長期的に現用文書として保存されることになりかねないということでした。イギリスの公文書館では、70年が上限とのこと。60、70年という上限が入れられないかとの提案あり。事務局から、ガイドラインでは、60年を超えるなど、延長期間・理由に合理性のないときは改善を求めることができると明記し、年限を提示しているとの返答あり。

 三宅委員から、ガイドラインでは文書作成義務で審議会等の議事録は発言者名入りの議事録をつくることを原則としている点について、記録は発言者名入りで作成することを義務付け、氏名を開示することによる支障がある場合は情報公開法の不開示規定を適用するということかと確認あり。その通りとの返答。個人的には、発言者名入りの議事録がない第三者機関について、録音物の開示請求をして2件の訴訟を提起した身としては、こうした作成義務の明確化はとっても歓迎。

 続けて、行政文書ファイル管理簿は常用、移管・廃棄簿は保存期間が30年となっていることについて確認。ファイル管理簿が常用となっているのは、今の行政文書の状況がみられるものであるので常用としているとのこと。ファイル管理簿に廃棄についての記載欄を設けてはという提案に対しては、現在は廃棄・移管後5年間は備考欄に記載となっているが、現用と非現用・廃棄文書が混在していて見にくいという意見があり、現用はファイル管理簿で、移管・廃棄文書は別と分けた。今のところ、移管・廃棄簿は30年保存で廃棄となっているとのこと。三宅委員から文書が移管・廃棄されたという記録はずっと残しておいてほしい、こういうものがあったということは残した方が良いとの意見が出ましたが、御厨委員長は中身がないと意味がないというような趣旨のご発言。そこにかぶせて、石原委員から100年前の公文書は残っていても完全に残されていることは少ないので、元の形の情報である管理簿に該当するものは残してほしいとの話あり。私は、廃棄・移管簿は残してほしいと思うので、移管とすべきではないかという意見に賛成。それにしても、やはり御厨委員長よくわらないです。

 三宅委員からは、文書管理規程(規則)の保存期間についての確認あり。現行制度のもとでは、昔の文書管理規程が廃棄されてないため、当時の時点でどのような文書管理状況だったのか推認できないことがある。情報公開訴訟で不存在案件を争う場合に、作成・取得時点での状況を確認したくてもすでに規定がなくてできないこともあったとの話がありました。これって、私が原告のケースかな?事務局の返答は、文書管理規則は10年保存だけどガイドラインで保存期間終了後に移管としているとの説明あり。これからは、文書管理規則が過去にさかのぼってあたれないということはなさそうです。

 杉本委員からは、一元的な文書管理システムとそれを受けての文書管理規則の整備についてどうするのか質問あり。事務局からは、見えていないところもあるので、これから杉本委員とも相談したいとの返答。いや、個別にご相談じゃなくて、この委員会でもちゃんと議論してよと突っ込みたくなる。

 三宅委員から、内閣府を中心に時限的に本部やプロジェクトが立ち上がって時限が来ると解散するけど、文書が散逸しやすいので、うまくそのまま文書が移管される手だてがあると、組織を解散するときに対応が楽なのではないか、工夫できないかとのご意見。それに対して、事務局から、ガイドラインで管理主体が明確なときは行政機関で管理、あるいは国立公文書館の中間書庫で管理、選別することにしていると回答あり。

 こんな感じで話がされていました。「特定歴史公文書等の保存、利用及び廃棄に関するガイドライン素案」については、あまり突っ込んだ質疑はなかったかなという感じ。近く意見募集が始まると思うので、次の準備をしないと。

 今日は公文書管理委員会の後、半蔵門でインタビューを受け、その後転進して取材を受けて久しぶりに22時前に帰宅。午後から職場を離脱して都内に戻ってきて、効率よく用事がすんで自己満足。荒川を越えたところに日中ずっといると、こうはいかない。
   
by clearinghouse | 2010-08-31 22:18

 8月24日に行政透明化検討チームでの情報公開法の議論が終了して、これから法案化作業が内閣府と総務省の共同で行われるようです。これまで4回の一人反省会をしてきましたが、今回が反省会は最後です。書くことは、ずっといろんな人から直接言われたり、人づてに聞いたり、何かで目にしたりしてきたりと、何かと評判のよろしくなかったわかりにくい議論について。

 行政透明化検討チーム 一人反省会 行政文書と個人情報の巻
 行政透明化検討チーム 一人反省会 審査会の巻 
 行政透明化検討チーム 一人反省会 内閣総理大臣の措置要求の巻 
 行政透明化検討チーム 一人反省会 「枠」の巻 

 行政透明化検討チームの会議日程や傍聴登録情報等々は、私の知り合いに一斉にメールで情報をずっと流してきたので、結構知り合いが傍聴に来てくれていました。とはいっても、傍聴席側と構成員の入口が違ったり、会議終了後には座長代理による記者レクがある関係で早々に傍聴者は外に出ているため、自席でもたもたしていると誰にも挨拶できずにということも多々ありました。だけど、そんな中でも立ち話をしたり、別に会ったり、メールをもらったときに、ぼちぼち感想を聞いておりました。

 共通して言われることは、議論が難しい、わかりにくいという2点。確かに。この上なく日常用語になっていない言葉が飛び交ったり、条文の番号だけで議論をしていたり、これまでの経緯が共有されていることを前提にした省略の多い議論をしていたりと、普通に聞いているとめまいのするような議論であったと思います。私も時々めまいを覚えておりました。その上、どちらかというと平場の会議でもっぱら発言する人と、それ以外の場でのやり取りの多い人がいるような感じで、会議の場で話されていることと、実際に集約されていったものに差があるという状況もあり、個人的には公開の会議は典型的なガス抜きの場?という錯覚に陥ったものでした。

