10月27日に第5回公益通報者保護専門調査会が開催されました。この専門調査会は、あと3回の開催でとりまとめが行われることになっています。

 配布資料などは以下から
 http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/koueki/101027/shiryou.html

 以下の資料にある審議事項項目について、残りの回で検討します。
 http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/koueki/101027/101027_shiryou4.pdf 

 法改正が必要ということになるかどうかは何とも。ただ、議論に参加していて思うのは、普通の人の目線の議論ではなく、「強者の議論」かなあということです。なんだか葛藤がない。普通の人って、結構葛藤しながらどうしたらいいんだろうと考えるかなと思うし、公益通報を行う場合はなおさらかなと思う。それは法律論は超えたいろんなジレンマの中にいるからなんだと思う。そう思うと、やっぱり普通の人の目線を持った議論が必要だと思うけど、なんかそういう目線が少ないと感じるのは気のせいか?

 公益通報者保護法は、究極的には公益通報をした結果、不利益を受けたことを争う時に通報者を助ける法律ではありますが、法律の最大の問題はこの法律のいう「公益」となるものがなんだか複雑で難しいということなんだけどなあと思う。それに、法律は通報される側(企業や行政機関)の予見可能性はある程度確保しているけど、通報者の予見可能性はというと、結構厳しい。そもそも法律の構成自体が難しいし、では自分の予見可能性を高めるためにとりあえず相談と思っても、外部に相談するとなると外部通報になってしまう可能性も否定できない法律構成。何とも通報者にとってのジレンマが大きい。

 この法律があってよかった、という通報経験者はいるんでしょうか。判例やニュース、そして行政機関での通報受け付けの状況だけでは、この法律が実際にどう機能しているのかがなかなか見えてこない。以前に、イギリスと南アフリカとそれぞれで公益開示法の制定等々にかかわった人たちといろいろ話をしていたときに、この法律が実際にどう機能しているのかは、紛争になってみないとわからない、だから検証が難しいなんて話をしたことがありましたけど、こんなところにも、この法律のジレンマはあるんですよね。
 
by clearinghouse | 2010-10-29 01:42 | 公益通報者保護

 情報公開クリアリングハウスも後援をすることになりましたフォーラムのご案内です。10月30日の開催です。ご都合のつく方がぜひ。私は、出勤しているので残念ながら不参加・・・

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 「市民自治体」フォーラム 
  地域主権改革から「市民自治体」づくりへ
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 http://www.c-poli.org/pdfs/smjctf_flyer_0910.pdf

 民主党政権では“地域主権改革”を旗印に、地方分権が急速に進められつつあります。すでに「地域主権戦略大綱」が閣議決定され、自治体特に市町村の権限が強化されることが予測されます。一方で、特に障害者や子育てなどの分野おいて、自治体間格差の問題が懸念されています。 そのような中、“地域のことは地域で”を念頭に、今後また将来に向けた自治体行政、議会のあり方や市民参加などについて、多様な主体の参加のもとに討議し、『市民自治体』づくりに向けた取組みを進めるため、本フォーラムを開催します。

日時:2010年10月30日(土)13:00~16:00
場所:弘済会館・蘭(4F)(千代田区麹町5-1/四ッ谷駅・麹町駅徒歩5分)
プログラム
  講演「地域主権改革と国の役割」  原口一博 前総務大臣
  基調報告1「市民主権あふれるポジティブ多摩」  阿部裕行 多摩市長
  基調報告2「議会から見た自治体改革の試み」  根本二郎 新宿区議
  ディスカッション
    パネリスト:金子洋二(新潟NPO協会副代表理事)/河崎民子(大和市議)
           根本二郎(新宿区議)/樋口蓉子(おでかけサービス杉並理事長/元杉並区議)
           廣瀬克哉(法政大学教授)
    コーディネーター:坪郷 實(早稲田大学社会科学総合学術院教授)
参加費:1,000円
主催:『市民自治体』フォーラム・実行委員会


