3月24日開催の表記調査の報告会に向けて、調査内容の取りまとめを行っていますが、かなり大変です。単に聞き取った内容だけでなく、それぞれの国の仕組みと併せて整理をしないと何のことかという位置づけがわからなくなるというところもあり、四苦八苦しながらなんとか前進中。

 今回訪問した先は盛りだくさんなので、どう考えても情報過多です(笑)

 ちなみに訪問した先はこんな感じのところ。

<アメリカ編>
 ・国家安全保障研究センター(Center for Natioonal Security Studies)-NPOです
 ・Open society Foundation-ご存知ツワネ原則策定のイニシアティブをとったところです
 ・国家安全保障アーカイブ(National Security Archive)-NPOです
 ・W・ブッシュ政権下で国立公文書館の情報保全監察局(ISOO)の元局長
 ・司法省で40年間、情報自由法の担当だった大学教授
 ・現在のISOOの副局長
 ・上院情報特別委員会の委員のインテリジェンス担当スタッフ
 ・上院情報特別委員会のスタッフディレクター
 ・特別顧問室(連邦政府の内部告発者保護者の救済などをしているところ)の副顧問
 ・アメリカ自由人権協会(ACLU)のスタッフ弁護士

<イギリス編>
 ・国立公文書館の情報公開センター
 ・Article19
 ・Campaign for Freedom of Information
 ・Public Concern at Work
・Whistleblowing International Network
 ・Witness Confidence

 イギリスとアメリカの状況は全く違う、ということは制度を見るとわかっていたけどイギリスは機密指定制度というものに対する関心がとても薄い、というのが印象的。むしろ、「公益」というキーワードで物事が語られているが印象に残っています。

 これらについて以下の報告会を行うので、それまでに何とかまとめないと…。ご都合のつく方は是非お越しください。

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 シンポジウム「国家秘密と情報公開」第5弾
 アメリカ・イギリスの秘密保護制度と情報公開
              ―アメリカ・イギリス調査報告―
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○日 時 2014年3月24日(月)午後6時30分~
○場 所 日比谷図書文化館コンベンションホール
      http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
○報 告 三木由希子(NPO情報公開クリアリングハウス理事長)
     山田 健太(専修大学文学部教授、自由人権協会理事)
○資料代 1000円
○主催 自由人権協会×日本ペンクラブ×情報公開クリアリングハウス

※事前申込優先
 お申し込みはこちら⇒https://ssl.kokucheese.com/event/entry/154295/

※ちらしをダウンロード http://bit.ly/1kAqgwZ

 秘密の指定や解除の基準、監視・監察機能など、多くの問題を先送りにして成立した「特定秘密保護法」。1年以内の施行が予定されています。
 基準作り等のために有識者による情報保全諮問会議が設置されるなど、政府内で準備が進められています。特定秘密法以前から、政府はさまざまな形で「秘密」を持ってきました。
 しかし、秘密を持つ政府自身をどのように民主的にコントロールするのかという議論を欠いたまま、今に至っています。
 世界各国でも機密指定制度の導入が、さまざまな形態で行われています。アメリカ、イギリスともに異なる仕組みの中で機密指定が行われていますが、過剰な秘密指定、秘密で行われている政府活動への監視機能の問題から、さまざまな問題を抱えつつ、仕組みや制度を変えたり作ったりしてきています。
 日本での議論を進めるため、アメリカ、イギリスでの聴き取り調査の結果を報告します。

【お問い合せ】
 特定非営利活動法人 情報公開クリアリングハウス
 〒160-0008 新宿区三栄町16-4 芝本マンション403
 TEL:03-5269-1846/FAX:03-5269-0944
 e-mail:icj@clearing-house.org http://clearing-house.org
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by clearinghouse | 2014-03-21 23:57

