外交記録の公開制度

 12月31日の記事。外務大臣が、外交記録を原則公開とすべく、非公開の範囲を最小限にするため、第三者機関による客観的な審査の導入などの具体的な改善策の本格検討に入ったとのこと。

外交文書は原則公開に=第三者審査を検討−岡田外相(時事通信 12月31日)
http://bizex.goo.ne.jp/news/jiji-091231X270/

 今でも30年を経過した外交記録の公開制度はあり、公開された記録もあります。ただ、情報公開法の運用でも、外交記録は極めて公開されにくい。それは、情報公開法の不開示規定の問題でもあって、その審査基準も出す気はない、というメッセージ以外の何者でもなさそうなもの。その基準を外交記録の公開制度も準用しているので、その先は、推して知るべしとでもいうべきでしょうか。

 さて、この外交記録の公開制度、一体どういうルール・運用になっているのか、具体的に知りたくて年末に少し調べてみました。とはいっても、情報はないので、外務省に問い合わせました。

 最初に、外交記録審査室に問い合わせたのですが、明文化されたものは何もない、30年前に外交記録を公開をはじめたときの記者クラブへの貼り出しだけ、という返答。本当にないのか、と何度も確認したがないということで、別の担当にある可能性は?と尋ねたところ、可能性としては、文書も所管している情報公開の担当、という返答。

 そこで、次は外務省の情報公開の担当に問い合わせてみました。折り返しの電話をもらうことになって、次に連絡が来たのがまた外交記録審査室。情報公開担当には、外交記録審査室に最初問い合わせて、明文のものはないということで、可能性としては文書を所管しているそちらにもしかしたら、ということだったので、ということは伝えていたけど、結局ブーメラン。

 結論は、本当に何もないようです。30年経過した外交記録について、外交記録審査室から各局に通知して、その中で拒否されたものは触れないので、それ以外を記録審査室で審査し、外交史料館で公開、という流れは、慣行として行われていたということでした。

 原局から管理権限を移管するので、その中での決裁等々はあるようなのですが、何の明文ルールもないまま、というのはちょっと想定外。少なくとも、情報公開・個人情報保護審査会の答申の中では、外交記録の公開制度についての言及があり、そこで非公開の基準についても説明があったので、何かあると思ってたから。

 結局、外交記録審査室の求めに応じるということは、原局の管理から離れるということで、歴史的文書として最終的に外交資料室に移管するということに同意するということにつながる流れ。そこに、単に移管だけでなく、公開審査に同意するということも加味されるので、おそらく移管は進みにくい仕組みでしょう。その上、何の根拠らしきものがないというのは、お粗末。

 外交記録の公開制度については、これから仕組みを作り直しではなく、新しく作る、しかも公文書管理法を踏まえて、ということをしなければならないということだと思います。
[PR]
by clearinghouse | 2010-01-07 00:00