協賛・後援:NPO政策研究所、(社)神奈川県地方自治研究センター、神奈川ネットワーク運動、(特非)参加型システム研究所、自治労東京都本部、市民セクター政策機構、市民と議員の条例づくり交流会議、全日本自治団体労働組合、(社)東京自治研究センター、東京・生活者ネットワーク、NPOまちぽっと

連絡事務局:市民がつくる政策調査会   TEL:03-5226-8843/FAX:03-5226-8845
                           E-Mail http://www.c-poli.org/form.html
 
by clearinghouse | 2010-10-26 22:27

 24、25日付の毎日新聞で、情報公開法開示文書改変問題の続報が報じられています。

 東北厚生局:開示文書改変 258カ所、授業時間数かさ上げも(毎日新聞 10年10月24日)
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101024ddm041010114000c.html

 東北厚生局:開示文書改変 情報公開手続きを1カ月超放置 「他の仕事で手回らず」(毎日新聞 10年10月25日)
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101025ddm041010112000c.html

 24日付の記事には
 問題の文書は福島県郡山市の医療専門学校が提出した08~09年度の歯科衛生士科年次報告。改変前の原本とされる08~09年度の年次報告の一部(A4判計23ページ)が23日、開示請求した元教員(52)方に厚生局から郵送された。

とあります。

 改変前の文書が送られてきたとのことで、それを最初に開示された文書と照合したところ、258箇所の改変が見つかったとのこと。一部の文書が送られてきた経緯は、
 元教員によると22日夜、自宅留守番電話に厚生局総務課の担当者から「先に開示した行政文書の一部に誤りがあった。改めて開示すべき文書を郵送する」との伝言があった。
 
ということです。開示文書を間違えましたという程度の問題か、ということと、改変箇所が258箇所ということならば、誤りがあったから訂正という程度の問題ではもはやないです。

 今回は、たまたま請求者が決定期間を超過しても決定されないので東北厚生局に問い合わせて、そこで担当者が一定の真実(記載に誤りが見つかったので学校側に訂正を求めている)を答えたので、たまたま発覚したというものだと考えられます。もし、問い合わせたときに説明がなければ、請求者が問い合わせなければ、単なる決定期間の遅延という問題だけで終わらされていたと思われます。

 それに、6月に開示文書の改ざんが報道されて問題となったばかりで、また同じ医療専門学校関係で開示文書の改変(改ざん)問題が出てきている。もはや、厚生労働局と医療専門学校の両者の関係の含めた検証をしないと、問題の根は何にも解消されないのではないかと思うところです。
 
by clearinghouse | 2010-10-25 22:10

 10月20日付の毎日新聞が、東北厚生局が開示請求された文書の改変問題を報じています。

 東北厚生局:開示文書また改変 不祥事発覚後
 http://mainichi.jp/photo/archive/news/2010/10/20/20101020k0000m040125000c.html

 この問題、情報公開法の本質に関わる問題として制度の信頼性を覆す深刻な問題ですが、それだけにとどまらない問題だと思います。改変された開示文書は、福島県郡山市の医療専門学校が東北厚生局に提出した08~09年度の年次報告。新聞記事によると

 開示請求をした人:学校から不当解雇されたとして提訴している元教員
 改変の経緯:
  7月8日に年次報告等を開示請求→30日の決定期間延長→延長期間を経過しても決定されない
  →請求者問い合わせる→「記載に間違いが見つかったので学校に訂正を求めている」と回答
  →10月2日に開示が実施されて改変後の文書が送られてくる→改変個所は不明

 記事では、年次報告には歯科衛生士科の授業時間数などが含まれているということが特に述べられているので、不当解雇で学校を訴えている元教員には、この授業時間数が重要な情報だったということではないかと思われます。

 この問題、結局年次報告等は学校側が提出しているものであるので、ミスがあろうとなかろうとそれは学校の責任の問題とするのが本来ではないかと思うわけです。東北厚生局に年次報告等を審査しなければならない法的義務があったとすると、それは受け付けた時点で行っていなければならないものであるわけです。そして、年次報告等での誤りとは一体なんだったのかの説明は行われていないし、労働争議になっている。おまけに、改変前のもともとの文書が行政文書として存在するのか否かが不明です。

