所信表明演説

 ここのところ、会の運営にためにはとても重要だが、とっても生産的ではない仕事に忙殺されていました。やっと、今日の理事会でこの生産性のない仕事から開放されそう。ただ、10月はじめに事務所の移転を予定しているので、しばらくまた生産的ではないけど、生産的に活動をしていくために必要な体力のいる仕事が、しばらく続きます。事務所に移転先は、今の四谷三丁目駅から四ツ谷駅が最寄になる程度の移動です。移転が終わったら、ここでもご案内します。

 そうこうしている間に、首相が代わり所信表明演説がありました。
 http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/201109/13syosin.html

 原発事故と情報公開に関しては、
原発事故が再発することのないよう、国際的な視点に立って事故原因を究明し、情報公開と予防策を徹底します。

と述べられていますが、情報公開の徹底とはどういうことか、ということがとても気になります。この間、国から自治体にどういう連絡や通知が行っていたかを調べていますが、紙の量は多いけど活用できるような情報提供とはなっていないように思います。一般向けのHP等を通じた情報提供も同じで、量は多いけど伝わる情報公開にはなっていないように思います。この辺は、いろいろこれからも調べていく予定です。

 菅首相の所信表明演説にはかろうじて述べられていた情報公開法などのくだりは今回はなし。行政刷新への意欲が表明されています。
国民の皆様の政治・行政への信頼なくして、国は成り立ちません。行政改革と政治改革の具体的な成果を出すことを通じて、信頼の回復に努めます。既に、終戦直後の昭和二十一年、「国民の信頼を高めるため、行政の運営を徹底的に刷新する」旨の閣議決定がありました。六十年以上を経たにもかかわらず、行政刷新は道半ばです。行政に含まれる無駄や非効率を根絶し、真に必要な行政機能の強化に取り組む。こうした行政刷新は、不断に継続・強化しなければなりません。政権交代後に取り組んできた「仕分け」の手法を深化させ、政府・与党が一体となって「国民の生活が第一」の原点に立ち返り、既得権と戦い、あらゆる行政分野の改革に取り組みます。

 端的に言えば、こうした問題が放置されてきた背景の一つには、情報公開が不十分=仕事の仕方が変わっていない、結果的に信頼されない政府になっている、ということがあるように思います。「行政運営の徹底的な刷新」がどういう文脈で行われていくのかということを、もっと注意してみていく必要があるのではないか、と思います。
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by clearinghouse | 2011-09-16 22:30

国立市の住基ネット接続

 市長が代わり、国立市が住基ネットに接続へ、ということがニュースになったのはついこの間のよう。住基ネット接続のための補正予算が市議会で成立しましたが、接続にあたり住基ネット条例を制定すること、条例制定に当たっては国立市情報公開・個人情報保護審議会の意見を聴くと市議会で答弁がされたとのこと。そのため、8月に審議会に条例案について意見を聴きたいとの諮問がありました。

 国立市の審議会にかかわって結構長いことたちますが、国立市はいったん住基ネットに接続、しかしその後切断をして今に至っており、その過程では審議会にも多くの市民から不安の意見が寄せられ、充分に市民に対して説明をすること、安全確認をすることを求める建議を自発的に行ったこともありました。審議会としては、住基ネット問題とは全く関係なく来たわけではなく、自治事務である住基事務に対する市としての市民に対する責任については、一定の意見を述べてきたところでした。

 住基ネットを接続するかどうかという判断は、もはや審議会の権限の範囲ではありませんが、今度は住基ネット条例案について検討をするという、とても胃の痛い仕事が回ってきました。市民サイドではいろいろな動きがあるようですが、審議会の範疇でできることは、どういう条例が最低限必要かです。10月までには検討し結論を出さなければならないので、ちょっとせわしない気分です。
 
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by clearinghouse | 2011-09-08 23:39

 国立公文書館での特定歴史公文書等の写しの交付について、何がどうなっているのかやっと理解。細かいところを読み飛ばしていた私の見落としで、そもそも特定歴史公文書等については、国立公文書館、外交史料館、宮内公文書館はいずれも、一部利用制限をするために写しを作成し黒塗りをするために作成した文書のみ、紙媒体から紙媒体での写しの交付を認めるという仕組みになっていました。国立公文書館は、利用者向けに出している写しの交付手数料の部分に、この記載がなかった。

