日々、いろいろ

 米軍ヘリ墜落事故の情報公開訴訟は、12月11日付で福岡高裁に控訴されたとのこと。控訴状とともに原告からご報告をいただきました。

 12月11日は、Nautilus Institute(サンフランシスコにあるNPO)の関係者が来所。昨年から一緒に進めようと言われていたプロジェクトの件で再度打合せ。昨年の時点では、日本、アメリカ、オーストラリアで同一テーマで情報公開を求めて行こうということだったが、今回はその話ではなく日本サイドの情報収集を進めたいとのことで、近く情報公開請求等に入ることになるだろう。アメリカでも同様の情報公開請求を進めているようなので、あとできちんと比較すると面白いかなあと思う。特に、外交防衛関係の情報なので、違いが顕著に出てくるかも知れない。

 そういえば、Nautilusという単語を見るたび、全然関係ないのにジュール・ヴェルヌの小説『海底二万里』の潜水艦ノーチラス号とネモ船長を毎回思い出してしまう。特に好きな小説でもなかったのに、何でだろう。

 今日は、ジャパン・プライバシー・センターの関係者が来所。執筆を依頼されて書いた原稿が掲載された『日本プライバシー白書2007』(矢野経済研究所)が出来上がったとのことで、持ってきていただき、ついでにいろいろとお話しする。白書が発行されたことは報道発表で少し前から知っていたので発行元のHPを見たが、あまりにかわいくない金額がついていたもので、小心者の私としては見た瞬間、固まりました。1部、贈呈していただいたが、多分私の原稿料よりあれですね、これは。

 そして最後に、ようやく今日になって、横須賀市の情報公開条例改正の検討の方向について、なかなかつかまらなかった担当者と話しが少しだけできる(改正については、「営利目的の利用を今さだ問題視するのはちょっと違う」をご覧ください。)。何度、電話したかというところに、電話を受けた職員が折り返すとして了解した日に電話がなかった上に、今回つながったらあまりにも不機嫌そうな対応なもので、何ですなあと思いつつ、素案が11月の審査会にかかっているので方向性等について確認したい点を確認する。

 電話でのやり取りでは、担当者は素案で示した方向性についても決まっていないと言い、素案とは意思決定されたものではないのでそういうものだと思うが、一方で、こちらで聞いた内容についても検討しているという。しかし、こちらの話はそもそも素案とはまったく方向性の違うものなのに、これからその方向にも変わる可能性があるというのは、どう評価して良いものやら。結局、大転換をするためには、審査会委員自ら答申を書けということですわね、これは、と思う。とりあえず、次回の日程(12月21日開催予定)を確認し、意見書を出させてもらいます、とだけ言い電話を切ったが、こういう自治体職員の応対は久しぶりですね。この仕事始めたばかりの10年前がフラッシュバックしましたわ。ただ、10年前はこっちの方が当たり前という感じだったので、久しぶりだ、と思えるだけ世の中は変わっているということなのかもしれないですけど。
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# by clearinghouse | 2006-12-12 17:50

 年末だからなのか何というか、例年この時期は外出予定が多くて、日中事務所に腰を落ち着けて仕事ができない日々が続くが、今年はかなりひどいかも。この3週間くらいは、外をうろうろしている時間が長いが、別に事務所でしなければならない仕事がその分減るわけではないので、一向に仕事が進まない。そして、とりえあず眠い・・・

 今日は、日弁連行政訴訟センターの行政不服審査法改正勉強会に呼んでいただいたので、情報公開審査会制度について話しをしてきた。行政不服審査法の見直しの検討が総務省で行われているので、それへの対応の一環として、情報公開審査会関係と、建築審査会・開発審査会関係について講師を呼んでの勉強会だったよう。建築審査会・開発審査会関係は弁護士の方が現状と課題を話され、私は情報公開審査会制度の現状と課題について話す。

 が、何で私が呼ばれたんだろうという気も。不服を申し立てる側の人間として呼んでいただいたんだろうと思うが、行ってみてやはり出席されている弁護士の方の中には各地で情報公開審査会の委員のご経験のある方がいたし、審査会には各地で弁護士が関与しているので、いろいろ現状・問題を知っている人がいるだろうし。

 ただ、呼んでいただいてこちらの考えている課題等々を話す場をいただいたのはよかった。審査会制度については、個人的には①申立人としての立場、②申立人をサポートする立場、③審査会委員としての立場、と3つの方面から関わって見てきているので、いろいろ思うところもある。行政不服審査法についても同様。こんなことをまとまって話す機会なんてめったにないから、話す準備の過程でいろいろ自分の頭も整理されるし、質問をされるとその中で自分なりに新しい制度に対する観点も出てくる。