 ともあれ、わかりにくい議論をしていて、資料もシンプルではなく、最終的な成果物の一つである論点整理もかなり難解、そして改正方向性を示したとりまとめも前提を理解していないと内容を読み切れないというものであるので、「行政透明化」と言いつつも、わかりやすさからは遠かったととても反省。反省をしつつ、途中から再認識したのが、「公開」「透明性」と「わかりやすさ」「合意形成」はまったく別物ということ。当たり前のことを何気に実感してしまいました。

 行政透明化検討チームは、会議は公開、議事録も資料も公開であるので、会議資料の公開はすべて行われていますので、「公開」や「透明性」は一定の水準を満たしています。もっとも、会議の経過をフォローしでも出てこないものが入り込んだり、どのように取捨選択されたのか分からないものもあるので、そういう意味では、公開の会議外のことがそれなりにあるので、透過度は50%くらいというところでしょうか。でも、それなりではありました。けど、公開されている会議や資料をもとにして広く議論を理解してもらうところまでは至れなかった。

 その結果かどうかわかりませんが、いろいろ目にする検討チームの取りまとめに関する理解は誤読がとても目立っているなあという感じです。もはや、誤読のレベルではないものも見受けられるので、情報公開法という市民が使う制度であるにもかかわらず、制度そのものを議論するときは、市民から遠くなってしまうというジレンマに、再び個人的には陥ったのでありました。前からわかっていたことではあるけど、やはり再確認すると課題としてわかっていながら成長していない自分にまあなんとも。

 結局、よくわからなかったという感想を何度も聞くと同時に、私が議論をどう思ったのか、思っているのか、どう評価しているのかということがたびたび聞かれることになりました。なので、とりあえず、近くこのブログで少しその辺を書いてみようと思います。
 
by clearinghouse | 2010-08-31 00:10 | 行政透明化検討チーム

 24日の17:15から正味30分ほどで会議は終了。もともと45分が予定の会議で、論点整理の事実関係の確認と、大臣案である「行政透明化検討チームとりまとめ」の説明、確認だけが議題であるので、発言できることも限られ、ほとんど儀式的な会議でした。
※行政透明化検討チームの資料関係がなぜかリンク切れしているので、以下に手持ちの「とりまとめ」のデータを置いておきます。
 http://homepage3.nifty.com/johokokai/tomeikateam_006.pdf

 確認されたことは、とりまとめの中の情報提供に関する項目では、複数回の同様の開示請求がある文書については、全部開示された場合のみ情報提供となるということ。情報公開法施行以来、当初は国税庁、今は法務省の請求件数が多く、これらがおおよそ全部開示でかつ複数回請求があるものなので、これが念頭にあるものと理解をしています。これが機能すれば、請求件数は相当に減少ということになるでしょう。ただ、10数年前に東京都の情報公開条例の改正で、当時開示請求の多かった建築確認関係の書類などを念頭に、同趣旨で複数回開示請求があるものを情報提供に回すと条例上手当てをしたのですが、あまり機能していないというか、結果的に低調ということもあるので、どういう実施レベルのものとなるのか、よく見る必要があるかなと思います。

 私がお願いしたことは、とりまとめの中で、唯一開示実施手数料については法律条文の改正ではなく施行令での対応となるので、法案作業の中でこの点についても作業を進めて、法案審議段階である程度明らかにしてほしいということでした。開示実施手数料の減額や、減免の充実など方向性としてはとても良いと思うのですが、どういうものかによってその効果は異なってくるし、大量請求の場合の予納制度が入るので、どういう仕組みになるのかによってこれも賛否が分かれるところだと思います。なので、ここは改正法案成立後ということではなく、なるべく国会審議の中でも実質的な議論をしてほしいところだから、あえてという感じです。

 中島さんからも、解釈運用レベルにどう落としこまれていくのかという観点からの発言があり、これと私のお願いについて併せて蓮ほう大臣から、野党時代の国会審議で具体的な事項が明らかにされてこなかったご経験にふれられ、でも法案が通る前の段階であるのでという含みのあるお話がありました。

 検討チームの泉事務局長から、事前に各構成員には取りまとめ案について説明済みとの言及があったように、事前に説明を受けていて、そこでは、私自身もいろいろ自分の見解を述べています。しかし、そうした各委員の考え等々が公開の会議ではなく、事前説明という個別対応の場に結果的にとどまっているのは非常に残念。ただ、大臣による取りまとめという性質、検討チームの構成員としての役割を考えると、最終段階で何かを述べることはそもそも…という感じでもあるので、こういう会議になるのでしょう。私自身はいろいろ考えて、結局その場で話をしていたことは会議では控えてしまったという腰砕けでしたし。意見書を書面で出すかどうかも散々迷いましたが、思うところがあって結局出さず。何だか微妙な話もあったりで、何とも表現しにくいものでもあります。ただ一つ言えることは、不開示規定の3号、4号関係は、検討チームとしての問題意識と見直しの方向性は整合していない一文が入ってしまったのはとても残念ということです。

 今後の法制化については、次期通常国会を目指すということのようで、法案作業は行政刷新会議と総務省の共同で進められることになるようです。大臣の方針として出されたものなので、これを基本に技術的な詰めが必要な個所(特に訴訟手続き関係)、2案が示されている個所の調整などが行われるので、実際にどういう構成になるのかは法案として固まって硬直してしまう前に、何らか確認する機会がほしいと思っています。