 特定秘密保護法が国会で成立する直前の2013年12月5日の4党合意で、国会にも監視機関を作る、という以下の合意をしていた与党と2つの野党。
5. 政府から特定秘密の提供を受ける場合における国会での特定秘密の保護に関する方策についての附則10条の規定に基づく検討に当たっては、特定秘密を取り扱う関係行政機関のあり方及び特定秘密の運用の状況等について審議し及びこれを監視する委員会その他の組織を国会に置くこと、国会において特定秘密の提供を受ける際の手続その他国会における特定秘密の保護措置全般について早急に検討を加え、本法施行までに結論を得るものとする。

 このために、衆議院国家安全保障問題特別委員会所属の与野党議員が、アメリカ、イギリス、ドイツに視察に行ったのは、この1月のことです。

 その後、自民党と公明党でそれぞれ国会の監視機関のあり方について党内での検討がされ、両党の間の考え方の差が結構大きいことが、この間報道されています。例えば、以下のような時事通信の記事。

 「国会監視機関、自公に隔たり=指定適否への関与焦点-特定秘密」(2014/3/10 時事通信)
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201403/2014031000812

 議論を見るにつけ、特定秘密保護法という流れで出てきた国会監視機関であるから仕方がない部分もあるものの、国会の役割放棄としか言いようがない議論の流れで、つくづく情けないと思ってしまいます。アメリカ、イギリス、ドイツで国会議員の皆さまは何を見てきたのでしょうか。

 特定秘密の指定・解除のみを国会が監視をするという発想自体が、本当はおかしいということから議論を始めてほしいと思います。国会に特定秘密を提供する条件整備についても議論の対象になっていますが、特定秘密を見るというときは国会が行政府のとりわけ安全保障部門の秘匿性の高い政府の活動についての監視活動を行うため、という意味合いでなければ、秘密を覗き見たいだけの話になってしまいます。要は、政府が秘匿している情報を国会が提供させるということは、国会そのものが行政府に対する監視機能としての責任をまっとうするという大前提がないと本当に変な話。

 特定秘密保護法の国会審議中に、国会に特定秘密を提出する条件についても、国会議員の活動を制約するとか、国会軽視などと問題視する意見もありました。一面ありますが、むしろ、秘匿性や非公開の範囲の広い政府活動分野を、どうやって監視するのか、公開できる情報をもとにしか監視活動をしないのか、というそもそもの立法府としての役割は、議論の前提として飛んでしまっている。特定秘密保護法を批判するための議論であればそれでいいと思うんですけどね。でも、そもそも秘匿性や秘密性の高い政府活動は、暴露やリークによってしか追求できないという国会だとすると、それは本来の機能を果たして言えるのか、という疑問には誰も答えてくれません。

 そして、情報公開制度に関わっているとよく理解されていると思うのですが、そもそも情報公開制度で非公開・公開について判断するときも、請求対象になっている文書そのものだけというよりも、その文書が発生している事務事業の性質などから、その文書が非公開とするべきものかどうかを行政は判断していと思われます。非公開決定等を審査する情報公開審査会の委員をしていたことがありますが、その時も非公開文書を実際にインカメラ審理で観るだけでなく、どういう事務事業の中でどういう形で文書が作られ、どういう意味があるのかを確認するということは、最低限していました。自分が非公開を争うときも、主張はそういう視点から述べることが多い。情報は、単体で存在をしているわけではなく、仕事の中で発生しているということを忘れてはいけないと思うわけです。にもかかわらず、特定秘密を見れば特定秘密として妥当かどうかなどが適切に判断できるというのも、ちょっと変な話なんです。

 こういう話が整理されずにずるずる来ているのが、ずっと尾を引いている。くだんの時事通信の記事には、
 自民党は今月、(1)監視機関は特定秘密の内容は確認するが、政府による秘密指定が適切かどうかは判断しない(2)常任・特別委員会の要請があったときに限って開催する-との素案をまとめた。一方、公明党は、秘密の指定や解除が妥当かどうかを恒常的に判断する機関とする案を決め、自公間には大きな開きがある。
(略)
 自民党内には、もともと国会に特定秘密を提供すること自体に慎重論がある。情報漏れへの警戒が強いためで、特定秘密に触れる議員をできるだけ減らす仕組みにしたい考えだ。