 そうすると、なんで東北厚生局は、開示請求が行われた後にわざわざ開示請求対象文書を制度の想定を超えて改変を学校側に求めると言うことまでしたのか、という疑問がわきます。例えば、年次報告等にミスがあったとすれば、今後、学校側と請求者の間の問題として当事者間で争うなり、話し合うなりすればよいことでしょう。にもかかわらず、訂正(改変)を指示している。しかも、東北厚生局総務課長による、組織として決裁をしていて、問題とは考えていないというコメントも記事にはあります。

 ただ、情報公開法施行令は開示請求されている文書の廃棄は当然のことながら禁じていますから、廃棄はないはず。しかし、何が開示請求対象文書であるのか、というそもそもの問題がこのケースの場合は問題になりそうです。この場合、開示請求時点で存在した改変前文書であるべきですが、東北厚生局はそう考えていないようなので、廃棄を正当化する内部の屁理屈は考えていそうです。この問題は、少し徹底的に追及していかないといけない問題ですね。

 それに、何が訂正されたのかが明らかになっていないので何とも言えませんが、請求者が誰であるかを見てこのようなことが行われた可能性があります。請求者にとって、あるいは学校の問題を明らかにする上で重要な部分が改変された可能性もありますし、東北厚生局は、学校側に便宜を図り、請求者である元教員に対しては不利益を与えた可能性があるわけです。

 この東北厚生局と医療専門学校の関係が何か不適切なように思うのは、今年の6月下旬にもこの学校関係の情報公開請求で、文書改ざん問題が発覚しているからです。

 リンク切れなのでURLの引用はできませんが、今年の6月11日に同じく毎日新聞が東北厚生局による同じ医療専門学校関係の開示文書改ざん問題を報じています。記事の内容からわかる概要は以下のような感じです。

 開示請求者:学校の卒業生の男性
 改ざんの経緯: 
  04年ころから授業時間不足であることについて学生・教員から東北厚生局に内部告発ある
  →06年11月に再三の指摘を受けて医療専門学校で実地調査を行い「実地調査結果」が作成される
  →07年6月に卒業生の男性が、指導関係文書を開示請求し8月に開示が実施
  →一部不開示だったので、今年の4月に改めて同じ文書を開示請求した
  →2度目の開示請求で開示された「実地調査結果」の「問題事項欄」に最初の開示請求の同じ文書
   には記載のなかった事項が見つかる

 2度の開示で文書の内容の何が違ったかというと、これも授業時間数に関わる内容。記事によると「H16年度(04年度)の変更申請を承認していないため、H16年度以前のカリキュラムで授業を行うべきであったが、未承認のカリキュラムで行っていたため、学則上での授業時間の不足が生じることになる。(不足時間 柔整科497時間、鍼灸科784時間)」という記載が、07年の開示文書にはなく、今年開示された文書にはあったというものです。

 07年の請求は一部不開示だったと記事にありますので、不開示個所は黒塗りなど請求者にもわかるように示されていたはずなので、問題の個所が不開示であればわかるはず。しかし、そうではないようなので、07年時点ではその部分を請求者には存在そのものを隠して開示したということになります。問題の個所は、文章の末尾の4行と記事にありますので、請求者にわからずに容易に完全に隠ぺいできたものと思います。今年の開示請求ではそこが隠ぺいのために改ざんされていたとは知らずに、後任の担当者が開示をしたので問題が発覚したということでしょう。

 この医療専門学校では、柔道整復師と鍼灸師という国家資格の受験資格として、法令で定める履修単位を履修していることが必要なところ、カリキュラムの承認を受けずに授業を行っていたため、授業時間数の不足が大量に生じたとのことです。記事では05~07年度の卒業生約260人が単位不足で、本来は東北厚生労働局が補講を指導しなければならないところ、あまりにも補講時間が多く、しかも多くの卒業生がすでに開業等をしているので、特例として補講を免除したようです。

 しかも、おまけに「実地調査報告」をまとめた養成施設係長は、07年開示請求当時に総務課で情報公開窓口担当として請求を処理したとのこと。隠ぺいのための改ざんが、実地調査を行った所管レベルではなく、情報公開窓口担当で行われた、しかも個人的に行われた可能性も否定できないのかなと思います。