 今回の検討チームの取りまとめに対しては、思っている以上に肯定的にかつ積極的に評価する人が多いことが印象的です。2004年度の情報公開法見直し検討の時点で、運用上の課題は認識しつつも改正に至らなかった経緯を考えると、長年の懸案を今回改正目処が立ったところは、本当によかったと率直に思っています。基本的に、すべてより情報公開されるように前向きに議論がなされてきましたし。

 ただ、最初の大臣素案からやや後退した個所、大臣素案で曖昧であった部分が整理された結果、やや積極性が薄れたように感じられる部分があったりと、やや残念なところがあります。何より残念なのは、やはり行政文書の定義の問題という、知る権利の根幹にかかわる課題にまったく手がつかなかったところが残念。行政文書の定義が同じなので、各行政機関ごとにばらついていると思われる解釈運用レベルのまま、公文書管理法が施行されると、法にのっとり管理されているもの以外は開示請求対象にならなくなってしまうことがとても懸念されます。法律本文を変えるという議論が設定された「枠」では想定されていないので仕方がないということかもしれません。むしろ、これからどうしようかと思案をしています。

 ところで、24日は検討チーム終了後の時間帯は、以前からクリアリングハウスの理事会予定で偶然に日程がかぶり、今回の見直しについていろいろな話になりました。率直なところ、今回のとりまとめはどうなの?何点?どう評価しているの?矢継ぎ早に聞かれて、いろいろ言いたい放題。基本的には前進、すごく前向きという認識は共有しつつも、私の悪い癖である屈折した目線だと少し違った風景も見ているところがあるので、その話をしてなんだか盛り上がっていました。その話、わかりやすいとも言われて、そうか、意外に共感してもらえる話なのねと認識。途中で同じく検討チームで一緒だった中島昭夫さんに連絡を取る必要が出て電話を入れて、いろいろ感想等々話したり。思うところはけっこう共通かもしれないという感じでしょうか。

 それから、このブログでぶつぶつと呟いている行政透明化検討チームの一人反省会の内容も、かなりぎりぎり自分の感想として書いているのだけど、それを読んでいる理事から、生々しさがある面白さと言われました。あれも読む人が読むとそういう話なんだよね、というかあまりそうならないように微妙に書いているつもりですが、そういう感想もありです。

 理事会後に、慰労会をしてもらいうことになり、さらに飲みながら言いたい放題。途中から合流された方もいて、さらに言いたい放題が続き、この間にたまった何かを少し洗い流しましたよ。私は慰労されるほどのことは何もしていないのですが、今回ばかりはありがたく慰労されました。ただ、これからが情報公開法に関してはいろんな意味で正念場という感じがありすぎて、なんだか複雑です。めげずに頑張ろ(-_-)
by clearinghouse | 2010-08-25 23:52 | 行政透明化検討チーム

 明日で行政透明化検討チームの情報公開法検討は最後。今日になって、17時~18時の予定が17時15分~18時に時間が変更になったという連絡があり、45分で会合終了という予定となりました。なんだか、傍聴者に申し訳ないような設定時間 (´o`)

 行政透明化検討チームの一人反省会も今回で4回目。今回とあと一回書いたらおしまいにするつもり。今回は「枠」の話。何の話かと思われるかもしれませんが、要は行政透明化検討チームでの情報公開法改正の議論には、かなりはっきりとした「枠」の設定があったと個人的に感じているというお話です。何だか見えていた風景があったというお話でもあります。

 情報公開法の改正の検討は、第1回に大臣の見直しの方向性という大臣素案が出されており、そこで「枠」が出来上がっています。当初、引き受ける段階ではこの大臣素案で出された項目以外についても検討しうるという話を聞いていたので、この枠を尊重しつつもそれ以外についてもある程度は検討ができるかと思っていましたが、甘かった。実際には、大臣素案でできた項目の「枠」は鉄板のように固くて柔軟性がなかったのでした。

 加えて、項目ごとの見直しの方向性も、そもそも具体的な内容が詰まっていなかった部分を除いては、枠がかっちりしていたように思います。反面、具体的な内容が詰まっていない部分は、提案者側から説明が出てこないという状況が見られ、誰が枠を作ったのかというところがいまいちわからないという感想を持つこともありました。最終的な方向性で修正や追加がある項目を見ていくと、一定の傾向があるような感じで、その傾向が早い段階でうっすら見えてしまった手前、ここで蹴られるのは、と思う提案は意見とて控えてしまったという私の打算的な行動もよくなかったと反省。

 もうひとつ、もともと、今回の改正検討は、法律のテキストをどう直すかということが中心というか、それ以外はほとんど検討できないという「枠」がかなりはっきりしていました。そのため、実際にはテキストの問題ではないと考えられる情報公開法の運用上の課題はすべて置いてきぼりになってしまいました。短期間での検討という時間的な制約、情報公開法の所管ではない行政刷新担当大臣のもとでの検討というところで、いろいろ限界があったとは思いますが、テキストをどういじるかという以外の議論も、本当は必要。おそらくこれは、検討チーム後の問題として取り組まなければならない課題と受け止めるべきかなと、途中から割り切りました。