とあります。自民党は、秘密指定の仕組みが適切に運用されているか否かを監視することは事実上放棄、情報漏えいへの警戒があって国会に特定秘密の提供そのものをさせたくないので、秘密を作るが秘密の中で行われている政府活動の監視は放棄する、ということを考えているよう。一方の公明党は、特定秘密を見られれば秘密指定の妥当性を判断できるという前提で考えていて、その秘密を知ることと秘密で行われている政府活動の監視というところは考慮されていないよう。

 とにかく、「特定秘密」という秘密を作り、情報漏えいや一定の条件での取得、その未遂や共謀、教唆、扇動に厳罰を科すという法律を作った以上は、秘密の中で行われている政府活動の監視は自分たちできっちりやります、責任を相応に負います、と国会は本来は言うべきなのではないか、と思うわけです。

 アメリカに視察に行ったのであれば、こういう話を聞いてきたのではないか、といいたいところです。行政監視活動が基本で、その中で機密指定制度のアセスメントもしているというのが、私が聞いてきたアメリカの上院情報問題委員会でしたし…。

 そういうわけで、特定秘密保護法をめぐる国会の監視機関の議論は、正直、国会の本来の役割放棄、そして政府の秘密を認めてその中で行われる政府の活動は監視をしないという、日本ならではのおめでたいとしか言いようがない話になっている、ということを、私たちはもっと重く見ないといけない、という話でした。
 
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by clearinghouse | 2014-03-14 23:02

 閣議・閣僚懇談会の議事録作成がかなり中途半端な話でこの課題が収束しそうです。この議論の経緯を簡単に振り返ると次のようなものになります。

 東日本大震災関係の会議議事録未作成問題が明らかになる
  ↓
 公文書管理委員会でこの問題の検証、対策が検討される
  ↓
 その中で、政府の意思決定過程の記録作成そのものの議論になる
  ↓
 閣議議事録等作成・公開制度検討チームが設置されて具体的に検討される
  ↓ 
 以下のものが取りまとめられる 
  「閣議議事録等の作成・公開制度の方向性について」(2012/10/24)
  「閣僚会議等の議事録等の作成・公開について」(2012/11/29)
  ↓
 2012年12月の政権交代で話が表面的にはとん挫する
  ↓
 特定秘密保護法問題から話が及び、閣議等の議事録作成という話が表面的に復活

 「閣議議事録等の作成・公開制度の方向性について」では、議事録の作成を公文書管理法で義務付け、30年間は秘密として情報公開法による開示請求対象外とし、30年後に国立公文書館に移管をして原則公開とするというもの。「閣僚会議等の議事録等の作成・公開について」は、閣僚が関与する会議体が当時で174存在し、それらを分類整理して議事録・議事概要の作成については法的措置は講じないが、運用として原則としていずれかを行うこと(ただし、議事概要は例外的な場合)、10年後に国立公文書館に移管して公開を原則とすることとされていました。NSCの議事録作成も後者の問題として議論されていました。

 そもそも、こういう検討内容が取りまとめられていたのに、政権交代により放置していたのは、今の政権。やろうと思えばもっと早くできたのに、特定秘密保護法という悪役登場で印象をマイルドにするためにか再び登場したのは、与党側の思惑というところなのでしょう。そして、当初の3月5日報道では、4月1日から閣議・閣僚懇談会の議事録を作成して、3週間程度で公開をするということで、かなりかつての話よりこの部分は踏み込んだな、と思っていたところです。個人的には、30年も秘密にするようなものか??と思っていましたから。しかし、3月8日には要旨だけの公開で、議事録作成のための録音も行わないという話に変遷。