 過去にさかのぼると、外交史料館は公文書管理法施行前の運用では、紙媒体から紙媒体へのコピーについて、特に利用制限がされている場合に限定せずに、手数料規定があった。宮内公文書館は過去分の確認ができていないけど、少なくとも外交史料館の私の手元にある過去の写しの交付手数料には、紙媒体から紙媒体の写しについて規定がありました。国立公文書館の過去の利用規則はどこかにあるのですが、すぐに出てこないので今のところかこの扱いは不明。ただ、公文書管理法の施行によって、ここは何らか検討が行われて従来の扱いから変わったと見た方が自然かなと思います。この辺を少し調べてみようと思います。

 ただ、あまり合点が行かないのは、デジタル化された特定歴史公文書等は、公費を使ってデジタル化され受益者負担とは別に行われているのに、たまたまデジタル化されていない特定歴史公文書等を利用しようとすると、デジタル化にかかる費用は受益者負担となるということ。利用可能な文書すべての写しの交付が求められた場合は、デジタル化したものをそのままデジタルアーカイブで公開すれば、受益者負担の問題はある程度クリアできそうなものですが、そうはいかないのだろうかと思う。一部の自治体で、公開文書をスキャニングして画像化し、ネットで誰でも利用できる情報として公開をしていますが、そういう発想はまったくなさそうなのは、これが国の機関の「限界」というやつでしょうか。

 そして、改めて思うことが、独立行政法人でも処分行為をする場合があるのに、行政手続法の適用となっていないことは、実はとても問題なのではないかということです。考えてみると、国立公文書館も以前は国の機関で行政手続法の適用を受けていたと思いますが、独立行政法人になって適用からはずれた。その結果、請求権に対する拒否決定をした場合に適用される義務も異なる。審査基準など行政手続の公正性の確保のために当たり前のごとくすべきことも、直接適用されないので自主的なサービスの範囲で行う話しになってしまう。

 なんで、独立行政法人の業務のうち、処分行為を行い場合に行政手続法が適用されないようになっているのか。それはできないという話なのか。法改正すればできるのにやっていないだけなのか。どれなのでしょうか。
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by clearinghouse | 2011-09-07 22:33

 生業は8月が超繁忙期で、しばらくこのブログも放置していましたが、やっと落ち着いたところで、今回は怒りの更新。

 ずっと現用文書の情報公開制度を使ってきたので、あまり歴史文書の利用には縁がありませんでしたが、このたび公文書管理法が施行されてから初めて、国立公文書館に特定歴史公文書等の利用請求を行ってみました。

 感想は、「何なんだこれは(怒)」の一言で収めておかないと、収拾がつかなくなりそうな気分でございます。20年前の情報公開制度の諸問題をそのまま体現しているかの運用。

 私が今回利用請求をしていた特定歴史公文書等は、一部利用制限がされました。決定通知書が送られてくるのですが、利用制限の理由の記載は「公文書管理法第16条第1号イ」というように、条文の中身ではなく番号のみ。はっきりいって、こんな理由付記だと行政機関であれば行政手続法第8条違反で、利用制限の処分そのものが不適法で取り消されるレベル。訴訟で争っても、最高裁の判例をかんがみれば私勝てると思う。残念ながらというか、国立公文書館としては好都合というべきか、独立行政法人なので行政手続法が適用されていないので、処分が理由付記の不備をもって取り消されるかどうかは定かではない。

 行政機関に対する情報公開請求では、いまどきはよほど劣化した運用を行っていない限りあり得ないレベルです。しかも、どのような内容が利用制限されているのかも一切記載なし。複数の利用制限事由を適用していても、条文数のみ。利用制限対象となった内容は一切不明。まあ素敵、とっても素敵(怒)、という気分でございます。

 しかも、実際に閲覧できるのは利用請求をした特定歴史公文書等の原本なのですが、閲覧時は袋でとじられており、どういう文書かを知る手がかりは一切なし。こんなので、決定通知書には不服申し立ては裁判についての教示があるなんて、お笑いです。だって、利用制限がされているのは何かという内容がまったくわからないのに、争えますなんて・・・。
 