 そういうわけで、短期間での検討、法律のテキストの改正を目的とした検討、そして政治主導ということでいわゆる第三者機関とは異なる会議体、見えないけどかっちりした枠設定という、いろいろこれまでに経験のないことを経験させていただきました。そして、どうも「お客さん」という感覚が抜けなかったのでありました。こんなものなのでしょうか。自治体ではもう少し違う感覚でかかわるんだけどなあ…
 
by clearinghouse | 2010-08-23 23:32 | 行政透明化検討チーム

 8月24日に最終回となった行政透明化検討チームでの情報公開法の改正検討ですが、最終回を前に勝手に一人反省会をしています。今回は、新設の規定となる内閣総理大臣の措置要求がなんだか自分の中で一体何だったんだろう、と何となく議論の経過が消化しきれていない感じなので、勝手に反省してみます。

 過去2回は http://johokokai.exblog.jp/14864090/  http://johokokai.exblog.jp/14891084/

 今回の情報公開法改正議論の中で、新設する規定は少ないのですが、その中に不開示となった場合であっても、全面不開示の場合は内閣総理大臣に各行政機関の長が報告し、公益的な裁量開示に該当する場合は、内閣総理大臣から措置要求をするというものがあります。
大臣素案
2 内閣総理大臣への報告と内閣総理大臣による措置要求(行政機関情報公開法関係《新設》)
(1)行政機関の長が、開示請求に係る行政文書の全部を開示しない旨の決定をしたときは、内閣総理大臣に対し、その旨を報告するものとする。
(2)内閣総理大臣は、特に必要があると認めるときは、行政機関の長に対して不開示決定の取消その他の必要な措置をとるように求めることができるものとする。

 公益裁量開示の規定は、不開示情報に該当する場合でも、公益上の必要性があれば裁量的に開示ができるという規定で、とても重要なものですが、一方でほとんど適用例がなく機能していないとも言われています。この規定を何とか機能するようにしようということで考えられたのが、各行政機関の長の判断だけでなく、内閣総理大臣が各省庁から全部不開示については報告を受け、公益裁量開示に該当する場合は措置要求をするというもので、大臣素案に入っていました。内閣総理大臣をかませることによって、政治主導を印象付けるという意図があったものと思います。

 趣旨としてはわかるし、実際に時代ととともに不開示だった情報が公開されるようになったり、政治的な判断で過去に不開示情報でも、それに該当しないと色分けされたりということはこれまでもあったので、こういう高いレベルで情報公開の判断がなされることはよいと思います。公益的な利益と、不開示により守られる利益の衡量をして裁量的に判断をするには、高いレベルの政治判断なしにはできないとも言えます。

 でも、この考え方は当初段階の大臣素案では、どこで何をして、何が対象になって、どのような政策効果を見こむのか、見れば見るほどよくわからず、そもそも何にフォーカスして議論をすればよいのかが、正直私の頭ではわからなかった。理由はいくつかあります。

 一つは、当初の話では全部不開示決定をしたときは各行政機関の長が内閣総理大臣に報告し、必要に応じて措置要求をするという流れであって、なぜ全部不開示に限るのかという政策的な意味が見出せなかったことです。情報公開法の運用状況によると、全部不開示は年間の請求件数の5パーセント未満。想定されるこういう選択の意味は、多数を占める一部開示を一律に除外することで、高レベルでさばける件数に絞るということと、やらないよりやったほうがましということです。その結果としてパフォーマンス的な要素丸出しのものということになってしまうように思えました。

 二つ目は、いつの段階で報告、措置要求をするのかという段階がまったく私の頭では理解できなかった。「不開示決定をしたときは」と書いてあるので、不開示決定後であることは何となくわかるのですが、では、決定後のどの段階で措置要求までとり得るのかは想定されたフレームがなく、そもそも何が想定されているのかがわからなかったことです。不思議なことに、この点について誰も説明できる人がおらず、誰が何のためにこれを入れたのかが結局提案側の話としては最後までなかった。

 三つ目は、公益上の裁量開示規定にのみ絞り、たとえば個人情報や法人情報に該当しても人の生命、健康等に影響を及ぼす場合は開示する規定も同様にあまり機能していないし、ある意味高度な判断が必要であるのですが、それがそもそも措置要求の対象から除外されているのが不思議だった。これこそ政治の責任と思うようなものですから。

 というわけで、そもそもこういう内閣総理大臣による措置要求という規定を入れることの政策的な意味は、観念的にはわかるけど実質が見えない、というところで、そもそも大臣素案で提案されていることについて何か判断し、議論できる状況に私の頭の中ではなかったので、会議の中でもそういう前提で発言をしてきました。

 この点の議論の風向きが明らかに変わったのは、第4回会合の座長代理による論点整理素案が出されてから。その中で、以下のような内容が入りました。座長代理である三宅弁護士の説明によると、総務省の提案ということです。
 
ただし、[論点整理]3のとおり考えると、当該提案は、内閣総理大臣が行政機関の長の決定を覆す判断を行い得る制度であることから、情報公開・個人情報保護審査会による不服申立ての審査・答申との関係をもあわせ考慮のうえ、審査会に諮問した事案について、行政機関の長は、審査会の答申後、全部不開示又は一部不開示の裁決・決定をしようとするときは、あらかじめ内閣総理大臣に協議して同意を得なければならないものとし、内閣総理大臣は、当該行政機関の長に対し、法7条の公益上の理由による裁量的開示その他の必要な措置をとるように求めることができるものとする、という制度にすべきではないか、とも考えられる