 勝手に推測をすると、集団的自衛権の行使を閣議決定によって認める、というような話が出ていて、こうしたものの正当性を示すためにも、閣議が形だけでも公開性があるかのようなイメージ作りをすることが必要だったということなのではないか、と思うわけです。よくある議論として、反対する立場は意思決定の秘密性・秘匿性を問題にしますので、「憲政史上初めて議事録作って要旨公開したんです!」と言えるようにしておけば、政権与党としては、支持者向けのアピールとしてはかなりいける、という感じなのかなとも。

 そして、閣議・閣僚懇談会の議事録作成については、以前から、閣議そのものは議事録を作って何か実質性があるような場ではない、ということは漏れ伝わっているところです。閣僚懇談会も、自由闊達な議論というよりは、あらかじめ発言内容が決められているものも多いです。実態は非公開、記録なしで行われているので経験者しかわからないというものなので、こうだとは断定できませんが。

 ただ、こういう極めて形式的な場として閣議や閣僚懇談会が行われているとすると、議事録作成のための録音はしない、職員のメモをもとに記録をおこすということだとすると、その程度の内容しかないということともいえるわけです。

 閣議や閣僚懇談会の内容が録音されて、べた起こしの速記録になると、あまりに内容がなくて恥ずかしい、ということもあり得そうです。

 というより、30年前に自治体が審議会等の議事録を一生懸命非公開としていた動機に、会議の内容がなさ過ぎて議事録はあるけど公開するのが恥ずかしい、という心の底がのちに議事録が公開されるようになって露呈をした、ということとあまり変わりがないのかもしれない、とも思うわけです。

 そうすると、閣議・閣僚懇談会の議事録作成・公開問題の背景として言えそうなことは、

①実質的な内容が薄いから録音をして速記録化すると余りに恥ずかしい実態だから録音しないし、速記録の議事録は作らない(言い換えると、これまで秘密にしてきたから恥ずかし状態が白日の下にさらされずに済んでいる)

②閣議の場で大きなことをこれから決めたい今の政権としては、「憲政史上初めて」という閣議等の議事要旨の公開というタイミングで集団的自衛権の行使を認めると、なんだか新しい時代になったようなイメージを支持者にアピールできる

③特定秘密保護法の毒抜き効果として、情報公開への前向き感をこれもまた支持者に向けてアピールできる

ということなのかなと思います。

 個人的には、閣議・閣僚懇談会の議事録作成と公開は象徴的には非常に重要だと思いますが、本命は「閣僚会議等の議事録等の作成・公開について」であって、こちらの方がかなり重要だと政策形成過程、意思決定過程を考えると考えていました。NSCの議事録もそうですが、やたらと閣僚会議等に該当する会議が多いということ、ここの議事録作成はきっちりすべきであると思います。それは、NSCであっても例外ではない。4閣僚が集まって大事なことを決めるのであれば、そうであればこそ為政者としての責任は重大で、それは時間をかけてもアカウンタビリティを果たし、しかるべき本質的な責任を社会的にとるべきであると思います。言い換えると、これができないという言い訳しかできない統治機構であるならば、本質的な責任を負う用意がないと言わざるを得ないところです。

 また、閣議や閣僚会議等に上がってくるプロセスと出口の記録が一体化されて議事録とともに管理をされるということが非常に重要だと考えています。過去のこの件の検討過程でも、議事録の作成と公開には言及がされていますが、その前提の意思決定過程そのものと議事録等の一体的管理については実が言及がされていない。議事録だけでは検証可能とは言えないのは明らかです。むしろ、議事録の作成とともに、関連する意思決定過程の文書類の一体的な管理を義務付けることが重要で、こうしたことを公文書管理法の中で明確に義務付けられると、非常に意義深いと考えていた次第です。

 こんな話もぶっ飛ぶ今回の展開に、失望感は深いのであります。あまりこの手の話の共感者も賛同者も少ないのですが、失望よりも状況を変えるための前向きの取り組みを、というモットーで地道に頑張ります。
 
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by clearinghouse | 2014-03-12 21:19