ここのところ、いろいろ情報公開請求して部分公開された情報がどさっと届いて、紙の山ができている。書類としては整理をしているけど、収納するところがなかったりで、そろそろ今、事務所に詰まっている大昔の紙類で、外に預けるものを選別して出さないとと思うこの頃。

 そんな公開された行政文書は、大量すぎて内容を分析するところまでとてもいっていない。重複文書が多くて全体を整理しなければならないけど、複数の塊にわかれて重複文書がある上に、それぞれの塊ごとにページでわかれて不開示理由がついていたりするので、とても塊を崩すこともできず、順番を入れ替えることもできず、読むに堪える程度にするためにどう整理するか結構困っている。

 ただ、全体を何となく眺めていて、形式的に見てわかることは、外務省から公開されている文書で、またもや「極秘」や「秘」のついた文書が秘密指定解除されて出てきたということ。解除がされているのはよしなのだけど、外務省は、報償費によるワインの購入や飲食費、日本画の購入などを「極秘」に指定していたりと、なかなか味わい深い秘密指定文書がこれまでも散見されていて、今回も??なものがやはりある。

 例えば、アメリカ政府の文書で「Unclassified」とわざわざマークされているものが「秘」に指定されていたり、総理のぶら下がり用の想定問答が「極秘」に指定されていたり。はたまた公電で法的根拠をまとめたものが「秘」に指定されていたりと、もはや私ごときにはどうしてこうなっているのかよく理解できないところ。どういう脳内変換が行われるとこうなるのか、あるいはこれが普通で日常業務を知らないので、単に理解できないのか、どっちだか…

 ちなみに、これらは特定秘密ではなく、外務省の内規による秘密指定文書類。この秘密指定の仕組みは、特定秘密とは別に今でも存在していて、先ごろ、政府としてのこれらの秘密指定についての統一基準がまとまったばかり。今回手元にきたのは、だいたい10年ちょっと前の文書類。今は少し変わっているんだかどうかも気になるところ。
 


by clearinghouse | 2015-02-23 23:16

 ISIL(いわゆるイスラム国)による人質事件が最悪の結果をむかえ、政府の対応が適切であったのかどうか、さらに言えば今の政府の外交政策、安全保障政策が、日本の安全を確保し、世界の平和の構築に戦略的に貢献しているのかが、客観的かつ公平に検証される必要性があると思うのは、当然のことだろう。政府が、これから安全保障政策を転換させる法制を整備する方針ならば、なおさらだ。

 ところが、検証という点では何だか変な状況になっていると思う。

 特定秘密保護法が施行されて間もなくということもあり、国会での審議で4日、総理が人質事件に関連する情報が特定秘密の指定対象になる可能性があると言及している。

 国会検証進まず=情報開示に限界-人質事件(時事通信 2015/02/04)
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020400848

 このこと自体は、それもあるだろうと思っている。外国機関からどの程度の情報があったのかわからないが、そもそも「特定秘密に該当するものがない」ということになると、その程度の情報しか収集できていないというある種の無能力を証明するようなもの。だから、仮に特定秘密の指定対象になるようなものがなくても、特定秘密として指定しておくだろうし、仮に特定秘密となることがないと答弁すると、無能力の証明になるので、とりあえず「特定秘密の対象になる可能性がある」と答弁する以外の選択肢はないだろう。

 ただ、特定秘密かは別にして、情報はそれを活用する能力と一体になって初めて意味のあるものになる。特定秘密のような秘密指定された情報は、単純に秘密として保護をすればよいというものではなく、本質的には、秘密指定情報がより良い政策決定のために活用されなければ、単に政府の無能力を隠すための手段にしかならないからだ。つまり、より良い政策決定をして、さらにはその政策決定をより良いものにするために検証・公開という政策サイクルを実行をすることが、本当は最低限確保されていなければならない秘密指定制度の条件のはず。しかし、今回の一件は、そもそも情報があってもそれを活用する能力が政府にあるのかそのものが問われているように思う。それは、大局的に物事の文脈を見る力や、それをもとにして大局的に判断する力ということなのだろう。だから、どの程度の検証能力が政府にあるのか、そして何のために検証をするのかという意思と意図が問題になってくる。

 2月10日に検証委員会の初会合があったとの報道があり、結果の公表などは公開できるものだけする方針であるとのことだ。基本は政府内部で検証し、外部有識者も一部関与するようだ。

 人質事件検証に秘密法の壁=野党、政府主導を疑問視(時事通信 2015/02/10)
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015021000903&g=soc

 ただ、アルジェリアでの事件の際の検証委員会検証報告書のようなものしか公開されないと、時系列でかつ報道ベースでもわかることをまとめて、問題なかったという根拠の示されない結論で終わってしまう。

在アルジェリア法人に対するテロ事件の対応に関する検証委員会検証報告書
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/alg_terotaiou/kensahoukokusho20130228.pdf