 大きな趣旨の一つは、全部不開示を対象とするのではなく、不服申し立てがなされたものを対象にすることで、一部不開示についても内閣総理大臣による措置要求がなされるようにするとともに、実務的にも回るようにするということだと理解しました。もうひとつの趣旨は、不服申し立てに対する情報公開・個人情報保護審査会の答申後を受けて、各行政機関の長による判断の前に報告・措置要求とすることで、事案の前裁きを審査会が行い、高レベルの裁量的判断だけを行うことで、実務的にも回り、政治主導的な意味合いも演出できるということだと理解しました。

 前者の実務的に回るようにするという趣旨は、私も基本的に賛成です。ただ、そもそもの提案が全部不開示から出発していて、そこに件数を絞る以上の意味があるとすれば、前進と後退が入り混じります。通すべき筋が一体何なのかすっきりしない。後者は、個人的には多いに異論ありというものです。確かに答申後だと、不開示情報該当性については一定の整理が行われているので、公益上の裁量開示の該当性だけを判断しやすいという趣旨はわかるのです。

 しかし、審査会の答申後とすると、請求から相当に時間がたってしまうので、政策的効果やインパクトはとても薄くなる。むしろ、審査会答申踏襲的な印象を強くするだけの結果になると思うのです。それに、不服申し立てをする側は公益裁量開示に該当するとも主張する場合がありますが、高位の政治判断をする場ではないので通常蹴られることになるので、むしろ審査会にかかる前に高位の判断はして、不開示情報該当性を審査会で審査をするほうがすっきりするように思います。加えて、個人情報、法人情報であっても人の生命、身体等々に影響を及ぼす場合は開示するとする規定についても、同様に扱ったほうが政策効果が高いと思うところです。

 この内閣総理大臣の措置要求については、私と松村教授が異なる観点から意見を述べていたところですが、実質的には前述の総務省からの提案が出て行こう、明らかに議論ができなくなったというか、議論にならなくなりました。明らかにそこをターニングポイントに発言が変わった方もおられて、総務省提案を支持してそれ以外は話にならないという感じになってしまいました。なので、自分として言いたいことは言うけど、それ以上でもそれ以下でもないということだと、どこかで自分を折り合わせてみました。

 でも、何だか、というか本当に消化し切れていないところです。
by clearinghouse | 2010-08-20 12:40 | 行政透明化検討チーム

 8月31日に予定されている、第2回公文書管理委員会の傍聴希望申込が始まっていました。

  http://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/oshirase/kaisai2.html

 傍聴希望申込の締め切りは24日の正午。

 日程は8月31日(火)の15時から。公文書管理法施行令と行政文書管理ガイドラインの素案が議題になっています。が、たぶん聞いた話だと、国立公文書管理用規則の素案のようなものも出てくるということだったような。

 こちらは、情報公開法に比べてある種の関係者が多いようなので、第1回の感じだと傍聴希望者が多いかもです。希望者多数だと、抽選だそう。
 
by clearinghouse | 2010-08-18 21:06

 行政透明化検討チームの第6回会合が、下記日程で行われます。傍聴の登録期間は、8月19日までです。ご都合の付く方は、ぜひ、傍聴してください。

 7月30日に予定されていた第6回会合が、国会日程の関係で延期となっていました。情報公開制度の改正に関する大臣案(修正案)の提示、とりまとめが予定されます。今回で、情報公開法改正の検討は最終回です。

 〇平成22年8月24日(火) 17:00~18:00
 〇中央合同庁舎第4号館共用1208特別会議室
 〇登録期間 8月13日~8月19日

 登録フォームへの直リンクは以下です。
 https://form.cao.go.jp/shokuin-koe-joho/opinion-0010.html

 行政透明化検討チームの関係資料等は下記にあります。
 http://www.cao.go.jp/sasshin/hatomimi/shokuin/shokuin-joho-kokai/summary.html
by clearinghouse | 2010-08-17 07:03 | 行政透明化検討チーム

 13日締め切りの公文書管理法施行令検討素案と、行政文書管理ガイドライン検討素案のパブコメは、何とか滑り込みで出しました。10数項目にわたり意見を出したので、1項目ごとの投稿という投稿フォームがとても面倒くさかった。だから、必須事項以外は一切記入せずにどんどん送りましたよ。

 出した意見の内容は、以下にデータをあげておきました。生業が超多忙で超体力消耗する状態にここしばらくなっているので、十分な検討をする時間もなく、かつ、一つの項目が400字以内の意見なので、かなり大雑把ないい加減な意見になってしまったかも。でも、出さないよりいいか。回らない頭で考えたからよくわからないところというか、違和感のあるところをぐだぐだ書いた感じになってしまったのですが、この辺、みなさんどう理解されているのでしょう。

 公文書管理法施行令検討素案に対する意見
  http://homepage3.nifty.com/johokokai/kobunsyo001.pdf
 行政文書管理ガイドライン検討素案に対する意見
  http://homepage3.nifty.com/johokokai/kobunsyo002.pdf

 で、なんだか自分でもよくわからなくなるくらい忙しかった中、何とかぼつぼつと時間の合間で資料を見ている中で意見を書くところまで何とか自分の中が整理されたのも、10日に1時間半ほど勉強会があって考える時間があったからかなと思うので、とりあえず前回の続きをまとめておこう。

