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鳥取県情報公開条例改正案

 
 少し前の話になりますが、鳥取県議会に情報公開条例改正案が提出されました。

 議案第34号 鳥取県情報公開条例の一部改正について
 http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/306816/34.pdf

 結局、学力テストの市町村別、学校別、学級別結果の情報公開をめぐり、公開はするけど請求者に学校名等の公表・提供をしないように求める条文を盛り込んだ改正案となっています。11月6日から20日まで、当初案である開示決定をする際に、情報の使用制限を行うとした案などのパブリックコメントを県教育委員会が行っていたものの、11月14日に開かれた教育委員会の会合で、開示情報の公表・提供しないよう配慮する責務規定に変更することになりました。しかし、元の案のままパブリックコメントは続行され、庁内では新たな案で調整が進められるという、通常ではありえない経過をたどっています。

 正直、何のためにパブリックコメントを行ったのかと思います。新たな案に手続の途中で変更したのであれば、それについてもパブリックコメントをすべきではないかと思いますが、11月25日からの県議会に間に合わせるという、日程の都合が何よりも優先されて、それ以上でもそれ以下でもないこの状況に、危機感を感じずにはいられません。パブリックコメントは市民参加の手続の一環であるはずで、行政運営の適正化を目的ともしていますが、結局は手続の適正さすら確保されずに進んでいるのは、鳥取県の持っている本質的な姿勢なのでしょうか。そもそも、市民参加は意思決定、政策形成の手続面での適正さを担保するとともに、そのことによってより適切で公正な結果・結論を得ることを目的に行われるべきだと個人的には考えています。一般的には、市民参加に関する制度化が進められて手続面での適正化は進められているものの、結果・結論の適切さ・公正さを市民参加で得ることが、今の課題だと思っていましたが、鳥取県の今回の一連の経過は、手続も結果・結論も適切ではないという最悪の状況です。

 条例改正案も、配慮に関する責務規定は以下のようなもので、大いに不満です。
 (全国学力調査情報の使用に当たっての配慮)
 第18条の2 全国学力調査情報(第9条第2項第7号に規定する調査のうち全国的な児童等の学力の実態を把握するため実施されるものの調査結果に関する情報であって、特定の学校又は学級を識別することができるものをいう。以下同じ。)の開示決定を受けた者は、この条例の目的及び第4条の規定の趣旨を踏まえ、成長段階にある児童等の心情に配慮し、特定の学校又は学級が識別されることにより学校の序列化、過度の競争等が生じることのないように当該全国学力調査情報を使用しなければならない。
 いろいろ不満があったので、11月22日に開かれた件教育委員会の会合に向けて、個人的に以下のような意見書を提出しました。

 鳥取県情報公開条例の改正案に関する意見書

 毎日新聞が11月24日に全国面で記事を掲載しています。

全国学力テスト:開示に「配慮」、知る権利を制約 鳥取県、報道規制視野に条例改正へ
http://mainichi.jp/life/edu/news/20081124ddm012100027000c.html

 県議会でのこれからの対応を考えなければなりませんね。
 
by clearinghouse | 2008-12-02 00:00