妥協ラインの読み

 今日は、所用で埼玉方面へ行ったあと、久しぶりに夕方の時間帯があいたので新宿へ出て本屋に立ち寄る。紀伊国屋へ行き、いつもチェックするコーナーを一通り回り、いろいろほしい本があってさんざん迷って3冊ほど購入。買い始めるときりがないし、最近は、通勤時間に本が読めるので(以前は、自転車通勤だった)、前のような買って積み上げておく状態ではなくなりつつあるので、気をつけて購入しないと、最近拡張した本棚にあっという間に納まらなくなりそう。

 少し旧聞になってしまうが、政治資金規正法改正で与野党が基本ラインを合意した。合意したラインは、1か月半以上前に聞いていたラインと近いものがあるので、結局降り出しという感が個人的にはある。

 <政治とカネ>すべての領収書公開で大筋合意 与党と民・社(毎日新聞)

 今回の与野党合意内容では領収書の公開が注目されているが、結構大きな意味があると思うのが、領収書の原則添付と公開が国会議員に関連する政治団体のみが対象となっている点。各団体の政治家との属性情報まで一緒に公表されることになるのかどうかわからないが、聞いたところによると、自民党は領収書を公開することとなる政治団体数は、試算で7000団体程度としているようだ。資金管理団体と政党選挙区支部、それに加えて後援会等の関連政治団体となると、政治団体間の連結ということにはならないが、少なくとも国会議員に関連する団体の洗い出しが可能になる。これって、結構大きな変化だ。

 領収書の公開については、1万円以上は収支報告書に添付して提出され、原則公開されるが、1万円以下については、収支報告書には添付されずに各政治団体が保管し、公開の求めがあった場合に各都道府県選管や総務省を通じて連絡があって公開に応じるという仕組みになるよう。これって、私が某所で何度か口走った実を取ったボトムの妥協ラインと同じだなあと。某所というのが、なかなか微妙な所であったので、なんとはなく思うところがあるが、いずれにしても、合意された妥協ラインと同じようなことを落とし所として考えるようになった自分に、成長したというか、後退したというか、転向したというか、いろいろと複雑な気分になりましたですよ。それに、最近、意見を聞かれてもう一つ口走ったことがあるので、戦々恐々な気分。

 気になっているのが、現在は政治資金規正法上は収支報告書の閲覧しか認めていないのを、コピーについても規定を設けることになるとのことで、これは歓迎。しかし、これまで収支報告書のコピーは情報公開法や、都道府県情報公開条例による公開請求で全国どこでも入手できている。各都道府県選管に行かなくてもよいというところは、大変便利であるのだ。政治資金規正法でコピー規定を入れて、どのようにコピーができるようにするかによっては、各都道府県選管に行かなければならない状況になる可能性もあって、かえって公開性が下がる可能性もある。このことは、ずいぶん前から運用も含めてきっちり詰めて担保を取るべきという話をあちこちでしているが、まったく詰まっていない模様。ちょっと怖いなあ、この改正は。

 それに、各政治団体が保管している1万円以下の領収書は、一部を非公開にする可能性もあるようなのだが、それがどこの判断で非公開とするのかが大変関心のあるところ。収支報告書を保管する総務省や都道府県選管に1万円以下の領収書の公開を請求することになるようだが、非公開の決定主体が総務省などである場合は行政処分で争訟手続に乗るのだろうと思うのだが、仮に各政治団体が非公開としたものを、総務省などが仲介するだけの場合は、争訟手続には乗らないのだろう。さらに、各政治団体が判断して総務省などに提出した領収書等を、総務省などが請求者に対して決定通知するという形態をとることもあり得るのかなあ。そうだとすると、なかなか複雑になってくる。

 いろいろ、目が離せない。
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by clearinghouse | 2007-12-01 23:57