 施行令素案とガイドライン素案について、内閣府の担当者と勉強会参加者の質疑はいろいろ続きます。

 行政文書ファイル管理簿について。ガイドライン素案では、ファイル管理簿への記載が、大分類・中分類・小分類と分類され、小分類が行政文書ファイル等の名称に該当することになっています。今のファイル管理簿にも大分類・中分類があるのですが、ガイドライ素案のものとは全く概念の違うものが分類項目になっています。新たなファイル管理簿に合わせて従来のファイル管理簿を修正しないと不一致が生じるけど、過去にさかのぼって修正をするのかという質問に対しては、それは難しいとの返答。現在統一的な文書管理システムがなくまちまちなので、そもそも過去にさかのぼって統一的に修正等を行うことは難しいということと、そもそも修正をすることがよいかどうかという問題と二通りあるよう。新しい文書管理システムを入れることだし、従来と新しいファイル管理簿の間にデータとしての断絶が起きても仕方がないということで、施行に突入するようです。

 ただ、これについて話を聞いていて、そういえば移管か廃棄かという保存期間終了後の措置については、改めて従来の行政文書ファイル管理簿にも記載をしていくことになるのではないか。つまり、どのみちすべてファイル管理簿を見直す必要はあるのではないかと思うので、本当にある程度の一貫性を持たせることができないのか、ちょっと分からなかった。

 保存期間満了後に例外的に保存期間を延長する場合に、延長理由をつけることになっているが、すべてについて理由が公表されるのかという質問。そうなるという返答だったけど、どこを読むとそうなるんだろう??と私はしばし混乱。施行令では延長する場合は内閣総理大臣への報告を求めていて、その根拠は、公文書管理法第9条第1項の年に1回の管理状況について内閣総理大臣が各行政機関から報告を受けるという規定。で、9条2項はその概要をまとめて公表するとしているので、個別の延長理由を公表するとはただちに読めないので、要は、延長理由については概要ではなく個別項目を公表するつもりということなんでしょうか。聞いたときは単にそれって何だった?と頭が整理されていなかったので追加質問をし損ねてしまいましたので、私個人的には謎のままです。

 それから、ガイドライン別表2(移管・廃棄基準に該当するもの)というやつの中の最後に、昭和27年度までに作成・取得された文書については、日本国との平和条約公布までに作成・取得された文書であることから、移管が必要な可能性のあるものに該当する可能性が極めて高いことから、原則として移管するものとする、という趣旨の一文についての質問。なぜ、昭和27年度までなのか、意味するところは廃棄不能ということなのか、30年経過しているものは原則移管ではないかということが質問の趣旨。

 返答としては、根拠は特に具体的な説明がなく、国立公文書館の指摘によるもののよう。廃棄不能というよりも、延長ができないということではないというような説明だったような気がするので、なんだかよく扱いが分からない。原則移管としているので、公文書管理法施行までに廃棄しない限りは、内閣総理大臣の同意が必要になるので、実質的には廃棄できないということでしょう。意味するところは、戦中、戦前の文書があるかどうかという気もしますが、戦後の主権の回復するまで期間ということかな。確かに原則移管というものであるかも。

 そして、私の質問。一つは、ガイドライン素案で行政文書ファイル管理簿のつくり方を見ていると、かなり小さい単位で行政文書ファイル等がつくられることが想定されているようで、大分類・中分類のしたの小分類がファイルに当たることになっているのですが、ガイドライン素案を見ていると大分類・中分類と併せて小分類を見ないと文書の性質がわからないようなものが提示されているのですよ。本来であれば、大分類・中分類という設定で保存期間を設定してほしいものが、小分類である行政文書ファイル等の単位で設定されるので、一連のものでも一部は保存期間が短く、一部は長いという事態も起こり得るような基準になっている。なので、どういう分類段階でどういう保存期間の設定になるのか質問。大分類か中分類でで統一的な設定になるかのような説明があったのですが、なんだかよくわからない。行政文書ファイル管理簿は、内閣府で年に1回は報告を受けてチェックをするので、その段階でおかしいものは是正させ、必要があれば勧告も出すことになるだろうとのこと。でも、そもそもそこでチェックできるということより、もっとわかりやすいくしてくれないものかと思うところです。

 二つ目の質問は、移管・廃棄基準について。ガイドライン素案の別表2というやつが移管・廃棄基準なのですが、ほぼ移管基準とイコールの内容。廃棄基準にはなっていないのです。で、このガイドラインによって作成される各省庁の規則で各省共通の業務に加えて独自の業務の保存期間と移管・廃棄基準が作られ、その規則は内閣総理大臣の同意が必要なので、そこでチェックがきくことになっています。で、この移管・廃棄基準がいわゆるレコードスケジュールに該当するものと位置づけられているのですが、これだけで移管・廃棄が決められるのか聞いてみました。基本的にはそういう方向であるようです。廃棄するときには一応もう一度チェックをするということでしたが、かなり自動的に処理されるのだろうと思います。そうすると、やはりこの移管・廃棄基準はとても重要。でも、この基準は、保存期間と文書作成義務の内容といろんな基準が込み込みのもので、なんだかわかったようなわからないような。正直、何がどう動いていくのか良くわからん、と思ってしまいます。

 そして3つ目の質問。国立公文書館等へ移管する文書は、各府省から利用制限に関する意見を必要に応じて付すことになっているのですが、いつの段階でそれを付すのかを質問。どの段階という想定はあまりないよう。移管のときに一気に理由づけをすると、審査が甘くなって利用制限の意見を付す範囲がとりあえずで広くなってしまう可能性もあるし、でも、そうはいっても保管が始まった時点でつけると、現用文書としての判断が強くなるし。実際どの時点通いの良く分からないのですが、歴史公文書等と判断した時点でつけるのが望ましいのでしょうか。

