公文書管理委員会で、東日本大震災、福島原発事故関係の会議の議事録未作成問題について審議されることになりました。せっかく公文書管理委員会があるのだから、この活用を考えた方が良いとこの間、地道に要望書などを出していたので、その線で一定のチェックが行われることになったのは、率直に歓迎しています。ただ、議事録未作成といいつつも、気がつくと公文書管理委員会に提出されている資料では、関係の10会議のうち、多くで議事概要が作成されていたり、議事録があったりと、当初の報道ででてきていた状況と異なります。なぜ、こういうことになったのか。少なくとも、報道されていることは取材が行われてのことだと思うので、この差が生まれた原因も、本来は検証されなければならないことだろうと思います。

 公文書管理委員会(2月3日開催)資料
 http://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/iinkaisai/2011/20120203haifu.html

 また、委員会での配布資料で、議事内容の記録の作成・保存状況が一覧になっていますが、気になるのは、議事録や議事概要が未作成のものには、被災者支援や原発事故がらみが多いということです。
○議事概要未作成
 原子力災害対策本部、福島・東京電力統合対策室(△)、緊急災害対策本部、被災者生活支援チーム、復興対策本部

○議事録未作成
 原子力災害対策本部、政府・東京電力統合対策室・原発事故経済被害対応チーム、緊急災害対策本部、被災者生活支援チーム・復興構想会議・官邸緊急参集チーム・各府省連絡会議・経済情勢に関する検討会合・電力需給に関する検討会合・電力改革及び東京電力に関する閣僚会合

 うがった見方をすると、今後、責任を問われそうなものに限って、あるいは長期的に見て今が決定的に重要になりそうなものに限って、議事概要や議事録がないようにみえます。この辺りが、ある意味「体質」というか、「組織文化」というか、「風土」というやつなのでしょうか。

 そして、議事録作成問題でわけのわからない状況になっている原因が、所管がわけわからない、ということにもあるのではないかと思うのです。

 例えば、政府・東電統合対策本部(対策室)の場合、私がこの間情報公開請求したり何やらでわかったことは、次のようなことです。

①関係の辞令等はでていないので、統合対策本部(統合対策室)の仕事を責任を持って行う職員が誰なのか、誰にどういう命令(辞令)があるのかわからない。

②毎日新聞の記事によると、公文書管理法との関係については以下のような政府の認識。
同法を所管する内閣府の担当者は「災害対策本部、統合対策室とも事務局が保安院に置かれていることから、同法の適用対象となる行政機関であると認識している」とした。

 東日本大震災:議事録未作成 政治透明化どこへ 問われる民主の姿勢
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120204ddm012040196000c.html

③統合対策本部(統合対策室)に関する情報公開請求を行うと、所管は内閣府で「内閣府政策統括官(防災担当)」を決裁権者として決定がでる。

④情報公開請求に対する決定への問い合わせをするために、文書を実際に所管している「内閣府原子力被災者支援担当室」あての電話番号の代表番号は経済産業省で、内線で経産省内のどこかにつながる。しかし、ちょっと前までは、内閣府の代表番号が示されていた。でも、書いてある内線番号を指定しても通じず、ちょっとしたどころではない混乱で、やたらとたらいまわしにされ、最終的に「どこまでたらいまわしにされると正しいところにつながるんでしょう?お宅で4か所目ですよ」と電話先の人にこぼしたことがある。

 情報公開請求は基本的には文書を保有している実施機関に行い、その実施機関が決定権者になるので、内閣府が文書の保有者であり、だから決定権者ということになります。しかし、実際には経産省というより原子力安全保安院が文書を持っていて対応をしている。でも、兼任等の辞令は一切出ていないようなので、何の根拠で統合対策本部(統合対策室)の庶務等を保安院が行っているののでしょかね。

 誰がどういう権限や責任で何を行っているのか、統合対策本部の関係は情報公開請求をしているとよくわからなくなるのであります。なし崩しってことでしょうか。上品にいえば、事実上ってやつでしょか。そうすると、文書管理規則は、経産省のものが適用されるのか、それとも内閣府のものが適用されるのか。形式的には内閣府でないとおかしいですよね。でも、もっているのは保安院。

 統合対策本部(統合対策室)だけなのでしょうか。このわけのわからない状況は。こういう事態は、文書管理を考えると結構危ない橋を渡っているようにみえます。誰にどういう責任と権限
るのかという形式的な体裁と、実質があっているのかどうか、などなど点検できないものなんでしょうかね~
 
by clearinghouse | 2012-02-06 23:37

 防衛省問題と、災害関係の議事録未作成問題で、twitterにイラッと連投をしてしまったので、こっちにもまとめておきます。


防衛省内でメール流出の経緯を調査。情報流出は問題だが、こういうメールの流出で犯人探しが始まると、突き止めた後どうするか?秘密保全法制ができると、こういうメールも特別秘密指定されるのかも。‐時事通信「防衛省がメール流出調査=講話問題」 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012020100751 

【続き】ちなみに行政機関個人情報保護法違反は、罰則適応のある場合は公益通報者保護法での保護対象になる。今回の件は、沖縄防衛局長からの指示があったようで(NHK 防衛局長 名簿作成みずから指示 http://goo.gl/cIQ7h)、職務時間中に指示や講和が行われている。

【続き】ので、組織として親族情報という個人情報の収集を行ったとみることができる。しかし、行政機関個人情報保護法の罰則規定に照らすと、保有制限違反で罰則の対象となるかどうかは、「職権濫用」と「個人の秘密に属する事項」を収集したかどうかが問題になる。