 それにしても、重要なのにあまりにも地味すぎてほとんど一般には関心がもたれていない行政不服審査法の見直し。こういう基本的な市民の権利救済制度に関心が向かないのは、技術的過ぎてしかたがないというべきか、何というべきか。
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# by clearinghouse | 2006-12-06 20:49

 今日は、総務省統計局の国勢統計課と調査企画課と、次回の国勢調査(2010年実施)に関して1時間半ほど話し合い。国勢調査の見直しを求める会の共同代表2人と一緒に行ってきた
。国勢統計課が国勢調査の企画等、調査企画課は指定統計業務の民間開放や一次統計データの民間利用について所管。今日は、主に次回の国勢調査の実施についての話が中心で、民間開放などについては別に会合を設けることになった。

 前回の国勢調査を受けて、すでに有識者懇談会が国勢調査の実施方法等についての見直しについて検討し、報告書が出されている。

 国勢調査の実施に関する有識者懇談会
 http://www.stat.go.jp/info/kenkyu/kokusei/kondan.htm

 前回の国勢調査は実施に当たって問題噴出だったことを受けて、国勢調査その者の見直しではなく、調査の実施方法などについて有識者懇談会の報告書では従来の手法等の大幅な見直しを求めていた。そして、実施方法等などを具体的に決めていく過程で第三者の意見を聞くため、「平成22年国勢調査の企画に関する検討会」が設けられ、11月に第1回会合が開かれたところだ。

 平成22年国勢調査の企画に関する検討会
 http://www.stat.go.jp/info/kenkyu/kokusei/kentou/kentou.htm

 こういうタイミングで統計局に行った理由は、今後、どのように調査方法等が決められていくのかという手順や現状について把握することと、現在、調査実施方法等で検討項目に挙がっている内容についての確認をするため。いろいろと話をしたが、従来は次回国勢調査に向けての一次調査が終わってからしか情報が出てこなかったのが、検討会を設けたことで情報が出てくることになったのは良い。検討会での検討と平行して、「協議会」も行い、国勢調査に関わる自治体をはじめとした関係団体にもいろいろと意見を聞きながら進める予定とのこと。

 次回国勢調査に向けた一次調査では、産業分類と職業分類については従来の記述方式とマークによる選択方式、調査票の全封入と未封入など、従来型と新しい方式の2通りを行なって結果を検討するとのこと。おそらく最大課題となると思われる、国勢調査の実施に当たって事前に住民基本台帳等から世帯主情報を出力して、それを調査員に調査に当って利用させるかどうかについては、これからの検討課題。ただ、前回の国勢調査で、口頭で調査員が世帯の人数と男女別の人数を訪ねて回ったことがトラブルの原因となったが、その原因となった調査員が作成する「世帯名簿」については、世帯の人数や男女別の人数を記載しない方式に変更するとのこと。しかし、住基情報の利用は、かなり大きな問題なので、どのような枠組みで話しが動くのか、注意が必要だろう。

 それに、国勢調査については指定統計業務の民間開放や、一次データの民間利用という別の枠組みでの動きもあるので、これまで異なり、国勢調査の実施についてだけみていれば良いということでもなく、いくつかの動きを併せてみてく必要がある。こちらの方まで今日は時間切れで話ができなかったので、日を改めてということになった。何だか、いろいろややこしい・・・。
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# by clearinghouse | 2006-12-04 22:32

 電子決裁等のできる文書管理システムを導入する自治体が増えている。このシステムが導入されると、電子決裁・供覧が行われた文書は、紙の添付文書がなければ電子的に保存・管理されることになり、管理上の必要性から文書件名や所管課、作成年月日や保存年限などの基本的なデータが作成されることになる。ここで作成される文書件名等を利用して、インターネット上で公文書検索システムを提供する自治体が徐々に増えている。

 このシステムについては、各自治体のウェブを見ても電子決裁等文書しか検索できないことの説明がないことには大いに不満なのだが、、利便性の向上という点から歓迎している。ただ、電子決裁等文書しか検索できないということは、使う側も十分に理解をして使わないと危ないので、あくまでも補助的な手段と考える必要もある。

 この公文書検索システムで検索できる文書件名に、個人情報が混ざっていたことが三重県内部で発覚したのは、10月5日のことだ。職員が検索していて偶然に見つけたとのことで、検索システムを停止し、翌日には報道発表されているが、この情報に触れて驚いたのが、児童相談所の療育手帳の判定を受けた児童の氏名が、5件の文書件名に記載されていたということだったからだ。