 最後に、内閣府担当者から複数回出てきて気になった言葉。それは、書庫がパンクするというもの。紙媒体での文書管理が中心であるので物理的なスペースの問題が出てくると思うのですが、なるべく電子媒体での管理に移行することでそういう事態を回避するという方向性も重要かなと思います。文書管理は、単に永久に残すことだけが能ではないのですが、一方で物理的な制約で長期的に残す文書を制約するというのも本末転倒。書庫がパンクするという趣旨が、どっちなのかということにいずれはなるのかなと思います。近く、統一的な文書管理システムを導入する予定なので、そういうコストをかけてシステムを導入する以上は、その先に必要な文書を物理的な制約をあまり受けずに、長期的、安定的に電子的に残す方向にも投資してほしいと思うところです。
 
by clearinghouse | 2010-08-13 23:52

 今日は、衆議院議員会館で、内閣府の担当を招いた8月13日までパブリックコメントをしている公文書管理法施行令素案と行政文書ガイドライン素案等々についての勉強会へ行ってきました。パブコメは今回が任意のもので、9月に2回目のパブコメ予定。こっちは施行令に関しては法定のもの。いろんなことがどんどん早く進んでいくので、気分だけ、気のせいな気もしますが、なんだかキゼワシイ…

 ちなみに、公文書管理法の施行令案等々は、以下をご参照ください。
 http://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/oshirase/goiken1.html

 勉強会では、第1回公文書管理委員会で配布された素案が使われていたので、実際の上記パブコメで出されている資料の行政文書管理ガイドラインの方が4ページくらい多い。公文書管理委員会の第1回会合での委員意見、その後の委員意見を踏まえて一部修正したからで、修正箇所は、管理体制で国家公務員法や刑法での罰則の言及の部分と、研修に関する部分が独立した項目になって留意事項を加筆しているようです。ページ数が増えたのは、一部レイアウトの関係かなと思う部分もあるので、大きな本筋にかかわる修正はないよう。

 最初にスケジュールの説明が内閣府からあって、その後に施行令案とガイドライン案の説明あり。スケジュール的には、8月31日の第2回公文書管理委員会では国立公文書館利用規則素案が出てくるとのことで、既定の予定で利用規則のパブコメも予定通りに9月に実施。

 この利用規則の関係では、個人的に最も関心があるのが、公文書管理法の利用制限の規定の審査基準がどういう手順でできるかということ。公文書管理法の利用制限の規定は、情報公開法の不開示規定をそのまま準用しているのですが、一方で公文書管理法は時の経過を考慮して利用制限規定の適用を行うとしています。しかし、まったく情報公開法と同じ規定ぶりでどう考慮するのかは、国立公文書館利用規則や審査基準で書き込むべきものだと思うのですが、困ったことに国立公文書館は独立行政法人。行政機関であれば、行政手続法の適用を受けるので、その限りでわかることはあるのですが、こちらは適用がなく裁量的なものになるので、何をするのかが読みにくい。

 一応利用規則はパブコメが予定されているので、利用制限基準が書かれるのか、書かれるとすると、審査基準的なのか質問してみましたが、利用規則に何か書かれるようですが、審査基準とは異なるよう。国立公文書館が利用規則とは別に審査基準を作ることになるのかなと理解しました。それにしても、今の国立公文書館利用規則には利用制限に関する基準が盛り込まれていますが、情報公開法の規定をそのまま準用した公文書管理法の利用制限規定では、今のレベルを維持することができるのか、いろいろ不安が。素直に規定を読んでしまうと、時の経過を考慮してもちょっと無理があるかなと思うものもあり。最近この関係の原稿を書いたので、その時いろいろ考えてみたけど、う~んと何度も唸ってしまいました。

 施行令案と行政文書管理ガイドライン案については、いろいろ質疑がありました。

 まず、保存期間で公共事業では直轄事業として実施されるものが事業終了後5年と設定されていることについて質問あり。全体の大きな計画・方針が100年単位で作られている場合、保存期間はどういう設定になるのかということでしたが、個別事業ベースが基本として想定されているよう。紙媒体中心なので書庫がパンクするという説明がありましたが、それは電子媒体ベースにすれば良いかとも思うので、この辺は、まあ何というか、という感じでしょうか。それよりも、この基準は「直轄事業」ベースの話なので、直轄事業だけがこういう設定で良いのかなとちょっと別に疑問に思ったところ。

 次は文書管理システムがどうなるかについて。ガイドライン素案では、平成24年度までに政府全体の一元的な文書管理システムを導入する必要があるという、文書管理業務の業務・システム最適化計画に基づく言及があるのですが、どういう仕様になるのかという質問。一元的な文書管理システムでは、電子媒体と紙媒体の双方の管理に対応し、新しい行政ファイル管理簿にも対応したものとなると思うのですが、これについては、仕様は別に質問した人が問い合わせをしてるので、そこで話をしてもらうことに。特に、質問をした方は電子文書の管理という観点でシステムの仕様について質問をしていたのですが、内閣府の担当者からは、いまだ紙文書中心の管理という話があり。