 結局、東北厚生局がたびたび学校関係者から問題の指摘を受けながら、必要な指導等を医療専門学校に行ってこなかったことが問題を大きくして、最後は東北厚生局が自らの怠慢等々から発生した問題を特例として裁量的に処理をしたということですよね。しかも、医療専門学校もそうすることで責任を免れた。お互いに、責任を回避するためにはそうする必要があったという共犯関係とも言えるのかなと思います。

 この件を見ると、医療専門学校の問題ではありますが、それを除いてみると問題の指摘を受けていた東北厚生局がその指摘を放置してきたというのがすべての発端のようです。そして開示文書の改変問題も、開示文書の隠ぺい改ざん問題も「授業時間数」という問題がキーワードのようで、不適当な関係性が東北厚生局と学校側にあるかもしれないですね。

 そして、情報公開法は、情報内容に問題があったとしても、そのまま開示をすることが前提の制度であることは自明のことなのですが、でも一方で本当にそう運用されているのかをチェックすることも難しい。だからこそ、ある程度の信頼がないと、情報公開法の前提そのものが成立しなくなってしまう。二つの情報公開法をめぐる問題は、問題になりそうなものは改ざん・改変することがある、しかも組織的に理屈が立てば、組織的な意思決定をしてそれを行って正当化することがあるという、行政機関側の体質の問題があることを改めて認識させられたところです。

 まずは、学校側に訂正させた改変文書については、改変前の文書の開示を行うことと、改変・改ざんの両ケースではなぜこういうことになったのか、なぜこう判断しているのかが明らかにさるべきでしょう。そうでないと、やはり行政は市民を守るのではなく事業者を守るところなんだ、という不信を残すだけです。

 ところで、公益通報者保護法の見直しの検討が行われていますが、医療専門学校の授業時間数不足という問題が、この法律の対象として保護されるべきものかどうかは、ちょっと調べたくらいではわからない。けど、仮に公益通報者保護法の保護対象事実だとすると、06年4月の施行なので、長いこと放置されてきた問題が06年11年になって実地調査等されたのは、その影響もあるのでしょうか。
  
by clearinghouse | 2010-10-22 12:39

 情報公開クリアリングハウスで、公文書管理の講座を行います。国ではなく、自治体向けです。しかも、地方議員を念頭においてプログラムは組み立てていました。地方議員限定の講座ではなく、どなたでも参加可能です。ぜひ、ご参加ください。

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 講座 公文書管理の制度と実践を学ぶ
  ―開かれた自治体政府の実現と地域の記録を残すために  
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 http://homepage3.nifty.com/johokokai/kobunsyo_koza1011.pdf

日時 2010年11月14日(日) 13:30~18:30
     ※オプション 11月15日(月)10:00~ 国立公文書館見学会
場所 中央大学駿河台記念館5階 560号室(千代田区神田駿河台3-11-5)
   http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/access/access_surugadai_j.html
参加費 1万円(当会会員 5,000円) ※事前にお申し込みください


≪プログラム≫
1 公文書管理法と施行準備に向けた状況
   三木由希子(NPO法人情報公開クリアリングハウス理事)


2 自治体での公文書管理の制度化に向けてのポイントと課題
  早川和宏氏(大宮法科大学院准教授、地方公共団体公文書管理条例研究会座長)

<講師プロフィール>
 国立公文書館事務委嘱員・高岡法科大学専任講師・同助教授を経て現職。文書管理に関わる記録管理学会、アーカイブス学会、全国歴史資料保存利用機構連絡協議会、ARMA International東京支部の協力による「地方公共団体公文書管理条例研究会」の座長を務め、公文書管理の基本となるモデル条例を検討中。


3 公文書管理に関する先進的な自治体の取り組み
   廣田傳一郎氏(駿河大学客員教授、NPO法人行政文書管理改善機構理事長)