 療育手帳は知的障害児に発行されるもので、これに関わる氏名はきわめてセンシティブなもの。よりによって、というところだが、これを受けて三重県で実施したシステムに入っている公文書件名の点検結果が11月29日に出されて、また驚いた。今回新たに見つかった件名に個人情報が含まれていたのは13件。2002年度前期分の授業料減免措置を受けた県立看護大の学生の姓や、生活保護の受給停止手続き中の個人の姓名、県立高校であしなが育英会の貸与終了に関する書類で個人の姓名が含まれていたからだ。こちらもきわめてセンシティブなもの。他にも用地交渉記録、用地取得の契約文書に個人情報が含まれていた。

 11月29日付で再発防止策として、文書作成事務のチェック体制の徹底により、文書件名保存での誤りを改善するとしている。文書管理システムと公文書検索システムはイコールの情報が記載されているとは限らず、件名から非公開情報を除いて検索システム用のデータが作られるのが通常だ。三重県では、この検索システム用のデータ作成に誤りがあったことが問題の原因なので、ここのチェック体制の強化を対策としているが、今回の問題からは、療育手帳や生活保護というセンシティブ情報の塊を扱う担当部署の感覚の緩さに致命的なものを感じてしまう。

 三重県の対応としては、職員が発見した文書件名への個人名の掲載を発覚後すぐに公表し、その後に調査してフォローし、結果を公表したところはえらい。内部で発見した問題は、こっそりと処理されてもおかしくない。当面は、問題を起こした部署は特に大いに緊張感を持って対応に当るだろう。ただ、「感覚の緩さ」は気になるなあ。

 三重県県ホームページ・公文書検索ページへの個人情報掲載に関する点検結果
 http://www.pref.mie.jp/TOPICS/2006110398.htm
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# by clearinghouse | 2006-12-02 01:55

情報公開裁判 いろいろ

 11月27日(月)に、沖縄国際大学に墜落した米軍ヘリ事故の情報公開訴訟の地裁判決が出される。原告の全面敗訴。原告は那覇市在住者で外務省の一部非公開決定処分を争うため、福岡地裁に提訴していたもの。弁護団も沖縄の弁護士で構成されているので、本当は沖縄で裁判をしたいところだが、そうはいかないのが行政事件訴訟法の限界。

 敗訴なので、結局、米軍ヘリの墜落事故を受けての日米政府間で行われた連絡・協議等の一部などが非公開のまま。もともと外交情報に関する非公開規定は行政裁量の大きな規定なので訴訟で争うのは難しいが、判決が「公表を予定していない情報である」ことを非公開妥当の理由として複数触れているのは気になる。控訴についてはまだ判断していないようだが、新材料の発掘にこちらも協力中なところなので、地理的にも裁判を維持するのはなかなか大変だが、控訴してほしいなあとは思う。それにしても、判決をみていつの間にか弁護団の人数が膨れ上がっていたのには驚いた。提訴当初はどうなることかと思っていたのに・・・。

 提訴当時のリリース等は以下に掲載してある。
 http://homepage1.nifty.com/clearinghouse/news/news2005/news050318.html

 それでもって、本日、私が原告の情報公開訴訟が東京地裁で結審。3月1日に判決の予定。争いの主な内容は、司法試験委員会の会議内容を録音した物が個人メモで行政文書に該当しないとした法務省の決定の取り消しと、録音物の公開の義務付けを請求したもの。先日、あるNPOの会合後の宴席で、行政法の研究者2名と情報公開制度の話をしていてこの訴訟に話が及び、「あなたがこの裁判で負けると制度運用に影響が大きいから絶対勝たなければだめよ!」と、口を揃えて言われてしまう(二人とも女性でした)。ええ、それはよくわかっています。わかっているけど、こればかりは答えが出てみないと何とも…

 ところで、私が原告の情報公開裁判はこれで3つ目だけど、いずれも結審前に必ず何かある。最初の訴訟は、地裁でいったん結審したものの、判決までに裁判長以下裁判官の構成がみな変わってしまい、かついろいろと争いの内容に関連した動きが出てきてしまったため、弁論再開になり判決までに非常に時間がかかった。二つ目は、控訴審の東京高裁で控訴人・被控訴人ともに主張を尽くしていたものの、裁判官の間で合議が終わっていないことを理由に一回期日が延びる。今回は、書面の検討をしたいとのことで原告・被告ともに何もすることはないが、一回期日が入って今日結審。二つ目の合議が終わっていないから期日をもう一回というのは珍しいと人からは言われた。いろいろやっていると、いろいろあります。
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# by clearinghouse | 2006-11-28 19:34