ひっそりと統計法全面改正案 衆議院委員会を通過

 先週金曜日、ひっそりと統計法の全面改正案が全会一致の賛成で衆議院総務委員会を通過した。改正法案といっても、現行の統計法とはまったくの別物で、共通する条文を探すのが難しいほど。そのため、現行法と改正案の新旧対照表も法律そもののでは作られていない。

現行の統計法
 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO018.html

統計法改正案
 http://www.soumu.go.jp/menu_04/pdf/166_070213_5_03.pdf

 基本的な方向としては、これまでかなりざっくりとした法律だった統計法の諸規定について、詳細に規定したのが改正法案。また、これまでの指定統計と承認統計などに分けられていたものを、基幹統計と一般統計にわけ、これまでは各省庁で重複等もありながら実施されていた統計について、計画的に必要な統計を整備しようという内容になっている。また、調査票の二次利用についても、総務省令で定めるものにするなど、基準が示されている。さらに、民間の統計情報の利用についても、調査票を匿名化して利用できるように規定を整備している。

 ざっと見たところでは、秘密の漏えい等などについても罰則が強化され、また、これまであいまいだった調査票の扱いや目的外への利用についても現行法より明確になっている点は、制度として良くなっている。しかし、民間が調査票を利用する際の匿名性がどのようなものなのか、調査票とは別に作成される、例えば国勢調査でいう世帯名簿のようなものの扱いがどうなるのか、さらには明確に行政情報の利用を統計調査で行なうことを規定しており、どのような形、どのような範囲で利用することとなるのか、不透明なところもある。また、国勢調査に対する問題として調査項目が大きいが、そうしたものについての議論は別にして、申告義務の「強化」が行なわれているため、実際の調査に当たっての影響も懸念される。これら疑問に思う点については、一部、国会でも質問をしてもらったが、おそらく懸念はそのまま残るだろう。

 「国勢調査」が超季節ものと言われ、国勢調査実施の時期は非常に高い関心もあり、統計制度に関する問題意識も高まるが、終わってしまえば過去の話。しかし、次回の国勢調査は、統計法の改正、業務の民間開放、統計情報の二次利用、民間提供など、これまでとは異なる中での調査となる。季節物とはいえ、その間のつなぎの時期に制度や仕組みは変わっていく。何とかしなければというよりも、状況をフォローするだけで精一杯なところが、つらいところ。
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by clearinghouse | 2007-04-17 02:02