<講師プロフィール>
 文書管理を40年余年研究し、創案した「AKF」(行政ナレッジ・ファイリング)を採用している自治体は70を超えている。また、「AKF」が公文書管理法ガイドラインのベースになったところから、法の対応実務の在り方を解説するため、総務省とペアを組んで全国を行脚中。現職:駿河台大学大学院客員教授、NPO法人行政文書管理改善機構理事長、行政文書管理学会長、ISO文書管理委員会日本代表委員ほか。


■オプション企画 国立公文書館見学会(11月15日10時~)

 国の歴史的文書を行政機関から移管を受けて保管、利用を進めている国立公文書館の協力を得て、見学会を行います。当日は、館内の見学のほか、公文書管理についての取り組み、自治体の公文書館に対する支援等についての説明もいただきます。
 参加費は無料。交通費は各自負担。講座参加者のみで事前予約。

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 公文書管理講座受講お申込み
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 お名前:
 ご所属:
 ご住所:
 TEL:
 FAX:
 電子メール:
 オプション:国立公文書館見学会に参加します/しません
 ご要望:


主催 特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス
   〒160-0005 新宿区愛住町3 貴雲閣108    
   TEL.03-5269-1846/090-9811-9241 FAX.03-5269-0944
   E-Mail icj@clearing-house.org  http://clearing-house.org
by clearinghouse | 2010-10-19 01:41

 国立市情報公開・個人情報保護審議会があった。前回から、学校と警察の相互連絡協定の締結についての諮問がかかっていて、今回も議論。(前回のことはこちらから

 子どもの万引きなどの警察が把握した事案の情報の提供を学校が受けること、学校から警察にも一定の場合に子どもの非行情報などを提供することについて、個人情報保護条例に基づく諮問がされている。今回も結論が出ずに、11月に3回目の審議予定という状況。

 都内でも多くの自治体で締結され、全国的にも決して珍しくなく、今や締結していない方が少数だと思います。でも、こういう協定が締結されたことによって、万引きや非行などの件数は減っていないし、これがあったからいわゆる「青少年の健全育成」が達成された、学校の現場がこう変わった、子どもや親がこう変わったという話は、あまり聞きません。

 今回の審議会では、主に次のようなことが気になって話しをしました。一つは、協定や実施要領を見ると、子どもに対する不利益取扱いがないようにするとは書いているものの、具体的にどうするかが見えない点です。実際にどうするかは学校の中の学校長などの管理職と子どもに直接関わる担任の意向によることになるので、むしろ何か子どもにとって不利益があった場合はそれを解消することはとっても困難、そして不利益があった場合は回復できないということになってしまうかなということです。そして、苦情等がある場合の申し出先は、実施要領では学校長になっている。苦情があるとすると、学校の意向や対応と対立する場合も相当程度想定されるのですが、それを学校長に言うとは、子どもや保護者にとって良い仕組みなのか???という疑問も。会議でこういう疑問は、諮問した教育委員会の担当者には申し上げていますが、何ともすっきりしません。

 それに、非行や課題のある子どもや家族に関しては、学校や警察という間でどうこうするというよりも、もう少し広い社会的支援が必要な場合も結構あるだろうなとは漠然と思います。というより、今の生業では、そういう関係先と家族をつなぐというか、コーディネートをしたりすることも仕事の一部だったりするので、余計にそう思うのかもしれませんけど。

 この件、教条主義的になるとどんなに楽だろうと思うものですが、第三者機関であるのでさまざまな権利利益を考慮して、個人情報の本人の権利利益をどう確保するか、権利利益を侵害しても上回る実質的な利益は何かを判断するしかありません。そういう意味で、かな~り頭の痛いテーマです。簡単に考えてしまえば、他で締結しているし、成果は見えないけど被害が大きく問題になっていないからいいじゃない、何ていう結論もきっとありなんだろうし、そういう結論になった自治体もあるんだろうと思いますけど、ここまでくるとそうは行かないなあ。
 
by clearinghouse | 2010-10-14 23:11

 12日は、第3回公文書管理委員会。何と1時間で終わってしまいました。議題を見て、予想はしていたのですが・・・。
 肝心の公文書管理委員会はこの前パブコメをした「特定歴史公文書等の保存、利用及び廃棄に関するガイドライン」の検討だけです。パブコメは、何ともやっつけな意見を↓一応私も出しました。

 http://johokokai.exblog.jp/15207625/

 第3回の資料は以下に掲載されています。

http://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/iinkaisai/22/221012haifu.html

