会議の録音物の行政文書性

 ひさびさの更新です。ちょっと近況。生業が変な形で忙しく、終電の帰宅が多い上に、週末の出勤が多いのに職場環境的にとても代休をとれる感じではなく、超過勤務の嵐。そんな中で、さすがに体調不良です。2ヶ月ほどかなり不調で、微熱も続いているけど休めないねえ~。先日ようやく病院に行って、20年ほど前に一度治療した病気が再発していることが発覚。やっぱり(+_+) 手術は今のところ回避したようだけど、薬は当分飲み続けなければならないよう。検査結果次第では、治療方法が変わるも。そんなところなのに、夜にいろいろNPO関係の会議やら、平日のオフィスアワーに自治体関係の審議会・委員会やらが入るので、いろんなところにしわ寄せが(´o`) もはや、家に帰るとパソコンを立ち上げる気力すらないのですよ。ちょっとスローダウンしないとね、もういい年だし。

 そんなときでも、情報公開に関わることをほそぼそとしておりました。ここのところはもっぱら、録音物の行政文書性についての書き物が多かった。一つは、福井県の男女共同参画審議会の録音物がいわゆる行政文書ではないとして不存在となったことを争っている裁判。先日控訴審判決が出され、原告側の控訴が退けられてしまったが、いろいろ縁があって、意見書を書いてみた。この裁判は、すでに最高裁に上告されている。ちょうど、私が原告の司法試験委員会の録音物がこれまた行政文書ではないとして不存在されていた裁判が、上告不受理となったのと判決はほぼ同時期。ただ、ちょっとややこしいのは、私の事件の方は、公開の義務付け請求もしているためか、録音テープは地裁・高裁とも行政文書として認めているが、不開示事由に該当することを理由に、不存在決定妥当とする判決であること。被告である国は附帯控訴をしていないので、録音物は行政文書であるという判決が確定していることになる。問題の根っことしては、福井県のケースとほぼ同じ問題が含まれているが、いわゆる行政文書の定義の規定の仕方が、情報公開法と福井県情報公開条例で少しし異なっている。この差は、言葉を弄り回すような解釈論で考えると、結構な差になる可能性もあると思うので、最高裁がどういう扱いになるのか、かなり関心がある。

 ところで、私が当事者の司法試験委員会録音物の訴訟は終結したが、集結する前に裁判と並行して行っていた不服申し立てが、先日、情報公開・個人情報保護審査会に諮問された。訴訟が終わっても、不服申し立てがそれを持って不適法になることはないはずなので、いずれにしても早晩に法務省は処理をしなければならなかったもの。ところが、訴訟では行政文書性を認める判決に対して附帯控訴をしていないのに、なんの決定変更をせず、法務省は録音物の組織共用文書性を争っている。なんで??法務省の理由説明書は、裁判のときの準備書面での主張を踏襲している。そして、そもそもの不開示決定処分の際に、行政文書として作成・保有をしていないことを理由としつつ、仮に存在した場合は不開示事由に該当しているという付記をしているためか、不存在決定と並行して、不開示事由該当性も理由説明書では主張。ただ、不開示事由該当性の主張は、実は裁判のときの準備書面と比べると、核になる主張に変化が見られる。主張されている不開示事由は、意思形成過程情報と事務事業情報だけど、とにかく裁判では、司法試験委員会の会議内容の秘密性を主な論点として主張をしていたが、秘密性の主張は影を潜めた。

 そういうことなので、審査会での主な争点として、録音物の行政文書性が判断され、かつ仮に行政文書であると審査会が判断したならならば、不開示事由該当性を判断することを法務省を期待しているらしい。だから、この理由説明書に対してかなり長文(16000字くらい)の意見書を書いて、提出した。

 理由説明書に対する意見書

 論点というか主張は多岐に渡り、不存在決定も行政文書該当性、消去による不存在、作成・取得していないことによる不存在の3つの内容が含まれるので、それぞれを、不開示決定通知書の理由付記、裁判で附帯控訴をしていないことについて、不開示事由該当性、そして審査会への諮問の遅延ととりあえず書いてみた。最後は力尽きて、かなりいい加減な感じになったきらいがあるけど・・・。審査会がどう判断するのかなあと、先が読めない感じで不安があるけど、何としても録音物は行政文書であるという答申は欲しい。というか、行政文書性を認容した判決が確定している中で、審査会はどう判断するんだろうか、という疑問がないわけではない。裁判での判決確定後に、同案件で審査会の答申が出されるのは今回が初めてだと思うので、どうなるのかな~

 そういえば、福井県の裁判では、県側は審議会の録音物の行政文書性について、アメリカの情報自由法の対象文書で用いられている”Control Test”を紹介した某大学教授の情報公開法解説書を引用し、録音物がこの基準からしても行政文書ではないと主張している。こういう主張は、別のところでもこれまでもお目にかかっている。9月にNational Security ArchiveというアメリカのNGOの法律顧問の弁護士が来日し、講演を行う機会があったんだけど、事前にメールでこの方とはやり取りをし、講演会当日もお会いして少し話をした。そのときにControl Testについても話をし、実は日本ではこれこれこうで、という話をしたら、ありえないとのお返事。これについては、解釈・運用を含めて少し詳しい情報をもらうことになった。少しずつ、詰めるべきところを詰めて、論点を先鋭化していかないと、と思う。
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by clearinghouse | 2008-10-11 23:12