 さらに脱力というか怒りを覚えたのは、特定歴史公文書等の写しの交付を求める段階。特定歴史公文書等は、写しの交付までに時間がかかる。これは仕方がないかなと思っているのですが、私が写しを入手したいのは、一部が利用制限されているもの。利用制限部分はところどころ袋でとじられているので、写しが作成された時に、どこに利用制限の部分があったのかわかるようになりますか?と閲覧室の職員に尋ねたところ、「業者さんが作りますから・・・」といわれて、激しく脱力。要は、写しは交付されるけど、どこに利用制限されているか部分が入っているかわからない形で出てくるようです。

 この職員に文句を言っても仕方がないので、まあまあという感じなので念を押して確認しかしませんでしたけど。でも、情報公開制度では絶対にあり得ない、というかそういう写しが交付されたとしたら、しかも閲覧をせずに写しの交付を受けたら、「情報隠し」なんて怒られて大問題になるかもしれないというレベルの話です。本当に、どんな運用になっているんだ(怒)、ということですよ、本当に。

 そして駄目押しが最後に。2010年度の公文書管理委員会で、国立公文書館の利用規則案が検討されたので、その会議を傍聴していた私は、その時点の記憶で今回、国立公文書館の利用をしていました。そのため、実際に行ってみて激しく脱力というか、怒り心頭になったのが、写しの交付の方法です。

 私は、紙媒体の特定歴史公文書等だったので、紙にコピーをしてもらうつもりでいました。公文書管理委員会に提出されていた利用規則案では、紙のコピーは1枚40円。業者が写しを作成するので、かなり高額ですが、その頭で利用請求対象文書のコピーを考えていました。

2010年度 12月14日開催 公文書管理委員会(第5回)
 資料18 独立行政法人国立公文書館利用等規則案

 ところが、実際に国立公文書館で手続をしてわかったのは、紙媒体の特定歴史公文書等を紙媒体でコピーをとる方法が、実際の運用段階で除外されていたということでした。紙媒体の文書は、スキャニングをしてデータ化するか、マイクロフィルムかするか、いずれかの方法でしか写しが交付されないことになっていました。そのため、紙文書の場合、スキャニングされた文書をデータで写しの交付を受けようと思うと、1コマ70円+CD-R(1枚300円)かDVD-R(1枚500円)を支払うか、スキャニングしたデータをプリントアウトしてもらう方法で1枚110円支払うかのいずれかしか選択肢がない。マイクロフィルムだと、フィルムで写しの交付を受けると1コマ60円、紙にそれを出力してもらうと1枚120円の手数料が必要。

 要は、紙媒体の文書が大多数でありながら、紙文書の写しの交付を受けようと思うと、1枚につき70円とか異様に高額な手数料を支払わされるという規則になっていました。

独立行政法人国立公文書館 写しの交付に係る手数料表
 http://www.archives.go.jp/guide/pdf/kouhu.pdf

 誰も何もこれまで言わなかったのか??と思いますよ。多分、研究利用とかが多いので、費用がかかっても自分のお財布が傷まないような利用の仕方をしている人が多いのかも。閲覧室でいろいろ質問をしている私に対し、その横で当たり前のように写しの交付申請をしている人がいるのを見て、そう思ってしまいましたよ。

 ふと疑問に思って、外交史料館や宮内公文書館の写しの交付手数料を調べたところ、いずれも紙媒体の文書を紙媒体にコピーができる手数料設定がされていました。外交史料館が1枚40円、宮内公文書館は1枚10円。業者を利用しているかどうかで金額設定が異なってるのですが、多数を占める紙文書については紙媒体でのコピーを認めている。国立公文書館は、何でこういうことになったのか??そもそも、情報公開を進めようとか、特定歴史公文書の利用を進めようとか、そういう発想があるとはとても思えない。

 これまで特定歴史公文書等の利用請求をしてきた人たちは、何も言わなかったのでしょうか。何も言う人がいなかったとすると、それも信じられない。人が良すぎるとかそういうレベルの問題ではなく、浮世離れしすぎている。

 というわけで、こういうことは受け入れがたい性格なもので、こんなところで吠えていても仕方がないからひそかに宣戦布告。当の国立公文書館からすると私ごときに吠えられても屁でもないでしょうけど、何もしないでこれでよしとはとてもいえないので、調べる、意見を言う、争うの三点セットくらいはやろうと思って、早速一部手をつけました。ああ、疲れる・・・
 
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by clearinghouse | 2011-09-02 19:36