 議論は、特筆するものはないかなという感じです。今この質疑をしますか、という質疑があったりで、相変わらずこの委員会、結構脱力系です。なんか不思議な感じで、微妙な意味で面白い。情報公開法の実務や実態を知っている委員は、何人いるんでしょうという感想を持ってしまう感じも^_^; このメンバーで特定歴史公文書等の利用制限に対する不服申立の審査をするのか・・・という気が。何か想像がつかない。

 特定歴史公文書等の利用制限についても、通常は行政機関であれば審査基準は行政手続法に基づくパブコメの対象になるのですが、国立公文書館(独立行政法人)だと義務がないので、そういう意見を個人的にもずっと言ってきたのですが、その点についてガイドラインでパブコメについて言及できないかと言う趣旨の質疑がありました。質疑があってよかった!と思ったけど、独立行政法人はパブコメの義務の対象外、法人の判断によるというお答え。そんなことはわかっていますと突っ込みたくなりました。むしろ、ガイドラインで実施することが望ましいくらいは書いて欲しかったんですけど、それが書けない理由を説明して欲しかった!独立行政法人等情報公開法では、各法人が審査基準を設けていますが、パブコメがされていたものがあったかどうかは不明です。こちらが数が多すぎてちゃんとフォローをしていないというのもあるのですが、たぶんやっていないし。

 公文書管理法と著作権の関係も質疑になっていました。これは、今、文化庁で著作権法の改正の検討中で、5月に公文書管理法関係で一度議論をしています。情報公開法と同じように著作権法に一定の例外を規定する方向ですが、電子化に関して少し別の議論もされています。資料や議事録が以下に掲載されています。

文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第5回)
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/housei/h22_shiho_05/gijiyoshi.html

 次回は11月30日が予定されています。次回から、各府省庁の文書管理規則が次々に諮問されてくるようです。12月中にも1回か2回の会議が入る予定のようです。これはタイヘンだ。でも、実質どの程度の審議をするか次第なので、本当に大変になるかどうかは・・・という感じでしょうか。各府省庁の規則は、パブコメの対象になるのではないかと思うので、もしそうなったらこっちの方がタイヘンかもです。

 それで委員会を2時間くらいかなと見ていたところ、予定していたのより早く終わったので、寄り道される側の迷惑も顧みず、急きょ近くに寄り道をしてから帰りました。そうしたら、ちょうど寄り道した時間が民主党のNPO税制のヒアリング前だったようで、行った先で知り合い何人かにばったり。たまたま理事として関わっているNPOもヒアリングに呼ばれていたようで、何の用でいるの、どっちの件?と聞かれてしまいましたよ。国会が始まると、みんなやっぱり何だかんだといるんですよね。
 
by clearinghouse | 2010-10-13 22:54

 10月12日に予定されている、第3回公文書管理委員会の傍聴希望申込が始まっていました。

  http://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/oshirase/kaisai3.html

 傍聴希望申込の締め切りは6日の正午。

 日程は10月12日の15時から。特定歴史公文書等の利用規則等に関するガイドラインが検討事項に上がっています。言い換えると、それ以外は特定した議題が上がっていないので、実質的にはそれしか議論をしないのかもです。
 
by clearinghouse | 2010-10-05 09:22

 内閣府行政救済制度検討チームで検討されている行政不服審査法の改正。

  行政救済制度検討チーム
   http://www.cao.go.jp/sasshin/shokuin/gyosei-kyusai/index.html  

 8月末に第1回会合が開かれ、そこで出された「「行政不服審査法の改正の方向性」について」に対し、10月10日まで意見募集が行われています。私は、まだ意見を出すかどうか思案中。
 http://www.cao.go.jp/sasshin/kokumin_koe/kokumin_koe-gyosei-kyusai.html

