委託先が作成・取得した文書

 知人が最近、東京地裁に国を相手に情報公開訴訟を提起した。

 争いの内容は、第三者機関の議事録作成のために作成される録音テープ。速記録の作成が外注されているため、この録音テープは委託先の業者の手元にあることを理由に不存在となった。過去の情報公開・個人情報保護審査会の答申によると、審査会はこのような場合は行政文書に該当しないと判断しているので、不服申立てをしたものの良い結果は期待できないので、訴訟も並行して提起された。とはいっても、申立ての審査会への諮問はすでに行なわれているので答申の方が早く出るだろう。

 ところで、訴訟になった背景は、審査会に期待できないということだけでなく、争っている間に業者の手元にある録音テープが重ね録りされるなどして、公開請求した内容が失われる可能性が極めて高いという事情があったからだ。行政機関内にあれば、情報公開請求後に廃棄等はされないが、業者の手元にあるとそうは行かない。業者の手元にある録音テープが行政文書に該当するどうかが主たる争いになるのが、不存在決定を行った行政機関が業者に対して保存するように依頼しない限り、争っている間に録音テープは失われ、いくら処分が取消されて行政文書とされ、公開の義務付け請求が認められたとしても、意味がない。

 そこでいろいろな人に知恵を借りた結果、取り得る手段として最善のものとして行なったのが、業者に対して録音テープの行政文書性を争う情報公開訴訟を東京地裁に提訴したので、現在存在する訴訟対象物の録音テープの保存の依頼と、依頼をした以降に廃棄した場合は損害賠償請求をするという警告を記した書面の送付。どこまで効力があるのかという点については、過去に経験がないのでよくわからないが、訴訟が起こされている事実を知らせなければはじまらないので、効果があることを願うところだ。

 ただ、惜しいのは書面の送付時期が少し遅くなってしまったところで、書面の送付日に第三者機関の議事録等を掲載しているHPを確認したところ、すでに訴訟対象となっている回までの議事録がアップ済みだった。これだと、書面を受け取った時期までに消去していたと言われてしまう可能性がある。やっぱり、タイミングが何をおいても重要だよなあと思う。
[PR]
by clearinghouse | 2006-12-22 19:13