 これについては、私も少し質問というより注文。今の行政文書ファイル管理システムは、各省庁ばらばらの文書管理システムから定期的に総務省が情報の提供を受け、政府全体のWEB上で公開されている行政文書ファイル管理簿にデータを加える作業をしていて、各省庁のシステムでできることはばらばら。それを一元的なシステムにするので、システム上できることは共通になることは大きい。でも、紙保存であっても電子媒体であっても、このシステムによってどういう管理体系になるのかということは、全体の管理ルールの問題なので、その全体像を新しいシステムを前提に示すのが本来なのではということを言いました。そして、その中で電子媒体の特性を念頭においたどういう管理ルールがそこに埋め込まれるのかがないと、個別の問題の話にはなっても、全体の管理システムと公文書管理法の実効性がどう関連するのかわからないということも言いました。なので、この辺は、実際には実効性担保にかかる大きな課題だけど、その課題や全体のイメージがないままに施行令やガイドライン等々ができていくのは、やはりちょっと問題かもと改めて思いました。

 ちなみに、ガイドラインは今後各省庁が規則を策定する際に参考とするものになりますが、各省庁の規則は策定にあたって内閣総理大臣の同意が要件となっています。この同意の手続は、年内を予定しているとのことでした。ガイドラインと異なる規則が出てきた場合については、各省庁の独自性としてガイドラインと異なる基準を設定するのであれば、それについての十分な説明責任があるので、説明がなされなければ同意にはならないだろうとのこと。この規則は、行政手続法に基づくパブリックコメントの対象になるので、策定前に案の公表→意見聴取の手続は行われることになるということなので、一気に各省庁から出てきたときは、タイヘンダ。
 
 何を公文書とするのかについても質疑あり。特に調査委託等を行った場合の報告書の根拠となる基礎データなどが行政機関によって取得されずに不存在になる事案が出てきていることに対しては、基礎データなどを適切に取得とまではガイドラインに書いてあるのですが、結局委託契約時の仕様書に書かれていないとなかなか難しいこともあるので、仕様書で対応するなどもう少し明示すべきではないかという意見が出ていました。

 その関連で、何が行政文書になるのかという話に。何が個人メモとして扱われるのか。実際にはかなり微妙というより、明らかに行政文書と思われるものが個人メモ扱いされていることなどの具体的な話がありつつ質問。はっきりした回答はないものの、検討するという返答はあり。どういう段階であれば個人メモではなくなるのか、ということは要ははっきりしない。行政機関側から国会議員へのレクの際にとられるメモも、どの段階から公文書になるのかという話も。手書きメモ段階では当たらないけど、清書された時点ではあたるだろうというような話。でも、結局情報の性質によってはそういう区分が本当にできるのかなという疑問はあり。この点は、行政透明化検討チームから行政文書の定義の問題は公文書管理委員会に申し送りになるかなという方向なので、今回のパブコメとは別に一度ちゃんとやってもらった方がよいところですね。
 
 まだまだ質疑があるのですが、今日は疲れたのでここまで。次に続く…
 
by clearinghouse | 2010-08-11 23:10

【機2】ってなんだ?

 ここのところ、出席する会議の関係で国の行政機関の中の人からメールが届くのですが、ときどきというか、それなりの頻度で【機2】というものが件名に入ったメールをもらいます。これが何だったか、どこかでうっすら見た記憶があるようなないような、と思いつつ、そのままなんとなく気分の悪いまま放置していましたが、つい最近、資料を見直していて何だったかやっと発見。どうやら、「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準」の中にある以下の格付けの略称のようです。

 政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準
 http://www.nisc.go.jp/active/general/kijun01.html
機密性についての格付けの定義

格付けの区分/分類の基準
機密性3情報/行政事務で取り扱う情報のうち、秘密文書に相当する機密性を要する情報
機密性2情報/行政事務で取り扱う情報のうち、秘密文書に相当する機密性は要しないが、漏えいにより、国民の権利が侵害され又は行政事務の遂行に支障を及ぼすおそれがある情報
機密性1情報/機密性2情報又は機密性3情報以外の情報

※なお、機密性2情報及び機密性3情報を「要機密情報」という。

 一応、【機2】できたものは、いずれはオープンになるものばかりだったけどすぐにはブログなどに掲載することは控えていたので、まあ、取り扱いとしてはあっていたのかなと思いつつ、でも、こういう格付けが一般市民によく知られているとも思えないので、何の説明もなく格付けされている今のままで良いのかについては、腑に落ちていない。政府の第三者機関などもろもろにいろいろかかわる機会の多い人には、常識のことなのでしょうか。それとも、こういう情報を受け取る人が外に自ら発信することを想定していないのでしょうか。

 そうすると、私みたいな立場の人間は、会議日程が【機2】できた時は、いずれわかることだけど、いつであれば機密性がなくなるのかなんて説明がなく、格付けされてくるのはちょっと困るかな。なんてことを、前日に【機2】できた会議日程を、翌日の公開の会議で述べた人を見てちょっと考えてしまいました。

 そういえば、最近アメリカ大使館の人から受け取ったメールには、最後に以下のようなものがついていました。

 Privacy/PII
 This email is UNCLASSIFIED.

 下段から情報の性質がわかるので、こういうものは説明はいらないけど、行政の中の情報セキュリティ基準で格付けされた情報が、その立場においては公務員の身分を持つ一般人の個人のメールアドレスに送信したり、郵送する場合に、何の説明もなく格付けだけするのは、セキュリティにならないのではないかと思うのです。やたらとセキュリティを厳しくしろとか、情報統制をしろということではなく、本当に必要なものに対してきちんと格付けをするのは良いとしても、曖昧に格付けをして結果的に情報統制的になったり、実質的な意味のない格付けが乱発されることを懸念しているのですが、どんなものなのでしょう。
 
by clearinghouse | 2010-08-07 22:16