 あまりじっくり考えているわけではないのですが、「方向性について」を見ていて、だんだん今の形の情報公開・個人情報保護審査会はつぶして別のものにした方が、少なくとも不服申立人にとって良い仕組みになるような気がしてきました。「方向性について」で示されているもののうち、独立して職権を行使する不服申立ての審査を行う「審理官」について、今は検討課題となっているものの、外部人材登用がなされ、任命等も内閣総理大臣によるなどの高位による任命で、身分保障がはっきりして第三者性が確保されるならば、現行の審査会より申立人にとってはより手続等が保障されるという利点がありそうです。

 以前にこのブログでも審査会についていろいろ書きましたが、現在の運用だと口頭での意見陳述はほとんど認められません。ヴォーンインデックスも作られず、ヴォーンインデックス的な法の規定にないものを多用し、申立人の機会保障なんてまったく思いをいたしていない運用というべき状況です。審査会は常勤と非常勤の委員で構成されていますが、常勤はみな裁判官、検察官、官庁出身者。合議制であるので、それ以外の委員の果たしている役割があるとはいえ、審査会事務局には各省庁から出向者が集まっており、諮問をする官庁の強い身内意識を行政透明化検討チームの議論で垣間見えたところです。その上、審査会委員の審査会運用に関する意見等々を聴くにつけ、正直ここのところ審査会って本当にこのままで存続させる必要があるのかと思うところです。その辺のところは以下の記事にいろいろ書いています。

 行政透明化検討チーム 一人反省会 審査会の巻 http://johokokai.exblog.jp/14891084/

 そう思うところに、行政不服審査法の改正の方向性を見ると、審理官は①申立人からの口頭意見陳述の機会を与える義務を負うこと、②申立人から処分庁等への質問権を認めることによる対審的な審理構造を導入すること、③物件の提出要求ができること、④申立人は審理官に提出された書類その他の物件の閲覧・謄写を求めることができること、などがあり、審査会制度よりどう考えても申立人にとっては良いです。

 ①は審査会ではすでに述べたとおりで、口頭意見陳述はほとんど認められないので、審査会への諮問ではなく審理官での審査の方が良い。②は審査会では認められず、さらに意見書等で釈明を諮問庁に求め、審査会に書面を諮問庁から提出させるように求めても、いつも無視されるので、そもそも諮問庁の理由説明でよくわからないことすら、質問できても返答はないのが現実。だから、非常に魅力的。③は審査会でもインカメラを行っているところで、審理官でもそれができるということ。④は審査会でも同様の手続で、インカメラ審理のために提出される非公開文書はもちろん出ませんが、それ以外は非公開情報でない限りは閲覧謄写ができます。

 こう見ると、審査会の方が申立人に保障している機会は数段落ちます。そこで、私としては、情報公開・個人情報保護審査会は取り潰して、審理官制度を中心にした情報公開・個人情報保護制度中心の別の枠組みに組み替えることができないかと思うわけです。最も、審理官の選任や独立性、第三者性が申し分なく伴えば、ということが大前提ですけど。

 今の審査会制度は、行政不服審査法に基づく手続に別ルートを作って、審査会に申立てを諮問することで第三者性を確保した審査を行うもの。行政不服審査法に基づく手続と審査会制度が並立しているものの、基本的には審査会手続を中心としているという運用をしています。なので、情報公開法等で特別の規定を設けることができるなら、情報公開・個人情報保護制度に関する不服申立てを審査する審理官は、審査庁に置いた審理官ではなく、別においた審理官が審査して、手続規定については特に必要なものを除いて行政不服審査法によることとすることも成り立たないかなと思うところです。

 ということを、この間、情報公開・個人情報保護審査会の運用やヒアリングでの話し、いろんな認識に触れるにつけ、かなりカチンとくることも多いもので、ついつい思うのでありました。こういう発想がよいかどうかは別にして、行政不服審査法の改正が行われるならば、少なくとも審査会設置法の改正をして、手続規定の見直しは申立人の機会保障を念頭において行わなければ、情報公開法の改正をしてもなんか虚しい。
  
by clearinghouse | 2010-10-01 23:13