【続き】今回の「親族関係」「有権者かどうか」が個人の秘密に属する事項になるかどうかはかなり厳しいかも。そうすると、今回の内部告発者は公益通報者保護法の保護対象とはならない可能性もある。

【続き】昨年まで公益通報者保護法の見直しの検討にかかわっていたが、特に改正が必要と思われる状況はないという研究者と事務方の意見が通り、法改正の必要なしとの結論になってしまった。何を守る法律か、やはりいろいろかんがえてしまう。以上、三木の私見です。


原子力災害対策本部等の議事録未作成問題で、自民党議員が過去の災害時の議事録作成状況について質問をするという何やらかぐわしい状況。未作成という答弁。質問者が元官僚というのも…‐時事通信「自社さ政権でも議事録なし=95年の阪神大震災以降」 http://goo.gl/pxrGu

【続き】この問題、過去も未作成ならば、ではどうするという建設的な議論が大切。これまでの国会審議だと、未作成を批判する、追求する、陳謝する、これからやります、気を付けますという追求の押収で終わってしまうこと多数。

【続き】今回は、野党も共産党以外は過去の未作成問題は当事者。こういうところで、今回は公文書管理法があるから、という違いが議論の俎上に上がってまた追及が始まるのはナンセンス。公文書管理法があるかどうかは、違法さを示す物差しにはなるけど。

【続き】問題なのは公文書作成義務の有無だけでなく、そもそも大災害という場面で、どのような経緯でどのような意思決定がされ、判断が行われたのかという記録の作成がなかった状態で、災害大国といわれる日本の政治や行政が動いてきたということ。

【続き】もはやお家芸というべきなのか。その結果、検証や組織体制、組織作りが建設的に行われてこなかったのではないか。今回の大震災と原発事故でもいろんな問題が露呈した一因は、その辺にもあると思う。しわ寄せを受けるのは、名もない市民。

【続き】客観的、合理的な記録なしに、ちゃんとやっていますなんてことは、通用するはずもない。そう直接言う人はいないが、会見で説明してきたことで足りると思っていた、なんて説明が見られるのは、自分がわかっているから大丈夫と言っているに等しい。

【続き】だから、議事録の未作成問題については、組織としての仕事の仕方、政府の説明責任とは何かという観点から、組織の在り方そのものについて、国会でも議論をしてほしい。

【続き】今は、公文書管理法があるのだからそのことも踏まえてほしいが、そもそもコンプライアンスという観点からは、法令を遵守するだけでなく、国民主権のもとでの政府の説明責任は、今の憲法ができてから少なくともずっとあったはず。

【続き】自らの寄って立つところから、何をすべきかということを政治も考えてほしいと思うこのごろ。以上、三木の私見でした。
 
by clearinghouse | 2012-02-01 23:08

 東日本大震災や福島原発事故関係の政府対応の意思決定過程が記録されていないという問題は、過去の災害対応の意思決定過程の記録不存在という問題に飛び火し、もはや政権がどこかを問わず、政府のお家芸のようです。

 「東日本大震災:議事録未作成 「阪神・中越沖も作っていない」 防災相「慣習」と釈明」 (毎日新聞 2012.2.13)
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120131dde007040027000c.html

 もはや、与党、野党問わず、政権にいたことのある政党や政治家は、この問題に突っ込めないということにならないように、どういう組織文化を作っていくのかという建設的な議論を国会でもしてもらいたいと思います。

 そして、沖縄防衛局が職員とその親族に有権者がいるかどうか調査をしていた問題。メールは人事係から出されていて、職務でそれを行っているという風。そもそも選挙対策なんて防衛省の法令で定められている所掌事務ではあるはずがない。なので、これはそもそも局として有権者リストを作成するための個人情報の保有を始めた時点で、明らかに行政機関個人情報保護法に違反している、れっきとした違法行為。内部告発でこういう情報が明らかになったことはある意味救いですが、これも今回はたまたま明らかになったことのような気もしなくもありません。

 こちらも、局長の更迭で話を終わらせるのではなく、簡単に個人情報の保有制限違反に走った組織の在り方について、建設な議論をしてほしいと思います。

 こんな問題が起こっている一方で、こちらは情報公開請求をしたり、不服申し立てをしたり、ちまちま活動をしています。それなりの件数の情報公開請求をしていると、なんだこれはというものがいくつも出てきます。中でも変だったのは、不存在という決定なのに「開示することとしましたので通知します」という決定通知書が送られてきたことです。

 細かい話ですが、処分は「開示」なのに、それを説明した内容では「不存在」と書いてあるので、開示なのに不開示よ、という変な通知が来ました。実は、こういう通知は初めてではなく、昨年11月にも受け取っていました。11月の時は、不服申し立てをしてもどうしようもないし、あるかないかだけ確認できればよかったので通知もそのまま放置。

 今回は、不服申し立てをすべき内容だったので、審査請求書に本筋の争う内容とは別に、「開示決定なのに不存在と理由が書いてあるのは不適法」と書いて提出。そもそも、変な決定は、処分として不適法だから、これだけで十分処分の取消事由になるのではないかと思います。審査請求書を受け取った当の行政機関から、間もなく私宛に電話があり、不適法はその通りなので、通知書を差し替えますということになりました。わかっていた展開とはいえ、手続問題は、詳しい人は多少変なのが来ても何とかなりますが、そうではないと混乱させるだけ。気を付けてほしいです。

 ちなみに、今回審査請求をしたのは内閣官房の内閣情報官の決定、11月に変な通知を送ってきたのは、内閣府政策統括官の決定。情報公開法改正法案が成立すると、所管が総務省から内閣府に移るけど大丈夫か?
 
by clearinghouse | 2012-02-01 08:17