 しかも、時事通信の記事によると検証作業は「内閣官房や外務省、警察などの関係省庁が主導し、作業に関与する外部有識者への情報開示は特定秘密保護法の制約で限界がある」とのことだ。これはあかん。というより、特定秘密保護法が、必要な人に秘密を開示してより良い政策決定を行うためのものではなく、必要であっても開示せずにとにかく抱え込んで奥の院に封じ込めて漏れないようにすればよいという制度的作りになっていることを象徴するようなことだ。

 外部有識者であっても、より良い政策判断をしていくためには十分な検証が必要だとするならば、特定秘密であっても示したうえで検証を行うべきだろう。特定秘密だから提示できないというのは、そもそも法律がこうしたより良い政策判断ためや、より公益に資する場合の情報の利用を想定していない証左でもある。そういう特定秘密保護法があるのが、一番の問題だ。

 ただ、一方で安全保障分野の情報公開をどう合理的、公益的に進めるかについては、議論が足りていないのも事実。特に、安全保障や治安維持分野は、情報公開法上も実態的にも、無謬的な公益性や公共性を前提にしているところがある。公益性や公共性に対するアカウンタビリティを果たしてきているとは言い難い。

 安全保障や治安維持分野の情報公開はどこの国でも難しい。だから、ツワネ原則が本当は作られた。この原則は、日本では特定秘密保護法反対のキャンペーンツールとして単に消費されてしまったきらいがあるが、実際には、ツワネ原則に照らせば、情報公開法そのものをまずは見直す必要がある。しかし、情報公開法がツワネ原則に反しているところがあると言っても、多くの人がピンと来ないようだ。反対のために持ち出す意味では分かりやすいけど、実際に政策レベルにあの原則を落とし込むとどうなるかという想像力が欠如しているからだともいえる。

 大きなことはできないから、できることを一歩一歩、取り組んで行くしかない。今いろいろ手を付けているので、これから具体化していきたい。
 

by clearinghouse | 2015-02-16 21:55

 調査のため、80近い自治体(市町村)に情報公開請求(ないし、情報公開の申し出)をしたところ、いろいろ良くも悪くも発見があった。

 一つは、請求権者の定め方。都市部を中心にいつもは条例を見ているので気づいていなかったが、請求権者を「住民」としている場合も範囲がいろいろだということ。請求権者がいわゆる住民と限定されている場合は、①住民、②在学在勤者、③事務所・事業所のある法人・団体、④利害関係者というのが通常。しかし、町村部を中心に、場合によっては市部でも利害関係者を含んでいないところがある。ふるさと納税などがあるのに、これはどうなんだろうと思うところ。

 二つ目は、請求権者ではない者に対する「任意の申し出制度」もバリエーションがあることに気づく。任意の申し出とは、権利としての請求は認めないが、公開に申出を受け付け、自治体には公開する努力義務を定めているもの。通常は、請求権者外に広く認めるのが一般的だが、いくつかの町村部では「研究目的による任意の申し出」に限定をしているところがあった。

 三つ目は、東京に隣接している自治体も含めて、結構な数の自治体で請求や申出に当たって、請求者の印が必要だったり、請求者の生年月日の記入が必要だったりするところがあること。これは結構驚いた。請求者の生年月日って…。印鑑も…。規則等で決めていたりするので、生年月日は記入したけど、印鑑については諸事情によりとりあえず押さずに出して、連絡があったら再送で対応中。こういうのは、今どきの手続では珍しいかなとも思う。

 四つ目は、規則のこと。情報公開条例の施行に必要な事柄を通常は「情報公開条例施行規則」とか、こんな名前でつくるものだが、「首長が保有する行政文書の公開に関する規則」というような名前で規則を作っているところが福島県内に多かったこと。例規集で調べる時、情報公開条例と規則が通常は並んでいるので、それで確認をするが、規則の名前が別物だと規則があるのかどうか気づきにくい。福島県内を中心に規則がないところがあり、おかしいなと思って調べたら、条例の施行規則が別物の名前になっていることを発見。たまたま、事務取扱要領が掲載されていた自治体の例規集からたどってやっと気づいたので、一つの自治体しか見ていないと気づかないかも。別物の名前は、どの自治体も同じような名称でつくられているので、どこかの自治体で作ったものがそのまま普及したものと思われる。こういうのも、ちょっと面倒くさい。

 そして、余談だけどこれだけ請求をしているとたくさん電話がかかってきて、どういうわけかどこから電話が入っていると、別のところから着信が何件も入り、通信履歴がえらいことになっている。請求書類が届いたことの確認を電話でしているところが多いようで、それと共に、請求の処理手続の説明のためというところもある。しかし、電話が終わるとなぜしばらくかかってこないという…。就業間際と昼食後の時間にその傾向が。誰か見ているのかと思うくらい。

 ここのところ、情報公開請求は国が中心で、他に請求しても都道府県くらいだったので、ときどきは必要があれば市町村部の制度もチェックをしないとならないと思ったところ。今回は、とても良いプラクティスになったなと思う。
 

by clearinghouse | 2015-02-09 21:41