「会議非公開」の意味って何だ?

 行政不服審査法の見直しの検討を行うため、総務省に「行政不服審査法検討会」が設けられ、10月30日に第1回会合が行われた。11月7日になって、当日の資料と議事概要が総務省のサイトに掲載されたので、早速、ざっと目を通してみた。この手の第1回会合資料を見るときは、まず会議運営について確認するのが習慣で、この検討会についても確認してみたところ、要領案では以下のような記載があった。

2 会議の公開について
 会議は原則として非公開とするが、座長の了承を得た者について傍聴を認める。
3 会議の議事要旨について
 毎回、議事要旨を作成し、会議終了後速やかに総務省ホームページに掲載する。

 「座長の了承を得たものについて傍聴を認める」とあるので、一体これは何だ、と思い議事概要を確認すると以下の発言があったとの記載が。

○ 公開という言葉の意味合いにもよるが、自由闊達な議論の確保や検討会の円滑な運営という点から誰でも出入り自由な傍聴形式をとらないという意味で非公開とする必要性はある。ただし、情報はできる限りリアルタイムで公表することにより、実質的な公開を確保することとすべき。

 確かに、自由に出入りができるような傍聴を認める第三者機関は、国の場合、少ないかもしれない。おおよそ、会場のキャパシティの問題もあるので、事前申込みにするが、こういうのも通常は「会議公開」とされる。この場合、「円滑な運営」という点ではやむをえない。しかし、上記発言でひっかかるのは、「自由闊達な議論の確保」という観点からも、「誰でも自由に出入り自由な傍聴形式をとらない意味で非公開とする必要がある」と読めるところ。

 前者のような運営上の都合だと、傍聴者が誰であるかによって選択を行うのではなく、傍聴者が容量を超えれば先着順や抽選になる可能性があるということになろうが、後者の「自由闊達な議論の確保」という観点から、「座長の了承を得たものについて傍聴を認める」ということになると、自由闊達な議論を妨げない人を選んで、座長が了承するという意味になるだろう。傍聴者の人となりを審査するのだろうか。常識的には、あり得ないことを発言者は述べたことになろうし、仮に「審査」を行うことが想定されているとすると、踏み込むべきではない領域に踏み込んでいる。しかし、議事概要にこの発言の掲載はあるものの、これと異なる意見等の掲載もなく、検討会としての考え方は不明。

 それにしても、後日公開される議事録で誰の発言なのか確認しないと。というのも、この検討会のメンバーには、国、自治体の情報公開制度にさまざまな場面で関与している学者が多いので、「公開」に対してどのような考えをそもそも持っているのかは、その人のこの分野での発言や書くものを見聞きする際に非常に重要。だから、発言者がそういう意味でこちらが意識を向けるべき人からのものなのかどうかは、見極めておかないと。

 件の発言には、より実質的な「公開」とあり、それは議事概要や議事録、資料の公開ということなのだろうが、少なくとも第1回は資料の掲載すら1週間以上を要し、おそらく議事録の公開はかなり先になろう。忙しくなれば、議事概要も議事録も公開が遅くなるのが通例。このような公開は必要だが、だから「情報公開している」としたり、「リアルタイムの公開に努力した」というのは、アリバイ「情報公開」であることに、早く気付いてほしい。後日、鮮度の落ちた情報が公開されたことによって、その情報を知って一体何ができるのか?会議に関しては情報の鮮度が重要で、議論をするなら、情報公開制度による文書の公開と明らかに違う面があることを理解した、意味ある議論をして欲しいと思う。

第1回検討会の配付資料
 http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/gyouseifufuku/pdf/061030_1.pdf
第1回検討会議事要旨
  http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/gyouseifufuku/pdf/061030_2.pdf
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by clearinghouse | 2006-11-08 23:20