財務省の行政文書不存在

 5日の午前中は裁判所へ。自分が原告の4つ目の裁判の2回目の口頭弁論。今回は、財務省による行政文書不存在を争っている。争っているのは、1984年ごろから財務省(当時の大蔵省)が編纂を始めた昭和財政史のうち、沖縄返還に関する章で引用されている「大蔵省資料Z27-381」の存否で、財務省はすでに廃棄がされて存在しないとしている。この件は、不服申し立てを行い、審査会からすでに答申↓が出ており、不存在妥当という判断になった。

「大蔵省資料Z27-381」等の不開示決定(不存在)に関する件(平成18年(行情)諮問第388号)
http://www8.cao.go.jp/jyouhou/tousin/h19-01/029.pdf

 文書不存在が原告にとっても争いにくいことは承知の上で、さまざまな人の思惑のもと、個人的には訴訟するかどうかと思案していた案件ではあったが、なんだか裁判をすることになってしまった。それで、↓が訴状。先週に相手方の準備書面が出てきているので、次回期日までにこちらが準備書面を出すけど、このままだと次回で結審してしまいそうな勢いなので、ちょっと頑張らなければという情勢。

http://homepage3.nifty.com/johokokai/zaimu-01.pdf

 何をそんなにこだわっているのかといえば、財政史という公の歴史を編纂したもので引用されている行政文書が、財務省にもなく、公文書館にも移管せず存在しない、という事態はどう考えても異常ということに尽きる。しかも、ファイルの番号で引用文書を注記しているだけで、どんな文書なのかは何ら検証できないという事態は、そもそも財政史の信頼性に影響する話だろう。何でこういうことになるのか、私としては理解不能。

 国では、公文書管理担当相が任命され、政府が「公文書管理のあり方に関する有識者会議」を設置。文書管理法制定に向けていろいろ動きが出てきているこのごろだが、こういう組織文化レベルのところに、現実的にどのような議論ができ、実効性のある法制度ができるのかを考えると、そもそもほとんど動機らしい動機は省庁にはないかなあと思ってしまう。

 国が公文書管理法制としてどのようなものを想定しているのかはわからないが、財務省の不存在事件は、保存期限の経過した行政文書の廃棄と公文書館への移管の問題なので、この点からもっぱら問題になるのは、誰が廃棄や移管について権限を持ち、歴史的文書であるか否かを判断するのかということになる。都道府県の公文書館の中には、廃棄や移管かの決定権を公文書館が持っているところもあるが、この場合、知事部局という一つの執行機関の中での権限の整理ということになるが、国の場合、各省庁が持っている組織管理上の権限を、外部機関である公文書館に委譲するという話になってくる。そうそう簡単な話ではなく、力一杯の抵抗が予測されるところで、この点について、省庁には何の動機もないことのように思える。それに、少し前に、某所で文書管理に関連する官庁である内閣府、内閣官房、総務省の担当者がそれぞれ「ご説明」をする場にもぐりこんで、少々話を聞いたが、その帰り道。信号待ちをしている私の後ろを通り過ぎた「ご説明」をしていたうちの二人の会話が耳に入り、「!!」というか、「??」というか、なんと解してよいのかわからない微妙な話をしていて、大丈夫かなあと心底心配になってしまった。

 裁判の先行きはどうなるかわからないが、文書管理法制の動きの中で少しは意味を持ってくれるといいなあとは思う。それに、関連訴訟も提訴することになり、こちらも物理的な行政文書不存在事件。物理的不存在事件の難しさは分かっているつもりだが、やらなければならないタイミングなのかなあとも思っている。それに別件でも裁判をすることになりそう。ちょっと裁判をやりすぎ、という感があるけど…

 そういえば、5日はこれも私が当事者の裁判の上告受理申立理由書と上告理由書の提出期限だった。裁判の一端は以下で触れている。こちらは、主要な争点は解釈上の行政文書不存在で、廃棄による物理的不存在なども争いの中に含まれている。ただ、こちらは別の方面でいろいろ個人的には悩んでしまった事件。いまだに、整理がつかないです(´。`)

http://johokokai.exblog.jp/8116785/
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by clearinghouse | 2008-03-06 01:49